2021年7月20日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
7月17日、カンサスの元メンバーとして知られるヴァイオリン奏者ロビー・スタインハート氏が、病気により亡くなられたそうです。
まだ71歳という年齢もさることながら、ニューアルバムをリリースする予定だったとの事で、本当に残念としか言いようがありません。
カンサスにおける、あのギターとスリリングに渡り合う疾走感抜群のヴァイオリンのプレイは、技巧派が集うプログレ・シーンにおいても唯一無二のものだったと思います。
米国プログレを代表する偉大なヴァイオリニストのご冥福を心よりお祈りいたします。
今日は、中古棚にひっそり佇んでいたカンサスの74年ファースト・アルバム『KANSAS』をご紹介しましょう。
この後訪れる全盛期の傑作である『永遠の序曲』『暗黒への曳航』では、ギターとキーボードとヴァイオリンのスリリングな掛け合いがインストゥルメンタルの主軸となっていきますが、本作ではロビーの凄まじくキレのあるヴァイオリンが主導権を握っているのが特徴。
それが一聴してわかるのが1曲目「Can I Tell You」です。弦も切れんばかりにエネルギッシュなヴァイオリンが圧巻!
と言っても純クラシック的な音ではなく、民族音楽やカントリー・ミュージックにおけるヴァイオリン、いわゆるフィドル的な、どこか「賑々しさ」を感じさせる芳醇な音色が印象的。この辺りは、フロック時代のジェリー・グッドマンにも感じられるアメリカのプログレ系ヴァイオリニストならでは味わいでしょう。
ラストの「Journey From Mariabronn」でも、勇壮な中に一抹の哀愁を秘めたヴァイオリンのプレイが光ります。
つんのめらんばかりの性急さと大らかなロマンティシズムが劇的に対比される構築性に富んだ8分の大作。
後半に入ったあたりで突如リズムチェンジして緊張感が増幅したところに、怒涛のヴァイオリン・ソロが突っ込んでくるところの痛快さと言ったらありません!
各楽器が火花を散らすようなスリル満点のインストを楽しみたいなら断然上記の2作品でしょうが、ロビー・スタインハートという稀有なヴァイオリン奏者の凄さを知りたいなら、まずはこの1stアルバムを聴いてみていただきたいところ!
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カンサス『永遠の序曲』を起点にして、アグレッシヴでスケール大きなヴァイオリン・プログレを探求します!!
CD+DVDの2枚組、デジパック仕様、DVDは入力方式・リージョン記載なし
盤質:傷あり
状態:良好
デジパック内側にセキュリティタグシール貼り付けあり、若干圧痕あり
抜けの良いアメリカン・ロックのバンド・アンサンブルとクラシカルなヴァイオリンによるシンフォニックなアプローチでアメリカを代表するプログレッシヴ・ロック・グループとなり、後のアメリカン・プログレハードの基礎を築いたグループの76年4th。その内容は、ポップで普遍的なメロディーと抜けの良いバンド・アンサンブル、QUEENのような分厚いコーラスワーク、そしてシンフォニックなヴァイオリンや華やかなキーボードが一体となり、その後のメインストリームである産業ロックへの流れを感じさせる明快な作風を打ち出した傑作です。
デジタル・リマスター、ボーナス・トラック2曲、定価1700+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
若干カビ・帯に若干折れあり、帯はケースに貼ってあります
抜けの良いアメリカン・ロックのバンド・アンサンブルとクラシカルなヴァイオリンによるシンフォニックなアプローチでアメリカを代表するプログレッシヴ・ロック・グループとなり、後のアメリカン・プログレハードの基礎を築いたグループの78年ライブアルバム。77年から78年に行われた3つのツアーからの抜粋で収録された音源であり、この時点での彼らのベスト・ヒット的な選曲がなされたライブ作となっています。スタジオ作以上にアメリカン・ロックのダイナミズムとテクニカルなプログレッシブ・ロック・アンサンブルを感じられる、名作と言えるでしょう。
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