2018年6月17日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
今日はアトールの2nd『組曲「夢魔」』を出発点に、他の作品へとカケハしながら、世界のプログレをレコメンドしてまいりましょう。
思いもしなかった作品と出会ったり、新たなジャンルの扉が開いたり、みなさまのロック探求のワクワクに少しでも貢献できれば幸いです。
アトールの代表作と言えば、75年にリリースされた2nd『組曲「夢魔」』ですね。
日本に紹介された当時、「フランスのイエス」というコピーで販促され、ヒットとなったようです。
聴いてみると、あんまりイエスに似てないんですけどね^^。
でもこのコピーだからこそ手にした人が多かったでしょうし、最初に聴いて「あれれ」となったとしても、聴き込めばアトールの世界観に必ずや引き込まれたことでしょう。
カケレコも時折極端なコピーを付けてアピールし、時々、ツイッターなどでお客様にお叱りの言葉をいただくこともございますが^^、結果としてその音楽が話題となり、バンドと聴き手を結びつけるきっかけとなれたのであれば、それもありなのかな、と思ったりもいたします。
「売りたい」という気持ちが裏にあっては絶対にいけませんが、この音楽を何としても皆さまにお届けしたい、という強い思いからであれば、多少、吹っ切ったアピールもオーケーかな、と思っております。
では、「フランスのイエス」^^と言われるバンド、アトールをお聴きください!
プログレ最盛~フュージョン/クロスオーヴァーの隆盛という70年代半ばにおいて、フランスならではの耽美性や色彩感を織り交ぜ、芸術的なプログレへと昇華したフレンチ・ロック屈指の名バンドがアトール。
その代表作ですね!
【関連記事】
フランスを代表するプログレ・グループ、アトールの75年作2nd『L’ARAIGNEE-MAL』(邦題:組曲「夢魔」)をピックアップ!
ユーロ&辺境プログレの名ヴォーカリストをカケレコがセレクト!う~ん、濃い~面々ですね~。
フレンチ・ロックの中古棚を覗いてみると・・・おっ、今なら名作が中古でゲットできますね!
アトールのファンに何かニッチなプログレはないかな・・・ということで、アトールと同じEURODISCよりデビューしたもうひとつのフレンチ・シンフォ・グループをピックアップいたしましょう!
76年デビュー作。
ゴリゴリとアグレッシヴなベース、手数多くも安定感あるドラムによるリズム隊も素晴らしいし、なんとも幻想的にたなびくキーボードも良い感じ。
端正かつマイルドで気品を感じる男性ヴォーカル、フランス語の流麗なメロディも絶品です。
お次はアメリカです。
アメリカのプログレ・バンド、79年に自主制作されたカルト盤。
簡素なジャケはB級サイケ・ハード・バンドっぽいけど出てくる音はアトールっぽい、奥ゆかしい色彩感あるシンフォニック・プログレ・ハード。
さて今度は、アンドレ・バルザーがゲスト参加した作品を聴いてまいりましょう!
なんと新鋭バンドによる2014年作に参加!現役バリバリですね!
メロトロン、ソリーナ、ローズ、ハモンドなど、ヴィンテージ・キーボードがこれでもかと溢れるファンタスティックなフランス新鋭!
アンドレ・バルザーは1曲のみのゲスト参加ですが、この曲がまた素晴らしい!
ギターのクリスチャン・ベアの参加作もピックアップいたしましょう。
クリスチャン・ベアと言えば、ジョン・ウェットンに誘われ、カール・パーマー(dr)、キース・エマーソン(Key)というメンバーで新バンド結成に向けて動いていたものの、諸事情により頓挫。
キーボードがジェフ・ダウンズとなり、ジェフがスティーヴ・ハウを連れてきてエイジアが結成されたのです!
その後、クリス・スクワイアにも誘われたようですね。
なんと、これもまた頓挫し、またまたエイジアを抜けたスティーヴ・ハウが加入して新生イエスに!
そんなユーロ・ロック屈指のギタリスト、クリスチャン・ベアが、なんと日本のプログレ・バンドの作品で演奏を残しています!
北海道のプログレ・バンドによる1990年作なんですが、なんと、あのアトールの名ギタリスト、クリスチャン・ベアがゲスト参加!メロトロン風キーボードをバックにシャープなギターが炸裂する耽美派プログレ・ハード名品!
ラストはカケレコらしくニッチ&ディープに締めくくりましょう。
アトールのクールなキーボード・ワークが好きなら、ハンガリーのこのグループもオススメ。
ハンガリーの実力派プログレ・グループ、煌びやかなキーボード&ソリーナが全編を覆う、いかにも東欧的なドラマティックさが堪能できるプログレ・ハード名品。
「この作品には古き良き時代の「プログレ・ハード」の薫りがむせかえるほどに詰まっております。」
by レビュワーvertigo6360002さん
【関連記事】
毎回ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、東欧のプログレ名産地ハンガリーのメロディアスなグループCOLORの78年リリースの1st『COLOR』をピックアップ☆
東欧のプログレ大国ハンガリーはこちらで特集しておりますので、チェック是非!
ニッチなブルティッシュ・ロックやユーロ・ロックへの愛情に溢れたレビュワーvertigo6360002さんのレビューリストはこちら!
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
構築的な楽曲アレンジ、美しいコーラス・ワーク、そして華やかな音像で「フランスのYES」などと評されている、フレンチ・シンフォニック・ロックを代表するグループの75年2nd。前作での構築的なサウンドはさらに磨きをかけながら、ギタリストChristian Beya、ヴァイオリンのRichard Aubertの新加入が大きくバンドに影響を与え、YESの構築美やジャズ・ロックアンサンブルに加えてKING CRIMSONの屈折したヘヴィネスまで織り交ぜて聴かせています。多少荒さのあった前作から比べると、フランス産らしい耽美な質感も現れており、まさしく彼らの代表作とするにふさわしい名盤です。デジタル・リマスター、ボーナス・トラック1曲。
ヴィンテージ・キーボードやエレクトリック・ブズーキを操るマルチインストゥルメント奏者、MOTISことEmmanuel Tissot率いるグループ。2014年作6th。ANGE直系のシアトリカルなシンフォニック・ロックを軸に、MALICORNEに通じるフレンチ・トラッドのフレイヴァーが香るサウンドが持ち味。とにかくメロトロンM400やソリーナやローズやハモンドなどヴィンテージ・キーボードがこれでもかとフィーチャーされていて、特にメロトロンが大活躍!幻想的に溢れるメロトロンをバックにリリカルに紡がれるハモンド、そして、スティーヴ・ハケットを彷彿させる格調高いマンドリンやブズーキが織り成すファンタスティックなアンサンブルは、ジェネシス〜アンジェあたりのファンはたまらないでしょう。MOTISによるフランス印象派絵画のように柔らかで親しみやすいハイ・トーンのヴォーカルとフックあるメロディも特筆。なんと、アトールの名ヴォーカリスト、アンドレ・バルザーがゲスト参加し、1曲でヴォーカルを担当。この曲がまた素晴らしい!アナログ的な温かなサウンドプロダクションも印象的で、70年代の発掘作品と言っても分からないでしょう。これはシンフォニック・ロックのファンは必聴の快作!
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!