2020年10月19日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
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こんにちは、スタッフ佐藤です。
この「スタッフ厳選☆今週の3枚!」のコーナーでは、新作を中心に「これは聴いてもらいたい!」と思った激カケレコメンドな作品を毎週3枚取り上げてまいります。
本コーナーを参考にロック探求をさらにお楽しみいただければ嬉しく思います♪
まずは、GONGファンも要チェックのロシア新鋭による新作からまいりましょう~。
03年結成のロシア出身サイケ・ジャズ・ロック・バンドによる20年作。
『YOU』期GONGを受け継ぐテクニカルに押しまくるハイテンションな演奏が持ち味の彼らですが、本作の始まりは、ゆったりしたテンポながらグルーヴを感じるリズムに乗って、ギターが幻想的にたゆたう叙情的なサウンドを展開。
少しスタイルが変わったかなと思っていると、後半はいきなり火が付いたようにパワフルに叩きつけるリズムとギターばりの速弾きで疾走するヴァイオリンによるVESPEROらしい超絶アンサンブルで突き進みます。
ラストに待つ21分の大作も注目の一曲。滲むようなトーンのギターと民族楽器みたいな奥ゆかしい響きのヴァイオリンによる哀愁ただよう演奏と、GONG彷彿の怒涛のハイテンション・ジャズ・ロックが自在に切り替わりながら描く、起伏に富んだ音世界に酔わされます。
「静」と「動」の鮮烈なダイナミズムに飲み込まれる、これぞ会心作!
続いては、カケレコ・ユーザーの皆様にも厚く支持される注目ユニット、待望の2020年作!
80年代に結成された米プログレ・ポップ/パワー・ポップ・バンド、20年作3rd。
いやはや、これは素晴らしい一枚です。メロディの洪水とはまさにこのこと。
過去作よりも落ち着いたミドル・テンポのナンバーが多くなっているものの、そのぶん素朴で、飾り気なく、かつ心の琴線を震わせる瑞々しいメロディの良さが際立っています。
それを彩る気品たっぷりの管弦楽アレンジや芳醇なコーラス・ワークもますます洗練されてきているし、STYXのキャッチーさ、ジェフ・リンの気品、POSIESやJELLYFISHといった90’sパワー・ポップの瑞々しさ、全てを飲み込んだまさに至福のプログレ・ポップ空間。
もう彼らを現代のポップの魔術師と呼んでも過言ではないと思います。
MOON SAFARIのファンにもぜひオススメ!
最後はイタリアを代表するベテランが放った渾身のライヴ・アルバムをご紹介!
72年の傑作『YS』で知られる、鬼才Gianni Leone率いるイタリアン・プログレ・グループ。若手リズム・セクションとのキーボード・トリオ編成で行われた2018年ローマでのライヴを収録。
不安をかき立てる女性スキャットがやむと同時にあふれ出す、狂おしい激情に駆られたオルガン独奏。そのオルガンが落ち着くと、Gianniの不穏さと憂いが入り混じる往年のままの歌声が朗々と響くVoパートへ。冒頭から『YS』の持つピリピリとした空気感がそのままに蘇っていて圧倒されます。
オルガンとハープシコードを模したシンセを過激に弾き倒すインスト・パートも思わずのけぞってしまうほどに鬼気迫るものがあって凄い。ゴリゴリとヘヴィに突き進むリズム隊の存在感もあって、重量感と切れ味はスタジオ・アルバム以上かもしれません。
演奏・歌ともに衰えをほとんど感じさせないGianni Leoneに驚かされる必聴ライヴ盤!
2020年9月以前の「今週の3枚」はこちらのアーカイブ記事にてお楽しみください☆
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「これは聴いてもらいたい!」というカケレコメンドな作品を毎週3枚ご紹介。2020年1月~9月に取り上げた作品はこちらでチェックどうぞ♪
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