2013年12月12日 | カテゴリー:ユーロ・ロック周遊日記
タグ: プログレ
一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。
本日は、「スウェーデンのユーライア・ヒープ」としてユーロ・ロック・ファンに人気のRAG I RYGGENの75年唯一作をピックアップいたしましょう。
オープニング・ナンバーから「スウェーデンのユーライア・ヒープ」たる魅力満載で、初期サバスやディープ・パープルにも通じるズンズンと前のめりに疾走するリズム隊を土台に、左右チャンネルに配された2本のギターがファズの効いたエネルギッシュなリフとスリリングなリードで畳みかけ、ここぞで荘厳にオルガンが鳴り響く。
北欧の神秘的な森や白夜が目に浮かぶようなファンタスティックなパートを折り込んだかと思うと、スペーシーなシンセがまるでイタリアのレ・オルメのように重厚に響き渡るなど、5分半の中でめくるめく展開していく名曲。
スウェーデン語の響きがまたサウンドの幻想性を一層引き出しています。
バンドの中心人物は、80年代にはプロデューサーやソングライターとしても活躍するヴォーカル&フルート奏者のJonas Warnerbringで、なんとスウェーデンを代表する男性ヴォーカリストOsten Warnerbringの息子。
ブルース・ロック・バンドとして活動した後、学業のためストックホルムにやってきて、そこでRAG I RYGGENを結成します。
キーボード奏者にギター2人の6人編成で、ギタリストの1人は、後にStrix Qというバンドなど80年代にも活躍するBjorn Nystrom。
アグレッシヴなツイン・リード・ギターとともに、ヨナスのフルートもまたこのグループの特徴。フルートが印象的なナンバーをピックアップいたしましょう。
幻想的にむせぶフルートをフィーチャーしたイントロから一転して、ザクザクとアグレッシヴなハード・ロックへと突入。後半に向けて熱を帯びていくツイン・リード・ギターとともに、フルートもジェスロ・タルのイアン・アンダーソンばりに吹き飛ばします。
この曲の歌詞は英語ですね。アルバム全体では、インスト1曲をのぞくと、英詩とスウェーデン語詩が半々。
最後に、早いパッセージのリズム・ギター、手数多くシャープなドラム、ゴリゴリとアグレッシヴなベースをバックにして幻想的に鳴り響くオルガンが印象的なプログレ・ハード・ナンバーをピックアップ。
ヴォーカルとメロディもハートウォームでキャッチー。
これはずばり北欧版グリーンスレイドですね!
いかがでしたか?
北欧のファンタスティックなプログレはジュークボックスで特集しておりますので、あわせて探求ください。
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