2020年6月5日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
こんにちは。
スタッフ佐藤です。
新品CDをメインに直近で入荷した注目のタイトル、売れ筋の人気タイトルの中からスタッフおすすめの作品をピックアップするコーナー「日々是ロック」。
カケレコが厳選して入荷している世界のロック/プログレの新品CDを通して、魅惑の音楽探求をお楽しみください☆
昨日売れたタイトルの中で注目したいのが、フランスのチェンバー・ロックDUNの81年唯一作『EROS』。長らく廃盤状態だったタイトルで先日久々に入荷した注目作となっております♪
こ、これ、本当に自主制作!?アンサンブルの強度は、ヘンリー・カウやマグマやユニヴェル・ゼロに比肩。テンションみなぎるジャズ・ロックを軸に、フルートやマリンバが駆け巡るチェンバー・ロックなパートを配してとめどなく聴き手に襲いかかる傑作!
ここからは、DUNにも負けない緊張感がみなぎる新世代チェンバー・ロックを各国からご紹介してまいりましょう♪
まずはイタリアから!
伊チェンバー注目の名グループYUGENのKey奏者による11年リーダー作は、「一日千秋」という日本語の持つ美しさと儚さを見事に描いた叙情派チェンバー・ロック!
ピッキオ・ダル・ポッツォやジャズ・ロック期ザッパを彷彿させる管楽器の掛け合いだなぁと思っていると、異次元世界を音像化したような強烈なアヴァンギャルド・プログレが襲いかかってきて戦慄!気品ある佇まいと尋常ならざる緊張感を両立した孤高の一枚。
北欧にも暗黒チェンバーの凄い一枚がございます!
ANGLAGARDやBRIGHTEYE BRISONで活躍するスウェーデンのドラマーが、緊張感みなぎる前衛暗黒チェンバーに挑んだ19年ソロ!でもなるほど、ダークさの中にANGLAGARDに通じる張りつめた透明感が見え隠れしていてさすがです。
こちらはスペインの注目グループ。優美さの中にスリルが隠れていて、実に懐の深いサウンドが魅力です。
現チェンバー・シーンの代表的存在となったスペイン新鋭による19年作なのですが、これがUNIVERS ZERO+PICCHIO DAL POZZOと言える素晴らしさで感動!
東欧チェンバーで注目すべきなのが、このベラルーシ!
狂気のヴァイオリン、暴走するサックス、偏執狂的ギター。東欧の小国ベラルーシに突如あらわれたチェンバー・ロック・グループ・・・恐るべし。
全盛期ユニヴェル・ゼロに接近した格調高くも不穏さに満ちた暗黒チェンバー・ロックは美しくも底なしに陰鬱。ベラルーシ出身チェンバー・ロック・バンドによる待望の17年作2nd!
南米にも、センス抜群の素晴らしきチェンバー作品が登場しております♪
キッチュで、コケティッシュで、ほんのりゴシック…。スラップ・ハッピー、アクサク・マブールがお好きなら、このアルゼンチンのチェンバー・バンドはいいですよ~。危うさとキュートさを孕んだフィメール・ヴォイスも魅惑的!
温もりのあるチェンバー・ジャズ・サウンドにデジタルな音響を混ぜ合わせながら、スリリングに変拍子を刻んでいくアンサンブルが格好いい!HENRY COW、PICCHIO DAL POZZO好きに是非オススメしたいアルゼンチン産新鋭アヴァン・ジャズ・ロック!
いかがでしたか?
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西フランスのナント出身、フルート奏者、パーカッション奏者を含む6人編成のチェンバー・ロック/ジャズ・ロック・グループ。81年に自主制作された唯一作。マハヴィシュヌ・オーケストラ、フランク・ザッパ、マグマ、ヘンリー・カウから影響を受けたようで、テンションみなぎる緻密かつ狂暴なサウンドが持ち味。一時、ETRON FOU LELOUBLANのメンバーと交流を持ち、彼らが所属するR.I.O.への参加も打診されたようです。アルバムの録音は、UNIVERS ZEROが傑作『HERESIE』と『CEUX DU DEHORS』を録音したスイスのスタジオ。これほどのテクニックを持つグループながらレーベルを探すことはせず、自費プレスでわずか1000枚のみ、ほぼライヴ後の手売りのみでさばかれたようです。サウンドは、自主制作の中でも屈指のクオリティ。変拍子というか、唐突にストップ&ゴーを繰り返しながらリズムを解体し、いびつな拍子で予測不能に畳みかけるドラム、低域で強靱にうねるベース、硬質なタッチのピアノ、エッジの立ったトーンでエキセントリックなフレーズをアグレッシヴに弾き倒すギターによるテンションみなぎるパートを軸に、フルートとマリンバが細かい拍子の中を鋭角に駆け巡る暗黒チェンバー・ロックなパートを配して、とめどなく聴き手に襲いかかるサウンドが持ち味です。そのアンサンブルの強度は、ヘンリー・カウやマグマに比肩。ヘンリー・カウやユニヴェル・ゼロやマグマのファンは間違いなく気に入るでしょう。傑作です。
イタリアン・チェンバー・ロックの新鋭グループ=YUGENのキーボーディストによる初リーダー作。11年発表。YUGENと同様、高速変拍子をビシバシ展開するスリリングなアンサンブルを主体としながらも、本作は、ジャケットに刻まれた「一日千秋」という日本語の持つ美しさと儚さを見事に内包したような、抒情的な美学が随所に滲み出た作風が特徴。不穏さとシュールさを併せ持った室内楽器の響き、心を揺さぶる幻想的なキーボード、ヘヴィなロック・ダイナミズム、淡き幼少期を思い起こさせるような子供の声のSE…。柔らかさ/儚さ=「静」と、スリリングでダイナミックな展開=「動」による圧倒的なコントラストから、イタリアン・ロックの確かなDNAが感じられる傑作です。
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