2015年1月30日 | カテゴリー:ロック探求ランキング,世界のロック探求ナビ
2014年のカケレコランキングを見ると、1位のLITTLE TRAGEDIESは頭ひとつ抜けていますが、2位以降は僅差で、90年代以降のプログレ・シーンを牽引していたスウェーデン&イタリアを追い越せとばかりに、ロシアやオランダやポーランドから魅力的なグループが続々と登場し、ヨーロッパ全土でプログレ・シーンが活気づいた一年となりました。
聴き逃しの1枚がないか、どうぞ試聴しながら2014年を彩った好作品たちをお楽しみください!
本格的な音楽教育を受け、交響曲も書けるほどにクラシックに精通したKey奏者&コンポーザーのGennady Ilyinを中心に、ロシア南西部のウクライナ国境に近い町クルスクで結成された新鋭プログレ・グループ。
EL&Pをモダンなヘヴィネスでアップデートしたような重厚極まる「動」のパートと、対照的にエニドばりにクラシカルでロマンティックな「静」のパートの鮮やかな対比で聴き手を圧倒する渾身の大傑作!
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スウェーデン出身のFredrik Larssonによるソロ・プロジェクト。2014年作の2nd。
スウェーデンと言えばムーン・サファリが大人気ですが、ムーン・サファリの持つファンタジーや歌心をそのままに、スピード感を加えた感じで、ハートフルで痛快で奇想天外で、こ、これは凄いアルバム!
このアーティストは当初、Youtubeから人気が出たみたいで、クラシックの名曲に歌詞を付けて動画があったり(これ凄いです)、クリスマス・ソングやゲーム音楽を弾き語ったり、色々ありますので、是非、チェックしてみてください。
99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。最高傑作と言える圧倒的な強度のシンフォニック・ロックを聴かせた前作からわずか1年でリリースされた2014年作10thアルバム。
オープニングを飾る19分を超えるナンバーは、ベートーヴェンやワーグナーなど偉大なる作曲家へのオマージュであるとともに、ジェネシス「サパーズ・レディ」やピンク・フロイド「エコーズ」など偉大なるプログレ名曲へと捧げられた大曲!
06年にロシアはモスクワで結成された新鋭プログレ・グループ。
EL&P、U.K.、イエス、ジェネシス、クリムゾン、ツェッペリンに影響を受けたKey奏者でコンポーザーのSergey Bolotovを中心にキーボード・トリオとして活動をスタートし、ヴァイオリン奏者やフルート奏者やギタリストをゲストに迎えて録音され、2014年にリリースされたデビュー作。
こ、これは、ずばりLOST WORLDに比肩するロシア注目の新鋭。ベテランで言えばハンガリーのAFTER CRYINGにも肩を並べるクラシカルなシンフォを聴かせますよ~。
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07年にデビューしたオランダのシンフォニック・ロック・バンド、2014年作4thアルバム。
オランダらしい端正でメロディアスな12年の前作が月間ベストセラーになるなどカケレコでも人気でしたが、本作では、透明感とともにダイナミズムが増し、よりモダンでドラマティックになった印象。
前作で極めたジェネシス/キャメル系シンフォ・サウンドから一気に覚醒して気品たっぷり&ドラマティックに突き抜けた傑作。
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キーボード奏者でコンポーザーのMats Benderを中心に、妻のAnna Jobs Bender(リードVo)、息子のMattias Bender(ドラム&バッキングVo)、娘のJohanna Bender(バッキングVo)を配した、Benderファミリーを中心とするスウェーデンのシンフォニック・ロック・グループ。2014年作の3rd。
クリアなハイトーンの伸びやかな女性ヴォーカルも絶品です。北欧らしいヒンヤリと透明感あるシンフォニック・サウンドに、女性ヴォーカルとメランコリックなメロディが美しく映える北欧シンフォの快作!
カナダのトロント出身。Billy Sheehan’s Talasに在籍していたヴォーカルPhil Naroを擁する5人組グループ、2011年デビュー作に続く2014年作2nd。
イエス、ジェントル・ジャイアント、カンサスが好きなら、この爽快&痛快なプログレ・ハード・サウンドはきっとたまらないはず!
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ハイ・トーンのヴォーカルとヌケの良いコーラス・ワーク、そして、突き抜けるように躍動感いっぱいのアンサンブル。そんなイエスのDNAを継ぐ00年代以降の世界各国のプログレ作品をセレクト!
キーボード奏者のAndrey Pishchulovを中心にロシアはモスクワで結成され、2010年に70年代プログレへの憧憬と歌心に溢れたサウンドで鮮烈なデビューを飾った新鋭プログレ・バンド。
デビュー作もヴィンテージなプログレ・ファン歓喜の傑作でしたが、この2014年作2ndもジェネシスやイエスやEL&PのDNAを継ぎつつ、モダンなヘヴィネスで躍動する傑作。
こ、このバンドは注目です!
70年代から活躍するメキシコのプログレ・バンドが2014年に放ったダイナミズムみなぎるモダン・シンフォ傑作!
厳密には新鋭バンドではありませんが、音の瑞々しさはと溢れんばかりのエナジーは「ベテラン」というより「新鋭」と言った方がしっくりくるので、こちらでピックアップしちゃいましょう。
それにしても、相変わらず鮮烈・・・。
ジェネシスやカンサスへの愛情に溢れたフックに富んだプログレ・ハードを聴かせるイタリアのプログレ新鋭グループ、2014年デビュー作。
ラストの17分を超えるタイトル・トラックの素晴らしさときたら!
ジェネシスやグリーンスレイドからムーン・サファリまでを俯瞰したような、躍動感いっぱいで歌心みなぎるアンサンブルがめくるめく名曲!
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FINISTERRE、LA MASCHERA DI CERA、HOSTSONATENを率いて次々にプログレ傑作を生み出した90年代以降を代表する奇才ファビオ・ズッファンティが2014年、活動20周年の集大成としてリリースしたモダン・プログレ大傑作ソロ!
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スウェーデン出身、Key奏者を含む4人組バンド、2014年のデビュー作。
そのサウンドはずばり「ピンク・フロイドのメランコリーと音響感覚 meets ジェネシスの幻想美」。
モダンな音響センスを持ったSSWのバックを、ヴィンテージなプログレ新鋭バンドがサポートして幻想美を加えた、というような個性的な逸品です。
2012年に結成され同年にデビューしたスウェーデンの新鋭プログレ・バンド。2014年作2nd。
ツインKey編成の5人組だったデビュー作からKey奏者一人が抜け、4人組となって制作。12分を超えるオープニング・ナンバーなど、柔和で幻想的だったデビュー作と比べ、演奏は洗練されてソリッドになり、音のみずみずしさと艶もまし、モダンなプログレとしてのダイナミズムがグッと増した感じ!
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ヴィンテージ・キーボードやエレクトリック・ブズーキを操るマルチインストゥルメント奏者、MOTISことEmmanuel Tissot率いるグループ。2014年作6th。
メロトロン、ソリーナ、ローズ、ハモンドなど、ヴィンテージ・キーボードがこれでもかと溢れるサウンドは、圧倒的にファンタスティック!
なんと、あのアトールの名ヴォーカル、アンドレ・バルザーもゲスト参加した快作!
イタリア北西部はトリノ出身のKey奏者Nico Comoglioを中心に90年代はじめに結成されたグループ。92年と93年にアルバムをリリースした後、いったん解散し、2010年に再結成。再結成後にリリースした2枚のアルバムに続く通算では5枚目となる2014年作。
クラシックの気品、ジャズの躍動感、地中海音楽のエキゾチズムがブレンドしたまばゆいサウンドは、これぞイタリアン・プログレ!
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90年代以降にプログレ新鋭シーンが盛り上がり、00年代に入っても注目の作品が続々とリリースされています。その勢い衰えず、次々と優れたプログレ新譜が届く2014年。入荷した注目作をピックアップいたしましょう。
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ウクライナが誇るミュージシャンであり、90年代以降のプログレ・シーンを代表する一人と言って過言ではないKey奏者&コンポーザーですね!映像喚起的でイマジネーション豊かなシンフォ・サウンドが鮮やかに描かれる充実の2014年作!
1st、2ndともにカケレコ・ロングセラーのポーランド屈指のシンフォ新鋭による2014年作3rd!より鋭さをましたロック的ダイナミズムと東欧らしいメランコリーとが織り成すメロディアスさを極めた傑作!
続々と優れたプログレ作品を生み出す00年代のオランダからまたまた注目の新鋭が登場!清涼感いっぱいに広がる多彩なキーボード・ワーク、そして、オランダらしい柔和で温かみあるハイ・トーンのヴォーカルとフックに富んだ伸びやかなメロディ。充実の2014年デビュー作!
キャメルのDNAとともに、ニューエイジ・フレイヴァーやトラッド・フレイヴァーを織り交ぜながら紡いだ叙情派シンフォ・サウンドが魅力のイタリアの新鋭グループ。14年作が登場!
スタックリッジ meets カンタベリーな新鋭がイギリスから登場!この2014年作、ニッチ・ポップとカンタベリー・ミュージックのファンならド直球ですよ~。
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99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。最高傑作と言える圧倒的な強度のシンフォニック・ロックを聴かせた前作からわずか1年でリリースされた2014年作10thアルバム。「完璧なメロディを探して」というタイトル通り、アルバム冒頭から伸びやかなハイ・トーンのヴォーカルがアカペラで高らかに歌い上げ、鳥肌もの。間髪いれず、彼らの持ち味である、ピンク・フロイドゆずりのディレイ音による空間的なアンサンブルの中、ギター、続いてサックスがリードを取る展開もスケール大きいです。このタイトル・トラックは、ベートーヴェンやバッハやワーグナーなど偉大なる作曲家へのオマージュであるとともに、偉大なるプログレ大曲、ジェネシス「サパーズ・レディ」やピンク・フロイド「エコーズ」やイエス「危機」へのオマージュとして作られた19分を超える大曲。メランコリックでいてスタイリッシュな彼らならではのプログレッシヴ・ロックを極めた名曲です。ロング・トーンでまるで歌うように優美に奏でられるギターと夢想的なサックスが柔らかにメロディを紡ぎ合うインストあり、ストリングスが艶やかに彩る、愛とともに裏切りを描いた渾身のバラードあり、ピンク・フロイドゆずりの洗練を極めたアンサンブルとともに突き抜けたメロディ・センスで聴き手を壮大な音のストーリーへと導き感動を誘うサウンドは彼らの真骨頂。前作に負けず劣らずの傑作です。
デジパック仕様 ※1曲目00:15にブツッという雑音、2曲目05:03以降に一部の音が奥に引っ込んだような感じになります。制作段階での問題と思われますので、何卒ご了承ください
デジパック仕様 ※1曲目00:15にブツッという雑音、2曲目05:03以降に一部の音が奥に引っ込んだような感じになります。制作段階での問題と思われますので、何卒ご了承ください
盤質:無傷/小傷
状態:良好
デジパック仕様 ※1曲目00:15にブツッという雑音、2曲目05:03以降に一部の音が奥に引っ込んだような感じになります。制作段階での問題と思われますので、何卒ご了承ください
盤質:傷あり
状態:並
カビあり
70年代から活躍するメキシコを代表するシンフォニック・ロック・グループ、2014年作。煌びやかなピアノが華麗に流れていくオープニング。ピアノが不穏なフレーズへと移行していくと、ザクザクとヘヴィ・メタリックなギターが炸裂し、一気に動き出すアンサンブル。ここぞでは視界が開けたように透き通った鋭角なトーンのギターやヴィンテージなハモンド・オルガンやフルートがファンタスティックなフレーズを高らかに奏でます。フルートとザクザク・ギターとのユニゾンあり、ピアノとギターによるクラシカルな高速フレーズが一閃したり、それを支えるリズム隊のキレ味も特筆だし、70年代的な幻想性と現代的な明瞭さやダイナミズムが見事に融合したアンサンブルは、まさに「鮮烈」という言葉がぴったり。それにしても、ベテランとは思えない突き抜けたエナジー。これはモダン・シンフォニック・ロックの傑作です!
本格的な音楽教育を受け、交響曲も書けるほどにクラシックに精通したKey奏者&コンポーザーのGennady Ilyinを中心に、ロシア南西部のウクライナ国境に近い町クルスクで結成された新鋭プログレ・グループ。2014年リリースの恐らく9枚目。エネルギッシュかつ流麗に鳴らされるムーグのリード、そこに時にユニゾンで超絶的に合わせ、時に単独で鳴り響くハモンド。オープニングから躍動するヴィンテージ・キーボードのスリリングな演奏に言葉を失います。タイトかつアグレッシヴなリズム隊とエッジの立ったギターのリフによるロック的ダイナミズムも印象的で、EL&Pをモダンなヘヴィネスでアップデートしたような重厚極まるキーボード・プログレを基調に、クラシック直系の華麗なキメのパートを挟みつつ、これでもかとドラマティックに展開していきます。一転して、音が瑞々しく響く格調高いピアノによる静謐なパート、管楽器が豊かに鳴るロマンティシズム溢れるパートも絶品ですし、ロシア語によるエモーショナルかつ演劇的なヴォーカルか醸すもの悲しさも特筆。「静」と「動」の鮮烈な対比。LOST WORLDと並ぶ現代ロシア・プログレ屈指のグループによる渾身の大傑作です。
06年にロシアはモスクワで結成された新鋭プログレ・グループ。EL&P、U.K.、イエス、ジェネシス、クリムゾン、ツェッペリンに影響を受けたKey奏者でコンポーザーのSergey Bolotovを中心にキーボード・トリオとして活動をスタートし、ヴァイオリン奏者やフルート奏者やギタリストをゲストに迎えて録音され、2014年にリリースされたデビュー作。まるでキース・エマーソンのような重厚かつテンションみなぎるピアノと艶やかに舞い上がるヴァイオリンとがダイナミックに躍動するオープニングから、デビュー作とは思えない鮮烈なプログレを聴かせます。シャープなドラム、ジャズ/フュージョンの確かな素養を感じるベースによるリズム隊も安定感抜群で特筆。瑞々しくリリカルなピアノに、フルートやヴァイオリンが静謐に響く映像喚起的なパートも素晴らしいし、レ・オルメ『フェローナ〜』ばりのキーボード・プログレもカッコ良いし、クラシカルなプログレとして、同郷の新鋭LOST WORLDや、ベテランで言えばハンガリーのAFTER CRYINGあたりと肩を並べる、と言っても過言ではないでしょう。これは素晴らしい作品。ヴァイオリンとフルートをフィーチャーしたシンフォニック・ロックのファンは必聴!
ヴィンテージ・キーボードやエレクトリック・ブズーキを操るマルチインストゥルメント奏者、MOTISことEmmanuel Tissot率いるグループ。2014年作6th。ANGE直系のシアトリカルなシンフォニック・ロックを軸に、MALICORNEに通じるフレンチ・トラッドのフレイヴァーが香るサウンドが持ち味。とにかくメロトロンM400やソリーナやローズやハモンドなどヴィンテージ・キーボードがこれでもかとフィーチャーされていて、特にメロトロンが大活躍!幻想的に溢れるメロトロンをバックにリリカルに紡がれるハモンド、そして、スティーヴ・ハケットを彷彿させる格調高いマンドリンやブズーキが織り成すファンタスティックなアンサンブルは、ジェネシス〜アンジェあたりのファンはたまらないでしょう。MOTISによるフランス印象派絵画のように柔らかで親しみやすいハイ・トーンのヴォーカルとフックあるメロディも特筆。なんと、アトールの名ヴォーカリスト、アンドレ・バルザーがゲスト参加し、1曲でヴォーカルを担当。この曲がまた素晴らしい!アナログ的な温かなサウンドプロダクションも印象的で、70年代の発掘作品と言っても分からないでしょう。これはシンフォニック・ロックのファンは必聴の快作!
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