2021年8月3日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
オリンピック男子サッカーの準決勝スペイン戦が、いよいよ今夜に迫りましたね!
決勝進出をかけた大一番、サッカー好きの店長田中は「18歳のペドリの動きがヤバい。」と言っていました。
日本に勝ってほしいのは勿論ですが、「イニエスタ2世」とも囁かれる天才ペドリを擁するスペイン代表がどんなサッカーを見せてくれるのかにも思わず期待してしまいます。
そんなサッカースペイン戦にちなんでご紹介したいのが、スパニッシュ・ジャズ・ロックです。
バルセロナを中心地として、地中海音楽やカタルーニャ地方の民族音楽も巻き込んで独自の発展を遂げたジャズ・ロック・ムーブメント「ムジカ・ライエターナ」の傑作たちをご紹介いたしましょう!
まずはバルセロナ・ジャズ・ロック・シーン隆盛の基盤を作った存在と言える名バンドをピックアップ!
70年代半ばに花開くスペインはバルセロナのジャズ・ロック・シーンの礎を築いた名グループによる、BS&Tやシカゴに対する芳醇なる回答。
こ、これはさすがのキレ味ですよ~。
バルセロナ産ジャズ・ロックの代表格と言えるのがこのグループ。
まさかスペインにこれほどのジャズ・ロックを聴かせるグループが居たとは。
天才ギタリストMax Sunyerのギターが凄まじくって、フラメンコや北アフリカ音楽のエッセンスを感じさせるアラビックでエキゾチックな旋律をゴリゴリとアグレッシヴに、なおかつ地中海フレイヴァーいっぱいに爽やかで流れるように弾き倒すフレージングはテクニック、センスともに抜群。
マハヴィシュヌ・オーケストラの向こうを張る傑作!
そのICEBERGに痺れたなら、次はコレを聴いてください!
トリプルギター編成を特徴とするバンドで、3本のギターが流麗かつシャープなフレーズを応酬させるアンサンブルが唯一無比。
気持ちいいまでのヌケの良さが魅力のスパニッシュ・ジャズ・ロック逸品です。
カンタベリー・ロック好きにはこの作品が一押し!
ジャケも最高だが、音もカッコ良すぎる。ハットフィールド&ザ・ノースの1stやヘンリー・カウのファンは間違いなく気に入るでしょう。
カタルーニャの伝統舞踏サルダーナを取り入れた民族エッセンス香り立つ音使いもたまらない!
こちらもカンタベリー・ロック・ファンに聴いてもらいたい作品!
地中海の青空へと吸い込まれていくようなリリカルにたゆたうエレピが絶品なクロスオーバー・ジャズ・ロックの名品です。
ラストはなんとジェームス・テイラーのカバー!
上のBARCELONA TRACTIONで素晴らしいキーボードワークを聴かせてくれたのがLucky Guri。
彼をリーダーに72年にリリースされた全曲ビートルズのカバー・アルバムがまた極上の出来栄えなんです。
全編インストながらイージーリスニングな感じは微塵もなく強烈な躍動感とキラメキ!
カケレコが自信を持ってオススメ!!
ジェフ・ベック『ブロウ・バイ・ブロウ』が好きで、ハットフィールド&ザ・ノースも好き?
それなら、このスペインのグループを是非。
ジャズ・ロック/フュージョンの硬質さとラテン・フレイヴァーとが融合させ、さらにはオシャレなセンスも内包した凄い一枚ですよ~。
女性ヴォーカルのスキャットもフィーチャーし、「RETURN TO FOREVERへのスペインからの回答」と言えるたおやかなアンサンブルから、ベルギーのCOSあたりに通じる暗黒カンタベリー的アンサンブルまで、とにかく演奏が芳醇なこと!ユーロ・ジャズ・ロック屈指の名作。
いかがだったでしょうか。
さらにスパニッシュ・ロック全体を探求したい方は、下記特集をチェックしてみてください☆
【関連記事】
地域ごとに多彩なサウンドを聴かせてくれるスペインのロック・シーン。今回は、バルセロナがあるカタルーニャ州をメインに作品を取り上げてまいります!
後にBARCELONA TRACTION〜MUSICA URBANAとスパニッシュ・ジャズ・ロックを代表するグループで活躍する名Key奏者Lucky Guriと70年代初期のスパニッシュ・ジャズ・ロック・シーンを代表するグループMAQUINA!のサックス奏者Peter Roarを中心に、言わずとしれたICEBERGの名ギタリストMax Sunyerや、MAQUINA!のリズム隊が参加したスーパー・グループ。72年作の全曲ビートルズ・カバー・アルバム。もう、このレビュー書きながら、興奮しています!2曲目の「Strawberry Fields Forever」で泣きそうです。イージーリスニングな感じは微塵もなく、サイケ・ポップのカラフル感を残しつつ、ロック的シャープさとオシャレな洗練とが同居した最高にカッコ良くワクワク感溢れるサウンドを聴かせています。シャープでタイトな音色と手数多いフレージングがカッコ良すぎるドラムを中心に、ピアノとサックスが時にどっしりと時に軽やかに躍動し、NUCLEUS時代のChris Speddingを彷彿とさせるセンス溢れるMax Sunyerが脇を固めます。このキラメキが伝わるでしょうか。カケレコが自信を持ってオススメする大傑作!ビートルズ・ファンもサイケ・ポップ・ファンもニッチ・ポップ・ファンもジャズ・ロック・ファンもカンタベリー・ファンも全員必聴!
スペインはバルセロナ出身のジャズ・ロック・グループ。76年作の2nd。1stよりヴォーカリストが脱退。本作以降はすべてインストゥルメンタル作品になります。Voが居なくなったせいか、サウンドは1stのテクニカルな部分を更に押し進めた硬派なテクニカル・ジャズ・ロック。スペインを代表する天才ギタリストMax Sunyerのギターは相変わらず冴え渡っていて、フラメンコや北アフリカ音楽のエッセンスを感じさせるアラビックでエキゾチックな旋律をゴリゴリとアグレッシヴに、なおかつ地中海フレイヴァーいっぱいに爽やかで流れるように弾き倒すフレージングはテクニック、センスともに抜群。そんなMaxのギターにユニゾンであわせるKey奏者、Josep Mas “Kitflus”も特筆で、彼らの高速ユニゾンと白熱したソロの応酬がバンドの最大の持ち味です。そんなマハビシュヌばりのキレ味抜群のテクニックに加え、シンフォニック&スペーシーなシンセによるプログレ・フレイヴァーや、たおやかさや清涼感やエキゾチズムなどの地中海フレイヴァーもあって、色彩豊かなサウンドは世界的にみても屈指のクオリティ。70年代半ばにバルセロナで興ったジャズ・ロック/アヴァン・ロックのムーヴメント『ライエターナ・ミュージック』を代表する作品で、スペインが世界に誇るジャズ/フュージョン・ロック傑作です。
スペインはバルセロナ出身のジャズ・ロック・トリオ、75年作。バンドのリーダーは、Key奏者のLucky Guriで、バルセロナ・ジャズ・ロック・シーンの名手達が集まったビートルズのカヴァー作品(傑作!)に参加したり、後には地中海ジャズ・ロックの名バンドMUSICA URBANAに参加するなど、バルセロナ・シーンを代表するKey奏者。シャープに引き締まったドラム、流麗に動くメロディアスかつグルーヴィーなベースによる安定感抜群のリズム隊を土台に、エレピが地中海の青空へと吸い込まれていくようなリリカルにたゆたうメロディを奏でます。色彩感豊かなパーカッションやホイッスルなどによる味付けも地中海フレイヴァーたっぷり。バンドは、スペインはカタルーニャ地方のウッドストック・フェスと言える75年に行われた伝説の「Festival Canet Rock」に参加し、高い評価を得ます。バルセロナ産ジャズ・ロック「MUSICA LAIETANA」シーンを代表する一枚として名高い傑作です。
スペインはバルセロナ出身、60年代にPIC-NICというポップ・バンドで活躍し、70年代にはギタリストのToti Solerとともにスペインのジャズ・ロック・シーンの祖を築いたとも言われる名グループOMを結成したことで知られるピアニスト。Edigsa/Zelesteレーベルより75年にリリースされた2ndソロ。ピアノとエレピを基本にした前作とは異なり、バンド編成で録音。OMで一緒だった名ギタリストToti SolerとベースのManolo Eliasをはじめ、元JARCAのギタリスト、後にORQUESTRA MIRASOLで活躍するドラマーなどがサポート。女性ヴォーカルのスキャットもフィーチャーし、「RETURN TO FOREVERへのスペインからの回答」と言えるたおやかなアンサンブルから、ベルギーのCOSあたりに通じる暗黒カンタベリー的アンサンブルまで、とにかく演奏が芳醇なこと!ピアノやエレピはもちろんのこと、フィル・ミラー的な滑らかに緊張感あるフレーズからゴリゴリとアグレッシヴに弾き倒すフレーズまで縦横無尽なエレキも特筆。パーカッシヴなフラメンコ・ギターとの対比も見事です。15分を越えるオープニングの組曲はユーロ・ジャズ・ロック屈指と言える名曲。
スペインはバルセロナで興った「ライエターナ・ミュージック」屈指の傑作と言われる76年唯一作。メンバーの中心は、現在までプレイヤー/コンポーザーとして活躍するサックス/テノーラ奏者のJoan Josep Blay。他、ジャズ・ピアノの名手でORQUESTRA MIRASOLでも活躍するKey奏者Victor Ammannと、トランペット奏者、トロンボーン奏者、リズム隊による6人編成。Joan Josep Blayによるテノーラ(スペインの民族木管楽器)のチャルメラ風フレーズを軸に、トランペットとトロンボーンがたおやかにむせぶ地中海フレイヴァーたっぷりのサウンドを聴かせます。ビシバシと切れ味鋭いドラムとメロディアスに動きまくるベースによるリズム隊も鉄壁。Key奏者のVictor Ammannもさすがで、ギルガメッシュのAlan Gowenにも比肩する緻密で煌びやかなピアノ&エレピが印象的です。ハットフィールドやギルガメッシュなどカンタベリーの名作と比べても何ら遜色ないクオリティ。これはユーロ・ジャズ/アヴァン・ロック屈指の傑作です。
スペインのジャズ・ロック・グループ。75年作2nd。ジャズ・ロック/フュージョンの硬質さとラテン・フレイヴァーとが融合したスペインならではのサウンドを聴かせた1st。そんな彼らの持ち味はそのままに、よりテクニカルな硬質さが増し、グッとシャープ、そして引きの部分では格段に流麗になったのが本作2nd。HATFIELDの2ndなど、オシャレでいてテクニックも抜群なジャズ・ロックが好みであれば、絶対に気に入るでしょう。
68年にバルセロナで結成された、スパニッシュ・プログレ黎明期を代表するグループ。70年に1stリリース後、メンバーが徴兵制度で次々に脱退、代わりのメンバーを加えたりやりくりしていたもののついにオリジナル・メンバーが居ないこととなり活動停止に。71年に徴兵から戻ってきたオリジナル・メンバーのKey奏者、Enric Herrera中心にメンバーが一新され、BS&Tやシカゴなどブラス・ロック・ムーヴメントに呼応し、ブラス・セクションを加えて再始動しました。オリジナル・メンバーのJordi Batisteは正式復帰はしなかったものの、全面的にヴォーカルとしてゲスト参加し、72年にライヴ録音されたのが本作2nd。シャープかつふくよかなリズム隊、キレのあるカッティングからジャジーで流麗なソロまできらめくギター、そしてグルーヴィーかつ陰影に富んだオルガン&ブラス!後にスペイン・ジャズ・ロック・シーンで活躍する名手がずらり揃っていて、さすがと言える素晴らしいブラス・ロックを聴かせています。ちなみに他の主要メンバーは、バルセロナ出身ミュージシャンによるビートルズ・カヴァー作(名盤!)をリードしたSAX奏者のPeter Roar、MUSICA URBANAで活躍しマイルス・デイヴィスやチック・コリアとも活動するベースのCarles Benavent、同じくMUSICA URBANAに参加するドラマーのSalvador Fontなど。歌詞は英語です。
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