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祝・新作リリース☆ 英国が誇る女性ヴォーカル・シンフォ・バンドMAGENTA特集!

2020年7月、『Masters Of Illusion』『The Lost Reel』と2枚の新作をリリースするなど精力的な活動を展開する、英国のシンフォ・グループMAGENTAを特集いたします!

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■MAGENTAとは

MAGENTAは1999年、ウェールズの首都カーディフにて結成されたシンフォニック・ロック・グループです。中心人物はマルチ・プレイヤーのRob Reed(Robert Reed)。90年代に4枚のアルバムを残したシンフォ・グループCYANで活動した彼が、CYAN解散後に新たなプロジェクトとしてこのMAGENTAを立ち上げました。

CYAN(シアン) ⇒ MAGENTA(マゼンタ)と、色の名前をバンド名に用いている点が興味深く、実際MAGENTAはバンドロゴに赤紫色のマゼンタカラーを多く使っています。

オリジナル・メンバーはこちら。

Christina Booth – ヴォーカル
Rob Reed – ギター/キーボード/ベース
Chris Fry – ギター
Martin Rosser – ギター
Tim Robinson – ドラムス

RobとChristinaの2人編成によるユニットTRIPPAでの活動を発展させる形で、毎回セッション・ミュージシャンを起用して作品をリリースするプロジェクトとして動き出したMATENTA。

その後すぐにファンからライヴの要望が数多くあったことから、Chris FryやTim RobinsonらCYAN時代の仲間も呼び寄せ、5人組バンドとして改めて結成されました。

以来、約20年の活動歴の中で、新作を含め8枚のオリジナル・アルバムと、7枚のライヴ・アルバムを発表。

BIG BIG TRAINやTIGER MOTH TALESなどと並び、現代のブリティッシュ・プログレを代表するアーティストとして君臨しているんです。


■ズバリ、MAGENTAの魅力って?

○女性ヴォーカリストChristina Boothによる麗しすぎる美声ヴォーカル

○「70年代プログレ・マニア」Rob Reedが奏でる、こだわりのヴィンテージ・サウンド

元々は2人のユニットだっただけあって、2人の生み出すサウンドだけでも素晴らしく完成された世界観を作り上げています。

まず注目したいのが、女性ヴォーカリストChristinaの歌声です。近いのはやはりRENAISSANCEのAnnie Haslamで、高音域で伸びやかに歌い上げる所はかなりAnnieのスタイルに似ています。

一方より低い音域での歌唱は、つややかな女性的魅力をより前に出した歌声で歌っていて、現代の女性ヴォーカルらしいスタイリッシュさも漂わせます。

少しAnnie風のアカデミックさも感じさせる高音域での歌唱スタイル、スタイリッシュで艶のある歌唱スタイル。両方の歌唱が切り替わりを意識させない滑らかさで繋がることで、女性ヴォーカルの醍醐味を余すことなく味わうことができるんです。



もう一つのポイントが、メイン・コンポーザーも務めるリーダーRob Reedが紡ぎ出すこだわりのヴィンテージ・サウンドです。

Robが影響を受けたアーティストとしてよく挙げるのが、イエス、ジェネシス、そしてマイク・オールドフィールド。

ご存じの通り、70年代プログレのテイストを取り入れた新世代バンドは数多く存在していますが、彼の場合はそのこだわりが並ではありません。

中でもマイク・オールドフィールドへの傾倒ぶりは他の追随を許さないレベル。全楽器を自身でオーバーダブする初期マイクへのオマージュ・プロジェクトを発足させ、マイク自身の作品と言われても納得してしまう完成度の3部作を発表したことからも、そのマニアっぷりは窺うことができます。

「音色とフレーズを真似てみた」というレベルをはるかに超えた、70年代当時のミュージシャンそのもののような魂のこもったヴィンテージ・サウンドを楽しませてくれる部分にこそ、Robのミュージシャンとしての魅力を見出すことができます。

それを、打ち込みなども取り入れたモダンな感性のサウンドの中に絶妙に散りばめることで、MAGENTAにしか鳴らしえない音世界を形作っているのです。


■主要アルバム紹介

【1st】REVOLUTIONS(2001)

大胆にも2枚組でリリースされた記念すべきデビュー作。なんと20分前後の組曲を4つも配した全7曲という重厚な構成ながら、各曲がフック満載のキャッチーなサウンドメイクで満たされた奇跡のような一枚です。

プログレ先人を受け継いだRob入魂のエレキギターはもちろん、アコギ、シンセ、ローズピアノ、オルガンなどを用いた色彩豊かでいて気品にも溢れたアンサンブルには思わず惹き込まれます。そして降り立つ、Christinaによる麗しの美声ヴォーカル…。

数多ある新世代の女性ヴォーカル・シンフォ作品において揺るぎない地位を誇る名作です。

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【2nd】Seven(2004)

デビュー作から3年のインターバルでリリースされた2nd。

冒頭のジョン・アンダーソンっぽいコーラスから一気にクリアに広がるファンタジックなアンサンブルは、まさにイエスを理想的に受け継いだサウンドです。

Robはスティーヴ・ハウばりにトリッキーで音数多いプレイと、マリリオンのスティーヴ・ロザリーを思わせるロングトーンでメロディックに歌うプレイを自在に弾き分けて、幻想的な情景を描き出します。

そんなイエス彷彿のファンタジー溢れるスタイルの中で、持ち前の美声を生かして伸び伸びと歌い上げるChristinaの歌声も至上。

「七つの大罪」をテーマに7曲で構成されたコンセプト作ですが、テーマから想像されるシリアスさはほとんどなく、「こわれもの」や「ドラマ」あたりのイエス色をたっぷり取り込んだ快作に仕上げています。

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【3rd】Home(2006)

3rdアルバムは、「心の拠り所= Home」を探し求めてアメリカを旅する英国人女性をテーマにしたコンセプト・アルバム。

従来よりもしっとりとクラシカルな曲調のナンバーを多く配した作風となっており、ルネッサンスを思わせる格調高い表現にグッと深みが加わった印象を受けます。

英国らしい陰影あるタッチのピアノと哀愁を帯びた泣きのフレーズを紡ぎ続けるギターを主体とする「劇的」という言葉がふさわしいアンサンブルに、アニー・ハズラムに匹敵する美声ヴォーカルが抜群に映える、さすがの絶品シンフォニック・ロックです。

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【6th】TWENTY SEVEN CLUB(2013)

13年リリースのこの6thは、27歳でこの世を去った伝説のミュージシャン達を題材にしたコンセプト・アルバムとして発表され話題を呼びました。

ジム・モリソン、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、ブライアン・ジョーンズ、カート・コバーン、そしてロバート・ジョンソンら各人をモチーフにした全6曲で構成されていて、”ヴィンテージ・ロック・マニア”Rob Reedの持ち味が存分に発揮されています。

土台こそMAGENTAらしいドラマ性溢れるシンフォニック・ロックですが、ジミヘンをテーマにしたナンバーで炸裂するクライベイビー、ロバート・ジョンソンをテーマにしたナンバーでの味のあるブルージーなアコギやスライドなど、各人のトレードマークのプレイを織り込むRobの活躍に注目。

MAGENTAらしいシンフォ・スタイルにレジェンドたちへのリスペクトをたっぷりと盛り込んだ傑作です。

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【7th】We Are Legend(2017)

26分の大作を冒頭に配し、約11分の楽曲2曲が後に続く全3曲という、イエス『危機』を思わせる構成を持ちます。

新リズム隊による自在な切り返しを見せるタイトなプレイを土台に、溢れんばかりの情感を込めてフレーズを紡ぐギター、ピアノと艶やかなシンセを駆使して端正な英国叙情を添えるキーボード、そして清涼感に満ちた美声で時にポップに時にしっとり情緒的に歌い上げるフィメール・ヴォーカル。

エレクトロニクスも巧みに導入しながら進行していく溌剌としたアンサンブルが本当に見事で、そのサウンドは活動歴17年目というベテランの域に入ったバンドとは思えない鮮度を誇っています。

本作も彼らの持ち味が十二分に発揮された充実の一枚です。

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■アルバム紹介~Rob Reed編


MAGENTAと並行して複数のプロジェクトを率いてきた鬼才Rob Reed。彼こそ「現英国プログレ・シーンで最も忙しい男」と言って間違いないでしょう。ここからはRobが手掛けた主要なプロジェクトをピックアップしてまいりましょう!

ROBERT REED/SANCTUARY(2013)

上でも触れた、彼が敬愛してやまない初期マイク・オールドフィールドへのオマージュ・プロジェクト。作曲と全楽器の演奏を自身でおこなう多重録音スタイル、さらに約20分の楽曲2つというアルバム構成まで初期マイクを踏襲しています。もうあの頃のマイクがいかにも弾きそうなフレーズと曲展開の連続に鳥肌がたちそうなほどです。

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KOMPENDIUM/BENEATH THE WAVES(2012)

このプロジェクト・バンドでは、ケルト・エッセンスを全面に出した神秘的かつ劇的なシンフォニック・ロックを鳴らします。
透明感ある美声に心洗われる女性ヴォーカル、ハイ・トーンの幻想的な男性ヴォーカル、そして多彩な管弦楽器やストリングスもフィーチャーし壮大に繰り広げられる一大シンフォニック絵巻が感動を呼びます。

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KIAMA/SIGN OF IV(2016)

Rob Reedを中心にFROST*やTANGENTやREASONING等の英実力派プログレ・バンドのメンバーが集まり結成されたグループ!メランコリックな陰影を帯びたメロディと、ひたすら叙情的に紡がれるアンサンブルは、これぞ英国!と言いたくなるサウンドです。

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LES PENNING with ROBERT REED and PHIL BATES/BELERION(2016)

『OMMADAWN』への参加で知られるリコーダー奏者/コンポーザーLeslie Penningが、Rob Reedとベテラン・ジャズ系ベーシストPhil Batesと共に制作した16年作。

Les Penningの牧歌的なリコーダーを軸に、Robの静謐なギターや壮大なシンセが彩る優美なアンサンブルに心洗われます。

まるで『OMMADAWN』から緊張感を取り払ったような、どこまでもパストラルなトラディショナル・ミュージック。

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CHIMPAN A/EMPATHY MACHINE(2020)

Robがジェントルな声質が魅力のヴォーカリスト/SSWのSteve Balsamoと組んだユニット、MAGENTAのChristinaら4人の女性ヴォーカルがゲスト参加した20年作2nd。Robが描き出す、心地よいエレクトロ・サウンドとエモーショナルでハートフルな生演奏が調和した音空間に、Steve Balsamoの温かな歌声とゲストのChristinaら女性ヴォーカル陣の美声が響き合うサウンドが至上です。

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MAGENTAというバンドの魅力を感じていただけたでしょうか。近年、勢力の大きいイタリアや北欧のシーンに負けじと、素晴らしいアーティストが続々と登場してきている英国プログレ・シーンですが、その活況に至るまで英国シーンを支えてきた彼らの功績は大変大きなものがあります。

これからも英国プログレの中心的存在として一層活躍してくれることを期待したいものですね。


それでは最後に、MAGENTAのサウンドに心打たれた方にオススメの、美声女性ヴォーカルが活躍する各国プログレをピックアップしてお別れいたしまましょう~。

IZZ/DON’T PANIC(アメリカ/2019)

キャリア20年のベテラン・グループですが、本作、イエス系の新鋭プログレ作品としてビックリする完成度!ハウっぽいギター、アンダーソンっぽい男性ヴォーカルに耳が行きますが、初期からの持ち味である瑞々しい美声で歌い上げる女性ヴォーカルの貢献も見事なんです。

その男女ヴォーカルが躍動する、「Tempus Fugit」っぽく始まり「Awaken」っぽく終わる大作はとりわけ息をのむ素晴らしさ!

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MATERYA/CASE(イタリア/2012)

イタリアの新鋭グループですが、ルネッサンス直系の気品を漂わせる逸品。波打つようなピアノを基調とするクラシカルで繊細な演奏と、透明感ある凛とした女性ヴォーカルのなんと美しいこと。これは心洗われる名作です。

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YESTERDAYS/SENKI MADARA(ハンガリー/2018)

注目のハンガリー新鋭による3rd!ファンタスティックなキーボードとフルートが織り上げる気品高いアンサンブルに、生命を吹き込むのが女性ヴォーカル。土着的な響きを持つハンガリー語を驚くほど繊細に聴かせる歌唱が素晴らしく、浮遊感ある美麗世界を描くことに貢献しています。

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MUSICA FICTA/A CHILD AND A WELL(イスラエル/2005)

クラシックからジャズ、民族音楽まで幅広い音楽性を取り込みつつも洗練味を失わないセンス、安定感抜群のテクニックなど、SHESHETらイスラエル・ロックの遺伝子を確かに受け継いだ新鋭!透き通るような歌声の女性ヴォーカルも特筆ものの逸材です。

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