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「MEET THE SONGS」 第36回 ゾンビーズ『オデッセイ&オラクル』

今日の「MEET THE SONGS」は、ゾンビーズが68年にCBSレーベルよりリリースした2nd『オデッセイ&オラクル』をピックアップいたします。

ビートルズが67年に『サージェント・ペパーズ』をリリース以降、たくさんのカラフルなサイケ・ポップ作品が生まれましたが、その中でも屈指と言える傑作。

ロッド・アージェントとクリス・ホワイトの2人が紡ぐ英国的な気品が溢れる流れるように美しいメロディ。ピアノやストリングスやハープシコードやメロトロンが彩るカラフルでいて甘くマイルドなアンサンブル。そして、サイモン&ガーファンクルのアート・ガーファンクルと並び称される魅惑的なハスキー・ヴォイスを持つコリン・ブランストーンの歌声。

収録曲の中では一般に「Time of the Season」が有名ですが、この曲がアルバムの中では下の方なんじゃないか、と言っても過言ではないぐらい、名曲目白押しなのです。

「えっ、本当かよ」って?

では、早速、聴いてまいりましょう。

まずはロッド・アージェント作曲のオープニング・ナンバーから!

Care of Cell 44

ハープシコードのイントロからたまらないし、ベースの入り方も最高だし、メロトロンが入ってきて、コーラスが入ってきて、ビーチ・ボーイズ『ペットサウンズ』っぽいコーラスのブレイクからサビへ・・・う~ん、最高。

そこからもメロトロンが気品たっぷりで、ビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」と並ぶメロトロン入りポップ・ソング代表曲に認定!

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A Rose for Emily

そして2曲目。こちらもロッド・アージェント作。

流麗なメロディとコリン・ブランストーンの歌声。ポール・マッカートニーの名曲にも勝るとも劣らないバロック・ポップですね。

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Brief Candles

もう一人のソングライター、クリス・ホワイトの楽曲もピックアップいたしましょう。

Aメロを歌っているのは、クリスでしょうか。サビでコリン・ブランストーンが入ってきて、メロトロンとともに一気に広がるコーラス・ワークも見事。

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I Want Her She Wants Me

B面に行って、ロッド・アージェントの楽曲をピックアップ。

ハープシコードがいいなぁ。よく動くメロディアスなベースもいいし、シャープに引き締まったドラムもまたこのグループの魅力なんだよなぁ。

流麗なAメロ&サビから、R&BフレイヴァーたっぷりのCメロを挟む構成も見事。

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This Will Be Our Year

僕がこのアルバムの中でもっとも美しいメロディだと思う曲。作曲はクリス・ホワイト。

この溢れる気品・・・ジョージ・マーティンとポール・マッカートニーのコンビにも負けてませんね。

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Friends of Mine

もう一曲、クリス・ホワイトの曲を。最高にキャッチーなビート・ポップ。友達の名前をコーラスに持ってくるセンス。良いなぁ。

BBCライヴ・バージョンでどうぞ!

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いや~、本当にメロディの良さが凄いことになってますね。

おまけのように最終曲「Time of the Season」を載っけましょう。

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残念ながらメンバー間のいざこざにより、アルバムのリリース前に解散してしまいます。
ライヴでのプロモーションもできなかったので、この内容にもかかわらずまさかのヒットせず。

アメリカでは、米CBS社長がリリースしないことを決めたものの、CBSのプロデューサーを務めていたアル・クーパーの熱心な助言により、傘下のDate Recordsよりリリースが決定。「Time of the Season」が大ヒットします。

その頃、ロッド・アージェントとクリス・ホワイトは新しいバンドARGENTの活動をスタートしていたものの、「Time of the Season」のヒットで、CBSからゾンビーズとして3rdアルバムを作ることを要請され、ARGENT用の曲や古いアウトテイクなどを寄せ集めてレコーディング。残念ながらシングルがリリースされたのみで、正式にはリリースされませんでした。

この幻の3rdは『R.I.P.』としてリリースされいて、『オデッセイ&オラクル』のファンは必聴。

特にシングルカットもされた「Imagine The Swan」は、『オデッセイ~』収録曲以上と言えるほどに美しいメロディを持つ名曲です。

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ゾンビーズは、ロンドンの北隣に位置するハートフォードシャー州の町、セント・オールバンズの学友達で62年に結成され、デッカ・レコードと契約し、64年にデビュー。

イギリスらしいジェントル&メロディアスなメロディを持つR&Bスタイルのビート・ロックで、「シーズ・ノット・ゼア」「テル・ハー・ノー」とヒットを飛ばし、ブリティッシュ・インヴェイジョンの波にも乗り、アメリカでも人気となりました。

ほぼビートルズと活動時期を同じにしながら、正式リリースしたアルバムはわずか2枚。

もっともっと活動中に作品を聴きたかったし、解散せずにもう一枚きちんと作っていれば、『アビーロード』にも負けない作品を作ってくれたはずなのに!

と興奮した心を落ち着けるべく、コリン・ブランストーンの71年リリースの1stソロ『一年間』を聴きましょう。

曲は、アージェント/ホワイトのコンビの楽曲も魅力的なんですが、コリン自身が作曲した「Caroline Goodbye」をピックアップ。

コリンもこんなにも良いメロディが書けるなんて!コリンがジョージ・ハリスンのような第三のソングライターになるまでバンドが解散せず続いていれば、70年代を代表する素晴らしいバンドになったはずなのに!(またまた興奮して地団駄)

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「MEET THE SONSG」は、月曜日から金曜日まで毎日、定番からニッチ盤まで僕らのロック・ミュージックを紹介しています。
また来週、お会いいたしましょう。

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  • ARGENT / ENCORE (LIVE IN CONCERT)

    元ZOMBIESのROD ARGENT率いるグループ、74年のライヴ、ZOMBIES時代の代表曲「Time Of The Season」も演奏

    ゾンビーズのリーダー、ロッド・アージェントがグループ解散後にラス・バラードらと結成したグループ。今作はラス・バラード在籍最後のアルバムであり、アージェント唯一のライヴ作品。「ホールド・ユア・ヘッド・アップ」、「ゴッド・ゲイヴ・ロックンロール・トゥ・ユー」といったヒット曲、代表曲はもちろんのこと、ここで注目すべきはゾンビーズ時代の「二人のシーズン」、さらにはゾンビーズ時代の盟友コリン・ブランストーンのために、ラスが書き下ろしてアージェントがバックを務めた「アイ・ドント・ビリーヴ・イン・ミラクル」が収められていることだ。ライヴ・バンドとしても彼らが一流だったことを窺わせる貴重なアルバムである。1974年発表。

  • ARGENT / NEXUS

    ZOMBIESを率いたROD ARGENTによるグループ、74年作

    ゾンビーズのリーダー、ロッド・アージェントがグループ解散後にラス・バラードらと結成したグループ。今作はロッド・アージェント、ラス・バラードでほぼ半々のナンバーを分け合った通算5作目。アージェントの一員としてのラスにとっては本作が最後のスタジオ・アルバムとなってしまった。ラスによる美しいナンバー「ラヴ」をはじめ、いずれも秀逸な作品ばかり。しかしながらポップでキャッチーな方向を目指すラスと、より冒険的なプログレ・サウンドを目指すロッドとの乖離が見て取れるのも事実。1974年発表。

  • ARGENT / COUNTERPOINTS

    元ZOMBIESの奇才Rod Argentが率いた英ロック・グループ、最終作となった75年作!

    ZOMBIESのキーボーディスト/コンポーザーとして活躍した才人Rod ArgentがRuss Ballardらと結成したグループ。Russ Ballard脱退後の2作目にして最終作となった75年の7thアルバム。10ccかと思う程のひねりの効いたモダン・ポップ・テイストと、タイトに攻めるテクニカルなアンサンブルの組み合わせが気持ちいい、極上のブリティッシュ・ロックを聴かせてくれます。注目が一部楽曲におけるPhil Collinsの参加。2曲目や5曲目がおそらく彼の参加曲で、まさしくBRAND XやRTFばりの怒涛のテクニカル・ジャズ・ロックが繰り広げられて興奮必至です。Rod Argentの舞うように流麗なエレピさばき、John GrimaldiのGoodsallばりに音数多く切れのあるギターも素晴らしい。プログレ+モダン・ポップというスタイルで言うと、SAD CAFEにも近い聴き心地を持った充実の一枚となっています。

  • ARGENT / HOLD YOUR HEAD UP – BEST OF

    元ゾンビーズの才人ロッド・アージェントによるグループ、日本独自編集による15曲収録ベスト

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  • COLIN BLUNSTONE / ONE YEAR

    元ZOMBIESのヴォーカリスト、71年作1stソロ、流麗なメロディに溢れた情緒豊かな名作

    奇跡のように美しいハスキー・ヴォイスを持った名シンガー。ZOMBIES解散後の71年にリリースされたファースト・ソロ作。自身作曲の「CAROLINE GOODBYE」はもう言葉を失う美しさ。「流麗」という言葉がぴったりくる本当に美しい名曲。ロッド・アージェント作曲の「SHE LOVES THE WAY THEY LOVE HER」も、ZOMBIES「ODESSEY & ORACLE」の楽曲を彷彿とさせるような、キャッチーで格調高い名曲。幻想的で優美な傑作です。

  • COLIN BLUNSTONE / ENNISMORE

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  • COLIN BLUNSTONE / ENNISMORE and JOURNEY

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