2014年9月12日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
まずはこちらの動画をご覧ください。
「キラー・クイーン」をアカペラ多重録音によって見事にカバーしたこの動画、合成による凝った映像作りも相まって、170万再生以上、3万もの高評価を獲得しているモンスター動画になっています。
コーラスだけでもすごいのに、途中キーボードやギター、アコーディオンまで弾きこなすマルチ奏者ぶりも発揮しており、この動画だけでミュージシャンとしての類稀なる才能が伝わってくる内容となっていますよね。
一人で多声コーラスと多彩な楽器を操っているのが、1985年生まれスウェーデン出身のミュージシャンFredrik Larsson。現在、FREDDEGREDDEという名義のソロ・プロジェクトとしてプログレシーンで活動する、期待の新鋭ミュージシャンなんです。
彼がフェイヴァリットとして挙げているバンドは以下のとおり。生粋のプログレ好きという感じで親近感がわきますよね。
A.C.T, Ajalon, Beardfish, Devin Townsend, Discipline, Dream Theater, Echolyn, Genesis, Glass Hammer, Hiromi Uehara, IQ, Jethro Tull, Kansas, Karmakanic, Liquid Tension Experiment, Magenta, Muse, Neal Morse, Opeth, Pain of Salvation, Porcupine Tree, Queen, Rush, Sieges Even, Spock’s Beard, Symphony X, System of a Down, The Beatles, The Flower Kings, The Mars Volta, Transatlantic, Yes and Änglagård.
それでは彼がアップしている動画をもう少し見てみましょう~。
ベートーヴェンの交響曲第5番に始まり、ヴィヴァルディ「春」、チャイコフスキー「くるみ割り人形」などのクラシック古典に歌詞をつけてメドレー形式で演奏されています。アニメーションも凝っていて、完成度の高い動画に仕上がっていますね~。
こちらは、「The Cartoon Medley」と題された、ディズニー作品やムーミン、トランスフォーマーなどのアニメーションのテーマ曲をメドレーにした動画。随所に登場するコミカルな演出が楽しいですね。伴奏の域を越えたテクニカルなギターさばきにも注目です。
そんな彼が11年にリリースした1stアルバムの『THIRTEEN EIGHT』。リリース当時より、カケレコでもその完成度の高さから「一人ムーン・サファリ」と呼んで一押ししてきた一枚です。ドラムス以外はすべての演奏を彼が行っており、動画でも披露されていたマルチミュージシャンぶりが発揮された作品となっています。
YESを彷彿させる変拍子を多用したダイナミックで飛翔感いっぱいの楽曲展開、GENESISからの影響を感じさせるリリカルでファンタジックなフレージング、そこに北欧ならではの瑞々しい透明感が加わり、MOON SAFARIにも通じる胸躍るようなメロディアス・シンフォ作に仕上がっています。清涼感のあるオーケストレーションも素晴らしくマッチしていますね~。1stにしてこの完成度は驚異的!
そして、14年にリリースされた待望の2ndが『BRIGHTER SKIES』。前作同様、ドラム以外は全ての楽器を担当しているのですが、アンサンブルの躍動感や瑞々しさが半端じゃない進化を遂げていて驚愕!フェイヴァリットのバンドにプログレ・メタル系が多いのも納得な、ヘヴィネスも結構効果的に入ってくるんですが、MOON SAFARIばりの瑞々しい感性で紡ぎだされるファンタスティックなメロディの釣瓶打ちで、ヘヴィなのにマイルドでどこまでもファンタスティックという本当に個性的なサウンドに仕上げてしまっています。前作も相当にハイレベルで完成されたシンフォニック・ロックでしたが、そこから3年を経て、オリジナリティという点で類を見ない傑作をモノにしましたね~。MOON SAFARIに一人で対抗できる驚くべき才能が本作で見事開花した印象ですね!
オランダのCHRISといい、このFREDDEGREDDEといい、ハイレベルなマルチミュージシャンが続々と登場しているプログレシーン。
彼らを手本に、今後も凄い才能がどんどん登場してくるかもしれませんね!
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