2012年8月20日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
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こんにちは、カケレコ・スタッフ佐藤です。
注目の新譜をご紹介し、それに関連する中古作品をレコメンドしていくこちらのコーナー。それでは今回も張り切って行ってみましょう。
では唐突ですが皆さん、スパニッシュ・プログレはお好きでしょうか。ユーロ・ロックの中でもイタリアと並ぶほどの豊かな個性を持つのが、このスパニッシュ・プログレ・シーン。
スペインの伝統音楽フラメンコのエッセンスを取り入れた哀愁のサウンドを聴かせるスパニッシュ・シンフォや、硬派な中にもスペイン特有のエキゾチシズムが滲むスパニッシュ・ジャズ・ロックなど、多くの個性的な要素を持つのが特色です。
しかしながらそのような、その国に特有の音楽性に依らない純然たるプログレッシヴ・ロックを聴かせるバンドも少なからず存在しています。ここで紹介するのもそんなバンドの一つ。
そんなわけで今回ご紹介したいのが、スペイン屈指のハード・プログレ・バンドNUによるデビュー以前の音源を収録した発掘音源集です。
オリジナル作ではテンションみなぎるダイナミックなヘヴィー・プログレを披露していた彼らですが、ここでは全体にサイケでブルージー、地を這うようなファズ・ギターの上を舞うフルート・ピアノによる妖しげな旋律、そして熱いヴォーカルが絞りだすような歌唱を披露する、まさに混沌サウンドを展開しております。
音質面で若干聴きにくいところはあるものの、その音のつぶれ具合がかえって混沌度を増大させており、必ずしもマイナスとはなっていません。この辺はCRIMSONの『EARTHBOUND』などにも通じるところです。何にしろこのアンサンブルの熱量はオリジナル作すら凌駕しかねない凄まじさ。
このNUというバンドの音楽的変遷を窺い知れるという点で、なかなかに興味深い音源となっております。
ちなみに78年のデビュー作はこんな感じ。ダイナミックでメリハリのあるサウンドに進化しました。
よりスパニッシュ・プログレの奥深さを堪能したいという方は、どうぞこちらのジュークボックスでお楽しみいただければと思います。
情熱と哀愁のスパニッシュ・プログレ名作選
http://kakereco.com/kakereco_jukebox.php?id=146
カンタベリーに次ぐジャズ・ロックの肥沃地帯。魅惑のスパニッシュ・ジャズ・ロックの世界
http://kakereco.com/kakereco_jukebox.php?id=14
知られざる、もう一つのスパニッシュ・フォーク。バスク/カタルーニャ・フォーク選曲集。
http://kakereco.com/kakereco_jukebox.php?id=136
それでは今回は、レア・トラック満載の未発表音源集を求めて中古探索へ出かけたい思います。それでは出発進行!
・・・ガサゴソ・・・
はい、まずはこの一枚。イタリアン・ヘヴィー・シンフォを代表する一枚『ZARATHUSTRA』を残したMUSEO ROSENBACHの未発表音源を収録した『RARE AND UNRELEASED』です。
組曲『ZARATHUSTRA』の導入部ですが、デモとは言えその完成度の高さはお聴きいただける通り。轟々と鳴り響くメロトロンの迫力にかけてはオリジナル作以上かもしれません。その辺も含めてぜひ通しでお楽しみいただきたい音源です。この他にもURIAH HEEPやBEATLESのカバーなども収録されており、興味深い音源満載の一枚となっています。
続いては・・
・・・ガサゴソ・・・
カンタベリー・ファンの方は必聴と言えるかも知れないシリーズ物未発音源集をピックアップ!
SOFT MACHINE、CARAVANのメンバーを中心とした未発表曲、デモ、セッションを集めた音源集の第2弾。こちらの曲は70年録音、CARAVANとHUGH HOPPERのバンドZOBEによる合同セッションの音源です。
オルガン、エレピ、ギターにサックスがうねり暴れる、カンタベリー・ロックにおけるカッコいいサウンドがいっぱいに詰まった一曲。カンタベリー特有のポップ・センスも勿論魅力的なんですが、カンタベリー勢の演奏力の高さが如実に現れたこういうカッコいいアンサンブルもまたたまらないんですよね~。
なおこのシリーズ、全4作で現在VOL.2~4までの在庫あり。これを機に魅惑のカンタベリー・サウンドにドップリと浸かってみるのはいかがでしょうか?
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