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「音楽歳時記」 第八十回 10月12日 たまごの日 文・深民淳

早いもので今年も終盤に差し掛かってまいりました。これを書いているタイミングでは緊急事態宣言は延長となり、日本国民の2度のワクチン接種率は50%台に達しましたが寒くなりウイルスが暴れまくる時期はこれからということでまだまだ安心できない日々が続きます。

行楽の秋は今年も厳しそうですが、読書の秋はそれこそ、このタイミングこそという感じがします。こういう時代ですので以前より本を読む時間が多くなっていますが、音楽ソフトと違い、新刊情報はほとんどチェックしないため、毎回本屋さんの店頭で出会い頭衝動購入となります。

毎年、秋口から国内外を問わず年間ベストテン入りを狙うミステリーの大玉が続々と発売になりますが、今年もここぞとばかりに発売ラッシュみたいですね。『カササギ殺人事件』が日本でもベストセラーになったアンソニー・ホロヴィッツはその後も自分を登場人物に据えた「ホーソーン&ホロヴィッツ」シリーズ2作もヒットさせミステリー・ベスト10の常連となりましたが、今年の『ヨルガオ殺人事件』は『カササギ殺人事件』の続編ということで再びヒット確実といったところでしょう。今週の頭に発売となったばかりなので、今、下巻の1/3あたりですが、今回も良く練れている印象です。

個人的に嬉しかったのは出る出ると言われながらかなり延びていたデヴィッド・ピースの「Tokyo Year Zero」3部作の最終作『Tokyo Redux〜下山迷宮』が出ていたこと。先に書いたように出版の新刊情報は全くチェックしないので店頭で平積みされているのを見た瞬間はそれこそ「ほえ?」といった間の抜けた声を思わず発してしまいましたね。前作『占領都市〜Tokyo Year Zero II』が日本で出版されたのが2012年でしたから、あれから早9年。2016年くらいまでは毎年まだかまだかと待ち続けましたが、最終作が出ることなく2019年には芥川龍之介を扱った『Xと云う患者 龍之介幻想』が出てしまい、3部作は未完に終わるのかなぁ、と思っているうちにすっかり忘れていたところでの遭遇でしたのでかなり興奮しました。

「Tokyo Year Zero」3部作は終戦直後、占領下の日本で起こった三つの怪事件を題材にしており、最初が小平事件、2が帝銀事件そしてこの最終作が題名からも分かるように国鉄下山総裁の謎多き轢死事件を題材としています。

いやぁ、そう来るかという展開でした。『Tokyo Redux〜下山迷宮』は3部構成になっているのですが、第2部でIの登場人物が再登場して、IIともリンクし、第3部で怪事件が起きた昭和という時代が終わる構成は見事。Iの時からこれをどうやって終わらせるのか心配していましたが、なるほどのエンディングでした。

第2部を読み進めるうちI、IIで忘れていることも多いことに気付き、年末に時間があるときに3巻まとめて再読しようと思っています。

ここのところ再読が多くなっています。TV放映で『天気の子』を観て「あぁ、夜叉ヶ池なんだ」と泉鏡花を再び手に取り、山本一生による内田百間の日記を元にした評伝『百間、まだ死なざるや』をきっかけに百間再読モードから夏目漱石に至る日本文学再訪もありました。個人的再読ブームで最も読みたいのがメルヴィル『白鯨』なんですが、過去2回の再読で気味の悪い偶然があったため手をつけかねています。

最初に読んだのは高校生の時でここでは何も起きなかったのですが、最初の再読が1994年の暮れ、2度目が2011年2月。読了後1カ月スパンで阪神淡路大震災、東日本大震災が発生したのですね。単なる偶然なのでしょうが、読みたいけど読めない状態にあります。


そんなわけで、本から題材を取るという道もありますが、ただいま気がつけばかなり空腹。本よりもカロリー・モードの突入中。というわけで夕食に期待しつつ、今回は食欲の秋を題材にして行こうと思います。

10月2日はもうなんとなく想像できるかと思いますが、はい、「豆腐の日」です。日本豆腐協会が1993年に制定したそうです。いうまでもなく10.2=トーフの語呂合わせです。と、2行書いたところで既に後悔しています。豆腐・・・思いつきません。日本物で考えてもはっぴいえんどは「ゆでめん」だし、はちみつぱい『センチメンタル通り』に豆腐屋は写っていないかと見るもどうもなさそう。オフコース『Fairway』はなんだか味噌汁の具の賽の目豆腐みたいなものが積み上げてあるぞと思えば、こりゃ角砂糖に見立てたものでした。大体オフコースの世界に豆腐は合わないように思うよ。お手上げ状態ですので強引に行きます。Boxerの2ndアルバム『Bloodletting』。

豆腐を綺麗にラップで包んだように見えます。僕の目には。多分、おそらく、なんとなく。BoxerはほぼほぼPattoな訳ですが、Pattoはちょっとアングラ度高めで敷居が高いという方にもお勧めできます。時代の波に揉まれかなり解りやすいハード・ロック路線にシフトしています。特にこのオリジナルは結構まぼろし度の高い2ndは、傾向としてはオリー・ハルソールが参加したTempestの2nd『Living In Fear』のサウンドを少し抑えめにして、『Stage Fright』、『Cahoots』あたりのThe Bandのテイストをほんのり加えた質の高いAORハード路線。The Beatlesの「Hey Bulldog」、ニール・ヤングの「The Loner」のカヴァー2曲の出来もよろしく、特に前者はよく聴くとTempest並にテクニカルだったりします。オリジナルの方も上出来なのですがアルバムラストのライヴ・トラック「Teachers」はブリティッシュ・ハード・ロック好きなら一度は聴いておかないとのキレキレの疾走ハード・ロック。オリー・ハルソールってどこが凄いか分からないというにとっても重要な好サンプルになっています。

Teachers

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え〜、同じく語呂合わせ系で10月4日「イワシの日」というのもあります。数字の1で「い」、ゼロを輪っかに見立て「わ」で4ということで大阪府多獲性魚有効利用検討会(大阪おさなか健康食品協議会)正式名称と俗称のギャップが大きい団体が1985年に制定したとのことです。豆腐の二の舞になりそうなのでスルーします。英語だとサーディンですが思いつきません。


続きまして10月12日は「たまごデー」となっています。これは語呂合わせではなく、1492年のこの日コロンブスがサンサルヴァドル島に上陸、つまりアメリカ大陸を発見した記念日で、欧米ではこの日はコロンブス・デーと呼ばれているそうです。これが「たまごデー」に変じたのはコロンブスの有名な卵を潰して立てた逸話に由来しているそうです。脱力系語呂合わせではありませんが、イマイチ伝わりにくい記念日ですね。

ま、卵とくればあれなんですが、その前にアートワークに卵が登場する作品をいくつか挙げて行きましょう。プログレ系多いですね卵ジャケット。

まずはL’uovo di Colombo。1973年イタリアからの逸品。ジャジィもクラシカルも行ける汎用性の高いオルガン・プログレ。久々に聴きましたがなかなか良いな! Area1975年発表の『Crac!』はエッグスタンドに立てた卵をスプーンで叩いているイラスト。New Trolls1973年作『Atomic System』は卵をトンカチで叩き割っております。

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北欧に行くとPekka Pohjolaが1974年に発表した『Harakka Bialoipokku』は卵が割れて中から鳥が飛び出しているイラスト。ドイツのEulenspygelのセカンド・アルバム『Eulenspygel2』はフライパンの上の目玉焼きとヒヨコの写真ですが良く見るとそのヒヨコは焼けただれて死んでいるヒヨコの上に乗っているという結構グロなアートワーク。

EL&P寄りのサウンドで日本でも人気のあったTriumviratの人気作『Illusions On A Double Dimple』は割れた卵の殻に乗ったネズミのアートワーク。変化球っぽいのがドイツのSkyレーベルから出たBreakfastの『It’s Time For Breakfast』。サウンドの方はあんまりジャーマンぽくありませんが卵にプルトップがついております。Tomorrow’s Giftの『Goodbye Future』はEulenspygel同様目玉焼きジャケット。タイトルから考えるとこちらもちょっとブラック。目玉焼きになるとロクなことがないようです。

Karthagoの1st『Karthago』目玉のある卵のイラスト。ジャズ・ロック系に分類されているバンドでま、確かにそうなんですが、ファンク色が強く、ドイツのバンドながらアフロ色も強め。かなり筋肉系の押しの強いサウンドはハード・ロック・ファンにも十分通用しそうな骨太ハード・ファンクといった趣です。以前、象ジャケを特集しましたがこのKarthagoにもありましたね。あれ?紹介したっけ? この1st以降はジャズ・フュージョン色が強くなって行きますが1978年発表の『Love Is A Cake』の頃になるとフュージョン・バンド・クラスの演奏力を持ったAOR系ハード・ポップといった感じのサウンドを持ったバンドへと変貌を遂げ、初期の野蛮でいなたい雰囲気が消えてしまうのは個人的は残念。1st『Karthago』はかなり鈍臭い部分もあるのですが、汗臭い熱気を孕んだハード・ファンクは横浜家系ラーメンにも通じるアクの強さを感じます。

String rambler

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アメリカだとWilcoの『A Ghost Is Born』が卵ジャケットですね。忘れてはならないのがEggs Over Easy。1972年のデビュー作『Good’ N’ Cheap』はアメリカン・ロックの隠れ名盤としてその内容とともに夜のダイナーを描いた趣のあるカヴァー・イラストも愛され、何度も再発されています。パブ・ロック時代にイギリスに渡ったことでイギリスでも根強い人気を持っていたバンドでもありました。Eggs Over Easyは卵の調理法のひとつで、目玉焼きの両面焼き黄身はあまり火を通さずトロトロ状態仕上げを意味します。もう少し黄身に火を通した方が好みであればOver Midiumになります。そのOver Easyの目玉焼きが4つ空を飛んでいるアートワークを持った2nd『Fear Of Frying』は海外盤ですが紙ジャケットで再発されていますが、オリジナルのアナログ盤はかなりレアな1枚でした。1stアルバムも名盤扱いされているもののオリジナルはそう多く売れてアルバムではなくアメリカ盤もイギリス盤もそれなりにレアでしたが、『Fear Of Frying』はそれ以上にレアでebayでも出品されること自体が珍しい1枚でした。1stはThe Bandにも通じる泥臭いサウンドでしたが『Fear Of Frying』は発表されたのが1981年ということもあり、AORテイストも感じる洗練されたサウンドへ変貌を遂げていますが、コアの部分にはしっかり『Good’ N’ Cheap』時代の精神を残しており、フォーク、カントリー色が強くなったOrleans的サウンドは振り返って聴いて見る価値は十分にある作品だと思います。

You Lied

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それでは卵といえばこれ! Eggにまいりましょう。日本でもアナログ時代からブリティッシュ・ロック秘蔵盤シリーズで発売されたり、紙ジャケット再発、SHM-CDでの再発などブリティッシュ・キーボード・プログレの名盤として何度も再発されていますし、Esotericからはリマスター盤も出ており入手は比較的楽にできるアイテムです。Hatfield & The North、National Health、Bruford、Gaskin-Stewartでの活動を通じ日本でも人気の高いキーボード・プレイヤー、デイヴ・スチュワートが在籍したトリオでオリジナル活動時にはデラムから2作、一度解散するも期間限定で再結成してCaroline/Virginから1枚作品を発表しています。

この時代、キーボード・トリオの頂点といえばEL&Pだった訳で、Eggも1st、2ndの一部にその影響は見て取れますし、そのサウンド全体はジャズ・ロックにも半身が浸かっており、それだけだとこの時代のキーボード・プログレと大差無いように思えるのですが、実際はキーボード・トリオであってもそのサウンドはキーボード・プログレの囲いの外側にいたバンドだったと思います。

Eggの特異点はなんだったかといえば、これはベースのモント・キャンベルだったと確信しています。ロックの人ではないですね。ロック・バンドでベース弾いていましたがコンテンポラリー・ミュージック畑のアーティストです。そんな人が屋台骨支えているわけですからEgg、実は骨格は現代音楽ユニットだったわけですよ。そこに印象的なメロディライン作らせたらその才能は当時からキース・エマーソン以上だったのではないかと思われるデイヴ・スチュワートがリード楽器担当として存在したものだから「それはとても難解でした」に終わらず他のキーボード・プログレとは決定的に異なるサウンドが産まれちゃったわけです。デラム〜Caroline/Virgin時代の3作で最も人気の高い作品は間違いなく1stでしょう。全く否定はしません。よく出来たアルバムだと思います。自分たちの音楽性を曲げてまで売れようとは思わないけど、ロック・バンドとしてのポピュラリティを獲得しようという意思に基づいたキャッチーな楽曲と実はコンテンポラリー・ミュージック・バンドであったEggの本質に根ざした楽曲がバランスよく配置されています。これで売れれば問題なかったのですが現実は甘くなく、2nd『The Polite Force』制作時には契約が終了することになっていたこともあり、より自分たちはこうありたいというサウンドへ傾斜して行きます。かくしてEggは1stが吉、『The Polite Force』は難解伝説が生まれてしまうわけです。

しかし『The Polite Force』は難解なのか? どうでしょうね。僕は好きですけどね。スティーヴ・ヒレッジも在籍していたUriel時代の思い出を綴った「カンタベリー夏物語」といった趣のオープニング曲「A Visit To Newport Hospital」の感傷的なメロディラインと沈んだトーンのオルガンの音色は今も素敵だと思いますし、変拍子のシャンソンといった雰囲気を持つ「Contrasong」はこのバンド出なければ作り得なかった曲だと確信しています。そして決定的なのは4パートに分かれた「Long Piece」。僕の耳にはこれNational Health ver.0に聴こえちゃうわけです。結局この作品を完成させEggは一度解散しますが、1974年に短期間期限付き再結成を果たし『The Civil Surface』を制作します。低予算でお馴染みだったCaroline/Virginからのリリースということもあり、初めから売れようとは思っておらず、制作途中だったNational Health ver.0のアップデート版を堂々と発表するわけです。ここからNational Healthに至るには更に数年の年月を要しますし、モント・キャンベルはオリジネーターであったにも関わらずそこから脱落してしまうわけですが、その骨子はデイヴ・スチュワート、アラン・ガウエンによって受け継がれ、やっぱりあんまり売れなかったけれど記憶には強烈に残る名バンドNational Healthが誕生するのです。

Long Piece

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さて10月の食品関係記念日最後は10月15日「きのこの日」です。きのこといえば秋、10月はその需要がピークを迎える時期なんだそうで日本特用林産振興会が1995年に10月のど真ん中に記念日設定や!ということで15日に制定したのだそうです。

きのこは結構ありますね。Piltzレーベルのマークやら、そのもズバリMushroomレーベルもあります。イギリスのMushroomレーベルはやはりSecond Handの2ndアルバム『Death May Be Your Santa Claus』でしょうか。サイケどっぷりのポリドールからの1stも良いのですが、このセカンドは制作費、決して潤沢ではなかったのでしょうが後の名プロデューサー、ケン・エリオットがガンバちゃった悪夢と幻想のサウンドコラージュといったサイケ時代最後の打ち上げ花火的内容が圧巻です。Sacred Mushroomはアメリカのガレージ系爆音ハード・ロック・バンド。サウンドはどこかチープなのですがこの手のバンドにありがちなやりっ放し感がなく、どの曲もキッチリとコンパクトに纏めあげている点が好印象。若干小粒感ありは否めないけど、この手の爆音バンドとは一線を画す流麗な展開は捨てがたいですね。

ズバリMushroomはアイルランド産の超レアアイテム。昔、仕事でダブリンに行った時にフラッと入った中古レコード店のオリジナルが壁にいきなり飾ってあって、しかも当時としては破格の安値だったので買った記憶があります。白地に赤い斑点のあるどう見ても毒キノコなアートワークと冒頭いきなり鳴り響く目覚まし時計でお馴染みの作品です。哀愁漂うアイリッシュ・フォーク色とサイケデリック残留型オルガン・プログレが合体しヴァイオリンも加えた叙情型サウンドには捨てがたい魅力があります。

Unborn Child

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きのこの最後はGryphonの2ndアルバム『Midnight Mushrumps』で終わろうかと思います。リュートをはじめとする古楽器、リコーダー等木管楽器をを取り入れ、中世のサウンドを取り入れたプログレッシヴ・ロック・バンドとして人気を博した彼らの最も「らしい」サウンド全開の作品です。圧巻なのは19分に及ぶタイトル曲「Midnight Mushrumps」。20分近い大曲ながら構成が練りに練られており聴く者を飽きさせません。耳で楽しむ森林浴といった感覚に浸れる名曲です。トランスアトランティック時代の4作品『Gryphon』、『Midnight Mushrumps』、『Red Queen To Gryphon Three』、『Raindance』全曲がリマスターされ2枚のCDに収められた便利なコンピがEsotericから出ていますので入手もし易いかと思います。

Midnight Mushrumps

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