2013年7月26日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,雑誌連動
タグ: ロック&ポップス
7月号の『英国ロック/ポップの名曲ベスト100』に続き、『レコード・コレクターズ 8月号』は米国編で、1967年から1975年のアメリカン・ロックの名曲ランキングを特集。
前号に引き続き、レココレ連動企画ということで、1位~30位までを動画付きでご紹介!
それではロック発祥の地、アメリカで生まれた名曲の数々を試聴しながら見ていきましょう!
なお、アメリカン・ロックは特集ページが多数ございますので、あわせてチェック是非!
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米西海岸はカリフォルニア出身、ジム・モリスン率いる米ロックを代表するグループ。西海岸のサイケデリック・ムーヴメントの源流であり、東海岸へもその影響は飛び火し、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドとともにNYパンクの源流となった重要グループ。
陰影と倦怠の中にもグルーヴも含んだ極上のオルガン・トーン、アーティスティックなジムのヴォーカル、果てしなくどこまでも夢が続くようなインプロ。
60年代は職業作家として数々のソウル~ポップを生みだした才女であり、70年代のSSW時代を牽引した米ロックが誇るミュージシャン。
ソウルが根っこにあるシャープかつ柔らかなグルーヴにいつまでも包まれていたい・・・。
ブルーアイド・ソウルの代表格。R&Bチャートでも3位にランクインされるなど、黒人にも支持された名グループ。
リチャード・マニュエル、レヴォン・ヘルム、リック・ダンコという傑出したヴォーカルが代わる代わるソロを取り、コーラスでは芳醇すぎるコーラスを聴かせるヴォーカルがとにかく絶品。
この作品、この曲がなければ、ジョージの『オール・シングス・マスト・パス』もクラプトンのデレク&ザ・ドミノスもなかったであろう、ロック・シーンを変えた重要曲。
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前作『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』とともに、ニール・ヤングを代表する名作『ハーヴェスト』収録の名曲。
この人のパーカッシヴに叩きつけるようなアコギ、カッコ良いんだよなぁ。
中学の時にこの曲をはじめて聴いた時の衝撃、忘れられません。「サウンド・オブ・サイレンス」「ボクサー」も捨てがたいけど、この曲でのアート・ガーファンクルの歌唱は、この先何百年たっても、人々の心に寄り添い続けるんだろうなぁ。
老若男女が愛する大名曲、「明日に架ける橋」を冒頭に収録した、彼らコンビ名義での最後の作品にして、最大のヒットとなったアルバムです。ちなみに僕はこの「明日に架ける橋」を中学校の音楽の授業で歌わされ知ったのですが、小さなさざ波のようなピアノに導かれ、「出帆するのだ、銀色の乙女よ、帆を上げて海を渡って行こう!」と次第にクライマックスに向かう様はまるで大海の大きなうねりのように感動的です。他、南米先住民の伝承歌「コンドルは飛んで行く」、アメリカが生んだ稀代の名建築家、Frank Lloyd Wrightに捧げられた、その名も「フランク・ロイド・ライトに捧げる歌」や「ボクサー」「ニューヨークの少年」等々、思わず胸が詰まるような名曲が目白押しです。あまりにも有名過ぎて今更という方もあるかもしれませんが、いろんな音楽を聴いて再びここに戻ってくる。と妙に心安らむそんな素敵なアルバムだと思います…。
作曲はキャロル・キング。キャロルの『つづれおり』にも収録されていますが、このジェイムス・テイラーのカヴァー、木訥とした歌声がじんわりと染みてきます。
前作、「SWEET BABY JAMES」で人気絶頂の最中にリリースされたJTこと、JAMES TAYLORの第3作目。CAROLE KINGとのデュエット曲「YOU’VE GOT A FRIEND」(全米第1位)を含む非常に充実した内容。世間はシンガー・ソングライター・ブームの真っ盛り。前作から更にぐっと落ち着いた雰囲気で、タイトル曲等はとりわけレイドバックしていて脳天気な雰囲気さえ感じられるのは、お百姓になった自分を「MUD SLIDE SLIM」と呼ぶ洒落っ気さがそうさせるのでしょうか。冒頭から幸せに満ち足りたかのような、恋人との生活を謳歌するかのようなその屈託のない明るさがとても魅力的な本作品。それでいて、「HEY MISTER THAT’S ME UPON THE JUKEBOX」等「FIRE AND RAIN」以降の自分の成功を冷静な目で見つめるような曲も。家族を呼んで録音された「HIGHWAY SONG」は白人流ゴスペル・ソング。反戦の世評感情を滲ませた曲がヴェトナム戦争の傷跡を甦らせるかのようでもあり。CAROLE KINGの「SO FAR AWAY」を意識したかのような MITCHELLとのデュエット「LONG AGO AND FAR AWAY」も収録と、ジャケットから醸し出される伊達男ぶりも眩しい、成功の光と影を秘めた大傑作です。
「ディランの歌詞をスペクターサウンドに乗せてロイ・オービソンのように歌いたい」
その通りの名曲!
イギリスにも飛び火して世界中のロックを極彩色に染め上げたサイケデリック・ムーヴメントの震源地、サンフランシスコの代表格による代表曲!
キーフ・ハートレイの自伝本に(←かなりおもしろいです!)、ウッドストック・フェス出演時、前日にグレイス・スリックが泊まった部屋にキーフが泊まることになり、枕のニオイを嗅ぎまくった、というエピソードが載っていました。
イギリスのトップミュージシャン達をも虜にしていた女性屈指のヴォーカリスト!
60年代後期、米西海岸で沸き起こったサマー・オヴ・ラヴを象徴する彼らの2nd。67年2月リリース。歌唱、ルックスともに圧倒的な存在感を放つGrace Slickが本作より加入。メインヴォーカル時にとる、一度聴いたら耳から離れないほど強烈なビブラート歌唱。バックヴォーカルとしても男性陣と見事に溶けあった流麗なコーラスワークを聴かせてくれます。歌唱もさることながら、Graceがもたらした最大の功績は、自身作「White rabbit」に顕著であるように、バンドにサイケデリックな要素を持ち込んだこと。そうしたバンド的な意義、そして西海岸サイケデリック・カルチャー全盛期の象徴としての時代的な意義。その互いを兼ねそなえた大名盤。名曲「Somebody to Love」収録。
こんな曲がラジオで流れてきたら、誰だって痺れちゃいますよね。完璧な3分間ポップソング!
米国出身天才作曲家兼マルチ・プレイヤー兼プロデューサー、1972年3rdアルバム。溢れるアイディアを詰め込んだ2枚組。DISC2の6曲目までを一人多重録音、7曲目以降を30人以上のミュージシャンを起用しての一発録り、とスタイルを変えて制作。持ち味でもある実験精神は控えめで、ビートリッシュなメロディが炸裂するポップな楽曲揃い。特にオープニングを飾る「I Saw The Light」は、メロディ・メイカーの才能が爆発した代表曲。シンプルながら心躍るイントロ、AメロもBメロもサビもすべてが完璧なメロディ、スウィートなヴォーカル。そして、控えめながら完璧なタイミングでメロディの魅力を引き立てるコーラス・ワークとスライド・ギター!聴くものすべてを希望の光で包み込む名曲です。その他の楽曲もフックに富んだメロディとキャッチーなアンサンブルを持つ佳曲揃い。いつ何時聴いても幸せな気分にしてくれる最高のポップアルバム。一家に一枚、是非!
VELVET UNDERGROUND解散後に、実質的なソロ活動として華やかな成功を収めた、Lou Reedの2ndアルバム。David BowieとMick Ronsonの共同プロデュースによる、グラム・ロックの代表作かつ、Lou Reed最大のヒット作となった「Walk On The Wild Side(ワイルド・サイドを歩け)」を収録した、彼をアンダーグラウンド・ヒーローからメジャー・シーンのロック・スターへと推し進めた文句なしの出世作です。Lou Reed特有の、メタリックで冷たい空気を孕んだ背徳の審美感が、グラマラスなファッションとセクシャルなグラム感覚と融合したのです。この後コマーシャリズムに敢然と背を向け、大傑作『Berlin』へ突き進みます。
66年に結成された米国のアート/サイケ・ロック・バンドのデビュー作にして代表作。67年発表。ほぼ全編カヴァー曲である本作を名盤たらしめたのは、原型をとどめないほどの魅力を原曲の身にまとわせる彼らのアレンジ・センス。その主役を飾るのは、自己主張の強いドラマティックでカラフルなキーボード。さらにその屋台骨を支えるのは、のちにCACTUS〜BECK,BOGERT&APPICEを結成するTim Bogert(B/Vo)、Carmine Appice(Ds/Vo)という布陣。センスのみならず、タフで確かな演奏力を保持した彼らが残した、米国アート・ロックを代表する名盤。
狂騒と革命の60年代の果て、内省の70年代、即ちシンガー・ソングライターの時代を、静かなアコースティック・ギターを爪弾きながら、高らかに告げた金字塔的大名作。プロデューサーにPeter & GordonのPeter Asher。コンビ解散後はBEATLESのアップル・レーベルで新人発掘の仕事を始め、初めて契約を交わしたのがJamesだったのです。結果としては、7曲目に収録されている「FIRE AND RAIN」のヒットをきっかけに彼を一躍スターダムへと導くのですが。特筆すべきことは彼の作品世界が、ボーイ・ミーツ・ガールでもなく、直接反戦を問うプロテスト・ソングでもなくて、個人の何気ない日々の生活感情を吐露した、個々の内面描写に、その表現欲求を照射していたこと。ごく個人的な感情ほど多くの人々の胸を打つという、新しい形のシンガー・ソングライター像を、優れたギターの表現力を通して描き出していたことが重要なのです。個人心象に長けた歌には、必然的にNYMN(聖歌)のような救済が含まれ、柔らかいカントリーのフレイヴァーを基調にブルース、R&B、黒人霊歌、ブルーグラスといったアメリカン・ルーツ・ミュージックと絡ませながら、巧みなバランス感覚と都会的センスによって息づいています。大切な時間に、そっと耳を傾けたい。そんな一枚です。
フォー・シーズンズの名リード・ヴォーカル。曲名を聞いて、メロディが出てきませんでしたが、あぁ、この曲なのね。誰もが一度は聴いたことがある、CMなどでもお馴染みのまばゆい名曲!
夏休み、母の実家の佐渡に行った時に買ったイーグルスのベスト。イーグルスを聴くと、カリフォルニアではなく、夏の佐渡の青空を思い出します。今はもうおばあちゃんもおじいちゃんも居ないけど。カラッとしてるけど郷愁を誘うメロディとハーモニーは、日本人の琴線にビンビン響いてきます。
カーペンターズなら、レオン・ラッセル作曲の「スーパースター」が個人的には一番好きなんだけどなぁ。
未発となった『スマイル』の核となるはずだった名曲。複雑なコード進行なのにメロディは信じられないぐらいに無垢で。ブライアン・ウィルソンしか書けない曲ですね。
ウッドストック系の名作。たゆたうエイモス・ギャレットのギターがとにかく最高すぎます。
ジェフ・マルダーとの夫婦デュオとして、ウッドストックの地でアメリカン・グッド・ミュージックに根ざした米ロックの愛すべき作品を残した後、離婚して73年にリリースしたソロ作がこちら。とにかくバックが豪華で、これを書くだけで、作品の素晴らしさは分かるでしょう。ライ・クーダー、エイモス・ギャレット、ドクター・ジョン、ジム・ケルトナー、ジム・ゴードンなど、西海岸・東海岸のセッション・ミュージシャンのオールスターと言える陣容。大ヒットした「Midnight At The Ocasis」でのエイモスのギターは、彼の一世一代の名演です。
スティーヴン・スティルス、ニール・ヤング、リッチー・フューレイ、ジム・メッシーナ。錚々たるウエスト・コースト・ロックの重要人物達が初めて組んだグループ、66年1st。活動期間は短く、強力なエゴをぶつけ合い、3年で解散。最初の1年目に制作された本作はグループの蜜月が記録された唯一のアルバムです。スティーヴン作のエッジの効いた楽曲、ニール作のメロウな楽曲。2人の個性豊かな楽曲が対比を成す起伏に富んだ構成が見事。スティーヴンの曲では、荒々しく弾きまくるニールと乾いたカントリー・フレーバーのジムの二本のギターによる爽快なアンサンブル、スティーヴンのギラギラとした野心いっぱいのヴォーカルがたまりません。ニールの曲では、リッチーの甘くメロウなヴォーカル、ニールの優しい音色のピアノ、スティーヴンのダンディズム溢れるコーラスが重なり、ドラマティックに展開。代表作『アゲイン』にはない和気あいあいとした雰囲気が魅力的です。もし晴れた休日の始まりに聴いたなら、きっとどこかに出かけたくなるはず!
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