2019年6月18日 | カテゴリー:KAKERECO DISC GUIDE,世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ新鋭
こんにちは。スタッフ増田です。
2019年もそろそろ半分を過ぎようとしていますが、今年上半期も様々な新鋭プログレ・バンドのデビュー作が続々と入荷いたしました。
その中から今回は米国の男女混声プログレ・トリオ、PORCH FIREによる19年デビュー作をご紹介!
PORCH FIREは米国イリノイ州出身、16年に結成された男女3人組プログレ・バンド。
メンバーはBlake Bledsoe(Vo/Gt)、Liz Hartman(Vo/Ba)、Troy Hutchens(Dr)で、本19年作が彼らのデビュー作となります。
ギタリストのBlakeはPHISHのようなジャム・バンドに影響を受け、ドラマーのTroyと共にCANDLE FISHというジャム・バンドで活動していました。
またLizはOLD TOBYというニュー・グラス(プログレッシヴ・ブルーグラスとも)バンドに在籍しており、両バンドが同時期に解散すると、残されたメンバーが集って両者の音楽性を融合させた新たなプロジェクトを開始。
そうして結成されたバンドがPORCH FIRE。最終的に残ったこの3名のラインナップによって制作されたのが本作です。
そんな彼らの音楽性は良い意味で「雑多」。サウンドの中にはプログレ、ハード・ロック、ブルーグラス、スペーシーなサイケ、オルタナ、フュージョン、ファンク…などなど無数の音楽的要素が絡み合っており、1曲1曲ごとにテイストの違ったカラフルな曲調を展開しています。
またちょっぴりダミ声のBlakeと透明感あるLizという正反対の男女ヴォーカルが在籍している点もユニーク。
歪んだギター・リフをフィーチャーしたハードな楽曲ではBlakeの「いなたい」歌声を活かし、対してピアノやアコギをフィーチャーした洒脱なナンバーでは軽やかなLizの歌声をメインに据え、また時には二人の声が重なり合うなど、一作の中で全く違った表情を楽しむことができます。
とはいえ統一感が全くないわけではなく、全体を通してカンタベリー・ロックにも通じるような軽やかなユーモアと淡い浮遊感が漂っているのも特徴的。
ハード・ロック、それからブルーグラスといった土臭さも感じるヴィンテージな要素に柔らかく揺蕩うオルガンやエレピ、スペーシーなシンセのマイルドな幻想性がバランス良く絡み合った、懐かしくもどこかモダンで小洒落たアンサンブルは実にセンスを感じます。
軽やかなカンタベリー・ロック&ポップ、それからSLAPP HAPPYあたりのファンにも是非聴いていただきたい個性的な逸品です!
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