2014年10月2日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
タグ: プログレ
こんにちは、カケレコ店長の田中です。
早いものでもう10月。今年も残り3ヶ月となり、だいぶ肌寒くなってきました。
事務所の中では、半袖Tシャツ、裸足に草履で過ごしておりますが、その身軽な格好もあと数日でしょうか。
ここ埼玉県の北部地域では、景勝地の長瀞から秩父にかけて、これから少しずつ紅葉の時期へと向かいます。そんな景色の移り変わりを楽しみながら、「音楽の秋」「読書の秋」を満喫してまいりましょう。
さてさて、昨日入荷したCD、売れたCDの中から店長オススメの作品をピックアップするこちらのコーナー「日々是ロック」。
プログレ、ロック、ジャズ・ロック、サイケ、ハード・ロック、フォークなどジャンルを横断して世界のロックをカケハしてまいります。
一枚目は、昨日入荷したての新入荷アイテムを。これは、カンタベリー・ミュージックとニッチ・ポップの両方が好きなら、気に入っていただけると思いますよ~。秋の季節にもぴったり。
サックス、フルート、ピアノ/オルガン奏者を含む英国のグループ。
77年にわずか250枚が自主制作されたのみの原盤は高く取引されている唯一作。
キャラヴァンやピーター・ハミルやストローブスやスタックリッジに影響を受けたようですが、英国らしい牧歌的な叙情とともにジャジーなエッセンス、白昼夢のようなサイケなエッセンスの効いたサウンドはなるほどその通り。
これは愛すべき好発掘盤ですよ~!
お次は、リュブリャナ出身のグループをピックアップ。さて、リュブリャナはどこの国の首都かご存知ですか?
旧ユーゴのグループとは言っても、中世時代にはハプスブルク帝国の領内にあり、西洋文化的な色が濃い現スロヴェニアの首都リュブリャナ出身なので、スラヴのエキゾチズムはほどほどに、西洋的な洗練されたサウンドが持ち味。
フランスのアトールあたりにも比肩する、ジャズ/フュージョン・ロックの逸品です。
リュブリャナと言えば、このバンドも要チェックですね。
ジャケの印象では、どんなに恐ろしいハード・ロックやヘヴィ・サイケが聴こえてくるかと思いますが、実際のサウンドは、シンフォニック&ジャジーなプログレ・ハード!
こ、この1曲目、ずばり旧ユーゴからのフランスATOLLへの回答。
シャープなリズム隊、壮麗なキーボード、音響センス抜群なギター、そして、スロヴェニア語のセンチメンタル&ドラマティックなヴォーカル。
ジャケは残念ですが、サウンドはグレイト!
「7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字からなる1つの国」と言われた旧ユーゴスラビア連邦人民共和国。
ドナウ川-サヴァ川を境界に大きく北部と南部に分けられ、スロヴェニアのリュブリャナは北部に属し西欧文化的な地域でした。
一方で南部に属する地域は、中世時代にはオスマン・トルコの支配下にあり、オリエント文化的なのが特徴です。
そんな南部に属する地域の最大都市で、旧ユーゴの首都でもあったのが、現セルビアのベオグラード。
ベオグラードからもたくさんのグループが登場しています。こちらで特集いたしましたので、是非チェックください。
スラヴらしいエキゾチズムが香るエネルギッシュな好作品ぞろいですよ~。
旧ユーゴとともに、今カケレコが押しているのがスペインはバルセロナのプログレ。
昨日、人気盤が数多く再入荷しましたので、ピックアップいたします。
その中でもカケレコイチオシなのがこれ!
スペインはバルセロナ出身。60年代にPIC-NICというポップ・バンドで活躍し、70年代にはギタリストのToti Solerとともにスペインのジャズ・ロック・シーンの祖を築いたとも言われる名グループOMを結成したことで知られるピアニスト。
Edigsa/Zelesteレーベルより75年にリリースされた2ndソロ。
女性ヴォーカルのスキャットもフィーチャーし、「RETURN TO FOREVERへのスペインからの回答」と言えるたおやかなアンサンブルから、ベルギーのCOSあたりに通じる暗黒カンタベリー的アンサンブルまで、とにかく演奏が芳醇なこと!
ユーロ・ジャズ・ロック屈指と言える名作。
こちらの記事で詳しく魅力に迫っています。
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スペインはバルセロナの名Key奏者/コンポーザーのJordi Sabatesが75年にリリースした2nd『OCELLS DEL MES ENLLA』をピックアップ!
彼が在籍していた「スペインのジャズ・ロック・シーンの祖を築いた」とも言われる名グループがOM。おすすめですよ~。
ジャケはサイケ/オリエンタルなのに、聴いてびっくり、音は硬派なジャズ・ロック!
電化マイルスやソフト・マシーンのファンはもちろん、ヘンリー・カウなどスリリングなチェンバー・ロックのファンも必聴のスペイン発の名盤!
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一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。スペインはバルセロナのジャズ・ロック・シーンを築いた元祖と言えるグループOMの71年デビュー作『OMG』をピックアップ。
OMで、Jordi Sabatesと一緒だったギタリストが、Toti Soler。この人のソロ作も名作ぞろい。
まばゆく爪弾かれるスパニッシュ・ギター、ブズーキなど民族楽器やクラリネットやフルートなど管楽器による地中海/アラブ・フレイヴァー。
これぞ地中海ロック!
地中海つながりで、イスラエルの作品もピックアップいたしましょう。
イスラエル・ロックの礎を築いたと言われる名デュオ。
イスラエルを代表するジャズ・ミュージシャンが多数参加した79年の名ライヴ盤で、まるで「ジェイムス・テイラーをリターン・トゥ・フォーエヴァーがサポート」した感じ!?
イスラエルもまたカケレコイチオシのプログレ豊潤地域で、こちらの記事で特集していますので、チェック是非!
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SHESHETやKTZAT ACHERET(NO NAMES)をはじめ、ジャズをベースにした洗練された演奏と巧みなポップ・センスがブレンドしたまばゆい音楽の宝庫、イスラエルを大特集!
昨日売れた新鋭プログレ作から、往年のプログレのファンにおすすめの作品を3枚ピックアップいたしましょう。
まずはフランスから。
メロトロン、ソリーナ、ローズ、ハモンドなど、ヴィンテージ・キーボードがこれでもかと溢れるファンタスティックなフランス新鋭!
なんと、あのアトールの名ヴォーカル、アンドレ・バルザーもゲスト参加した2014年快作!
お次は、南米に渡ってアルゼンチン~。
ジェネシス、ピンク・フロイド、マリリオンに影響を受けたアルゼンチンの新鋭ですが、ファンタスティックなメロディセンスとともに浮遊感やメランコリーも織り交ぜられたサウンドは、なるほどその通り!
ヴィンテージ臭ぷんぷんの2014年デビュー作!
南米プログレの新鋭は専門のカテゴリーがございますので、是非、リストをチェックください。
プログレ新鋭レコメンドのラストはポーランド!
異民族に幾度となく支配されながら、愛国歌、抵抗歌を歌いつなぎながら民族固有の文化を静かに受け継いできたポーランド民族。
ショパンを生んだだけでなく、戦後は、現代音楽界において華々しい音楽家を多数輩出しました。
そんな独自のメランコリーと不屈の精神が息づくポーランドならではのプログレッシヴ・ロック作品を続々とリリースしているレーベルがLYNX。
その筆頭グループがこのグループです。
LYNXレーベル総帥の率いるポーリッシュ・シンフォ・バンドの11年作。
雄大に広がりを持つシンセ・ワークと洗練を極めたダイナミックな曲展開は、現代ポーランドの中心的バンドというポジションに相応しい存在感!
LYNXレーベルではこの作品も人気です。
幻想的にたなびくキーボードとヘヴィかつヌケの良いギター、そしてそこに映えるメランコリックな美声女性ヴォーカル!
ドイツのRPWLのサポートを務めたことも納得のイマジネーション豊かなポーランドの新鋭、2014年デビュー作!
LYNXレーベルの在庫一覧はこちら!
ラストは、轟音ギターで締めくくりましょう。
昨日入荷したガレージ・ロックの新譜をピックアップ!
SWAMP RATSの前身としても知られるピッツバーグの実力派ガレージ・ロック/フォーク・ロック・トリオ、66年唯一作!
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
またお会いいたしましょう。
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スペインはバルセロナ出身、60年代にPIC-NICというポップ・バンドで活躍し、70年代にはギタリストのToti Solerとともにスペインのジャズ・ロック・シーンの祖を築いたとも言われる名グループOMを結成したことで知られるピアニスト。Edigsa/Zelesteレーベルより75年にリリースされた2ndソロ。ピアノとエレピを基本にした前作とは異なり、バンド編成で録音。OMで一緒だった名ギタリストToti SolerとベースのManolo Eliasをはじめ、元JARCAのギタリスト、後にORQUESTRA MIRASOLで活躍するドラマーなどがサポート。女性ヴォーカルのスキャットもフィーチャーし、「RETURN TO FOREVERへのスペインからの回答」と言えるたおやかなアンサンブルから、ベルギーのCOSあたりに通じる暗黒カンタベリー的アンサンブルまで、とにかく演奏が芳醇なこと!ピアノやエレピはもちろんのこと、フィル・ミラー的な滑らかに緊張感あるフレーズからゴリゴリとアグレッシヴに弾き倒すフレーズまで縦横無尽なエレキも特筆。パーカッシヴなフラメンコ・ギターとの対比も見事です。15分を越えるオープニングの組曲はユーロ・ジャズ・ロック屈指と言える名曲。
スペインはバルセロナ出身。60年代にPIC-NICというポップ・バンドで活躍し、後にジャズ/フュージョン・シーンでも活躍するスペインを代表する名手の2人、ギタリストのToti SolerとピアノのJordi Sabatesを中心に69年に結成。わずか2年という短い活動期間ながら、スペインのジャズ・ロック・シーンの祖を築いたとも言われる名グループ。71年の唯一作。ドラムはイギリス人で、ヘンリー・カウでお馴染みのTim Hodkingsonの兄弟のPeter Hodkingson。彼のロバート・ワイアットばりの手数多くタイトなリズムを土台に、Todiがゴリゴリとアグレッシヴにギターを弾き倒すテンションみなぎるジャズ・ロックが印象的。フルートやピアノによるイマジネーション溢れるパートや、サックスがフリーキーに暴れたり、アレンジも巧みでかなり痺れます。電化マイルスやソフト・マシーンのファンはもちろん、ヘンリー・カウなどスリリングなチェンバー・ロックのファンも間違いなく気に入るでしょう。Todi Solerのギターは本当に素晴らしく、北欧の名手Jukka Tolonenが好きな方にも是非オススメしたいです。ジャケはサイケ/オリエンタルですが、サウンドは硬派なジャズ・ロック。これは傑作です。
ヴィンテージ・キーボードやエレクトリック・ブズーキを操るマルチインストゥルメント奏者、MOTISことEmmanuel Tissot率いるグループ。2014年作6th。ANGE直系のシアトリカルなシンフォニック・ロックを軸に、MALICORNEに通じるフレンチ・トラッドのフレイヴァーが香るサウンドが持ち味。とにかくメロトロンM400やソリーナやローズやハモンドなどヴィンテージ・キーボードがこれでもかとフィーチャーされていて、特にメロトロンが大活躍!幻想的に溢れるメロトロンをバックにリリカルに紡がれるハモンド、そして、スティーヴ・ハケットを彷彿させる格調高いマンドリンやブズーキが織り成すファンタスティックなアンサンブルは、ジェネシス〜アンジェあたりのファンはたまらないでしょう。MOTISによるフランス印象派絵画のように柔らかで親しみやすいハイ・トーンのヴォーカルとフックあるメロディも特筆。なんと、アトールの名ヴォーカリスト、アンドレ・バルザーがゲスト参加し、1曲でヴォーカルを担当。この曲がまた素晴らしい!アナログ的な温かなサウンドプロダクションも印象的で、70年代の発掘作品と言っても分からないでしょう。これはシンフォニック・ロックのファンは必聴の快作!
99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。前作から3年ぶりとなった2011年作の8thアルバムで初の2枚組。憂いあるメロディと空間的で映像喚起的なアレンジとが完璧に融合したスタイリッシュなプログレを前作で極めた彼らが挑んだのが、アルバム2枚に渡って描く壮大なるストーリー。アダムとイブを主人公に、男女間の複雑な関係性をパズルのピースに見立てて描いたコンセプト・アルバムに仕上がっています。ジャケット・イメージからも分かる通り、彼らが敬愛するピンク・フロイド『ウォール』へのオマージュであり、挑戦でもある力作。これは傑作です。
旧ユーゴのイタリアにほど近いリュブリャナ(現スロヴェニアの首都)出身のプログレ・グループ。78年の唯一作。ジャケの印象では、どんなに恐ろしいハード・ロックやヘヴィ・サイケが聴こえてくるかと思いますが、実際のサウンドは、シンフォニック&ジャジーなプログレ・ハード!明るいトーンで広がる壮麗なキーボード、音響的なセンス抜群のアルペジオからファンキーなカッティング、ブルージー&メロディアスなソロまで表現力豊かなギター。リズム隊も特筆で、シャープに引き締まったトーンで小気味良くドライヴするドラム、ハイポジションでよく動くベースはキレ味抜群。そして、魅力的なのが、辺境プログレの哀愁がつまった霧に包まれたようなセンチメンタルでドラマティックなセルビア語のヴォーカル。ジェネシスやイエスなど英プログレからの影響とともに、マハビシュヌ・オーケストラなどジャズ/フュージョン・ロックやファンクなどのエッセンスを加えた色彩豊かなサウンドは、テクニック、アレンジセンスともに抜群。個人的には、1曲目を聴いて、「旧ユーゴのアトール!」というキーワードが頭に浮かびました。
旧ユーゴのイタリアにほど近いリュブリャナ(現スロヴェニアの首都)で75年に結成されたプログレ・グループ。サックス奏者、Key奏者を含む5人組。77年のデビュー作。ZOMBIESを思い出すメロウなR&BフレイヴァーからRETURN TO FOREVER的たおやかなフュージョン・フレイヴァーまで彩り豊かなエレピ、ロック的なエッジとフュージョン・タッチの流麗さとが同居したスリリングなギター、バタバタとファンキーなノリのリズム隊。アドリア海に近く、東西文化が混濁したリュブリャナという土地柄か、地中海フレイヴァーやエキゾチズムが香るサウンドが印象的です。旧ユーゴ屈指のジャズ/フュージョン・ロック名作!
スパニッシュ・ジャズ・ロックの名グループOMのギタリストでありスペインを代表するギタリストであるToti Solerによる77年にEDIGASA傘下のZELESTEよりリリースされた4thソロ。前作までは基本、スパニッシュ・ギター一本のインストでしたが、本作では、パーカッションやブズーキなど民族楽器やクラリネットやフルートなど管楽器も取り入れ、地中海フレイヴァー/アラブ・フレイヴァーいっぱいのサウンドを聴かせています。チェンバー・ロック的な静謐な楽曲から、管楽器とスパニッシュ・ギターがたおやかに舞う伸びやかな楽曲まで、これぞ地中海ロックといえるサウンドが素晴らしい逸品。
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