【BACK TO BASIC キーワードで聴く vol.5 『GENTLE GIANT』】

2010年11月10日 | カテゴリー：世界のロック探求ナビ

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皆さん、こんにちは。

本日のカケレコ・スタッフによる

午後の王道アーティストの試聴会。略してBTB…！

今回は、GENTLE GIANT…！

【BACK TO BASIC キーワードで聴く]

王道アーティスト vol.5 GENTLE GIANT 】

01 FREE HAND

KEWORD

多種多様なリズム＆ビートの採用、演奏の複雑化とポップ・テイストの両立の冴え。

技巧を駆使しながらも仰々しくなくさらりとポップな GENTLE GIANT サウンドの集大成。

世俗的なファンキーさ加減と、パンチの効いたヘヴィネス、知的な軽妙さと三星要素の大名曲。

聞き手M

やはりヴォーカルから来るものなのでしょうか。GENESISのような中性さはなく、何処までも男らしい技巧派。

アブストラクトな導入部からクラヴィネットの考え抜かれていながら奔放な表現と苛立ったような和声がGG。

02 FUNNY WAYS

KEWORD

室内楽調のヴァイオリン、チェロのアンサンブルが重なるイントロダクション。

バロック風のトランペット。隙を突き躍り出るブルージーなギター、バロック・トランペット。

聞き手M

なんとも聴きやすい室内楽の中に気品のあるコーラス・ライン。これは優雅です。

ジャジーでファンキーなオルガンによる楽曲の天頂部でさえその優雅さは健在です。

そして曲は冒頭のアコースティック・アンサンブルへ回帰し、再びセピア色した情景の中へと帰って行きます。

03 PTAGRUEL’S NATIVITY

KEWORD

ムーグ・シンセのユーモラスで謎めいた序奏。

特異な音階と、シンコペーションを用いた変則リズムの主題。

ヘヴィなギターによる第二テーマ。モーダルなヴォーカル・ハーモニー。

聞き手M

冒頭のムーグ・シンセが明らかに幽玄で馴染みのない彼岸的主題を決め放っています。

トランペットとメロトロンの交錯、旋回するコーラスによって眩暈を覚えます。そして軽いディストーション

のギターによる不穏な展開。半音進行による聞き手の不安感を煽るような楽曲ですね。

04 ADVENT OF PANURGE

KEWORD

クラシカルなアカペラをギター、ベースが静かにオブリガートする冒頭部。

ギターのベンディング一発に続き低音を効かせたジャジーなピアノ・ソロ。

聞き手M

これはフリー・ジャズの方向へ崩壊させきらないすれすれの地平で

楽曲を歌の世界へ引き戻すかのようなスリル感を味わう事が出来ますね。

ジャズ、ロック、中世バロックの諸要素を混淆させながらも強いビート感が曲を前進させて行きます。

05 BOYS IN THE BAND

06 JUST THE SAME

KEWORD

大胆なクロス・リズムによるブンチャカ・ロックの傑作。

異なるリズム・パターンが平然と交錯するアンサンブル。

聞き手M

うん、この曲は凄くXTCを感じさせますね。ヴォーカルはほとんどアンディ・パートリッジそっくり。

というか彼がGGに強い影響を受けていたんですね。シンセ・ソロはピロピロしててガラガラヘビ？みたい。

クラップ・ハンズも入り、軽快なリズムに体も動きますが、やはりこのピコポコがへんてこりんな曲。

07 ON REFLECTION

KEWORD

多数のフォロワーを生んだ、四声GGマドリガーレの代表作。

リコーダーの囁きとヴァイオリンに支えられた一人輪唱からロック調カノンへ。

聞き手M

マドリガーレ（イタリア発祥の歌唱形式）で讃美歌へと移っていく過程が見事な

まるでイタリアン・プログのような流麗な歌曲。これは、PFMなんかのイタリアの後進に

刺激を与えたでしょうね～。ここまで瀟洒な中世音楽の要素もやってのけるんだから侮れません。

08 GIANT

KEWORD

チャーチ・オルガンのフェード・インにより幕開ける、幻想的なオープニング。

パワフルな鋭さを有しながら、不安定な旋律の効果で耳目を惹き付ける、オープニング・ナンバー。

聞き手M

冒頭のたゆたうようなオープニングを蹴破って立ち現れる男気めいたアグレッシヴなGGサウンドは、

まさに「GENTLE GIANT参上…！」と言った感じですね。独特なスリリングに満ちたブラスとメロトロンの

応酬は、ユーモア溢れるユニゾンから、再びベース・ラインからドライヴ感を蓄え最終局面へ向けて

宗教歌風コーラスとシンフォニックな音像に大上段に構えたメイン・パートへ復帰。決め所満載の代表曲。