2019年1月9日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ増田です。
年も明け、寒さ本番といった季節ですね。みなさま風邪やインフルエンザにはくれぐれもお気を付けください。
さて今回は寒い季節ということで、寒さ厳しい地域、北欧のジャズ・ロックをピックアップ。
しかしそのサウンドは、意外にもハードで熱気ムンムン!?
険しい冬にも負けない、パッション溢れる北欧ジャズ・ロック作品をどうぞお楽しみ下さい!
まずはスウェーデンから、74年の作品。
北欧らしい透明感あるクールなジャズ・ロックを聴かせていたかと思ったら、突如マハヴィシュヌばりのスリリングなバカテク・アンサンブルが炸裂して仰天!
特にマクラフリンに通じる知的な凶暴さを持ったこのギターのカッコよさと来たら!
ジャケはB級ハード臭ぷんぷんだけど、こちらもマハヴィシュヌに対抗できる程の超絶フュージョン/ジャズ・ロック!
手数の多いドラムに乗せてギターとピアノが疾走する激しいパートから幻想的で洗練されたパートまで、完成度の高いアンサンブルを披露しています。
こちらは英国風のくすんだオルガンが特徴的なジャズ・ロック・トリオ。
雄弁なオルガンとちょっぴり北欧民謡テイストの混ざったブルージーなギター、怒涛のドラムが織り成す迫力のサウンド。たまらないなあ。
フィンランドが生んだ稀有のギタリストといえばJukka Tolonen!
この圧倒的にスリリングでカッコいいジャズロック、もう聴いてみました?
アグレッシヴで流麗なギターと熱くむせぶサックス、切れ味あるリズム隊が一体となったアンサンブルはもう必殺!
フィンランドにまだこんな凄いジャズ・ロックが眠っていたのか…。
ファンキーなテクニカル・ジャズ・ロックと弦楽が織りなすクラシカル要素が違和感なく同居するサウンドが個性的な、75年の唯一作!
次はノルウェーから、北欧ジャズ・シーンを代表するギタリスト、Terje Rypdal率いるバンド。
ECMサウンドとも呼ばれる静謐で幻想的な音世界を特徴とする彼ですが、この70年作では『4th』あたりのソフツやマハヴィシュヌへの挑戦状とも言える、アグレッシヴなサウンドを聴かせています。
北欧フリー・ジャズ/ロックの悶絶盤!
北欧で最もファンキーなジャズ・ロック・バンド!?
ノルウェーで最初のプログレ・バンドJUNIPHER GREENEのメンバーが結成した、洗練&グルーヴィーなブラス・ジャズ・ロック77年作!
そんなSALUKIがなんと昨年41年ぶりに新譜を発表!
相変わらずファンキー&グルーヴィーかつ、さらに円熟味の増したサウンドが楽しめるファン注目の逸品です☆
ついでに現代の北欧ジャズ・ロックもご紹介!
ノルウェー出身の若手ヴァイオリニスト/キーボーディストによる17年作。
美麗なヴァイオリンとスリリングなリズム隊が火花散らすようにせめぎ合う、北欧らしく凛々しくも情熱的なサウンドが胸を打つ名品!
最後はデンマークから!後にジャズ・ロック・グループSECRET OYSTERに発展するデンマーク・ロック黎明期の名バンド、74年作6th。
焦燥感のあるリフにドタバタとしたドラム、カンタベリー・ロックを思わせる流麗なエレピにフリーキーなサックス。
てんでバラバラなような各パートが緻密に組み合わさり疾走していく様が圧巻!
ポリドールから76年にリリースされたデビュー作。
聴いて頭に浮かんだコピーは「カイパ meets イル・ヴォーロ」。
キレ味と流麗さが同居したデンマーク産インスト・ジャズ・ロックの名作!
マイナーですが、このバンドの79年作も良いですよ。
ベースとなるのはゴリゴリ疾走する熱くハードなジャズ・ロックですが、フュージョン~フォーク~中世風味のクラシカル・タッチまで、一曲の中でジャンルレスに展開していく変幻自在さも持ち合わせた実力派。
ユニークさではデンマークのみならず、北欧でも屈指と言っていいかも!
最後はこの71年作でお別れいたしましょう。
むせぶサックス、淡いオルガンやピアノ、エッジの効いたファズ・ギター。
コロシアム彷彿の叙情的なジャジーさにユーロらしい奥ゆかしさと幻想性が交わった、北欧の秘宝的ジャズ・ロック名作!
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世界中より、シャープに引き締まったテクニカルかつ流麗なジャズ・ロック作品をセレクトしてまいりましょう。
Terje Rypdal(g、sax)、Bjornar Andresen(b)、Espen Rud(dr)によるノルウェー産トリオ。70年作。サックス&ギターがフリーキーに暴走する硬質なフリー・ジャズ。1曲目のイントロからいきなりレッド・ゾーン振り切れっぱなし!SOFT MACHINEの3rd〜5th、エレクトリック・マイルスのファンは必聴!
マハヴィシュヌ・オーケストラからの影響色濃いスウェーデンのジャズ・ロック/フュージョン・グループ、74年作。手数多くシャープに疾走するドラム(元NOVEMBERのBjorn Inge!)、エッジの立ったトーンでスリリングなフレーズを応酬するギター&ベース、そこに鋭角に切れ込むエレピとオルガン。ジャケはマイナーなハード・ロックみたいですが、サウンドは、エネルギッシュかつ洗練された超絶フュージョン。ちょっとジョン・アンダーソンを彷彿させるハイ・トーンのヴォーカルが透明感あるメロディを歌うヴォーカル・パートも魅力的です。テクニック、アンサンブルの安定感ともに抜群。スペインのICEBERGあたりのファンも要チェック(それもそのはず、Key奏者のAlvaro Isは、ICEBERGのギタリストMax Sunyerの78年作ソロ『BABEL』に参加!)。オススメです。
デンマークのインスト・ジャズ・ロック・バンド、ポリドールから76年にリリースされたデビュー作。聴いて頭に浮かんだコピーは「カイパ meets イル・ヴォーロ」。カイパに通じる北欧らしい幻想性やリリシズムに加え、イル・ヴォーロを彷彿させる清涼感あるフュージョン・ロック風味があって、このバンドはいいなぁ。シャープかつ手数多く引き締まったリズム・セクションをはじめ、テクニックも特筆だし、キレ味と流麗さが同居したアンサンブルも見事。これは名作です。
デンマーク出身のジャズ・ロック・バンドによる79年作。人の一生をテーマにしたと思われるコンセプトアルバム。細かくタイトに刻むジャジーなリズム隊に、フルピッキングで熱く弾き飛ばすギター、七色にトーンを変化させ豊かな色彩感をもたらすシンセ、そしてやや暑苦しくパワフルに歌い上げるヴォーカルらによる、熱量ある骨太なジャズ・ロックを展開します。ハード・ロック的なスピード感で疾走するパートではエネルギッシュな盛り上がりを見せますが、スッと熱が引きアコースティックギターやフルート、ストリングス・シンセなどが甘やかに交歓するロマンチックなパートへ、そのしなやかな切り替えが実に見事です。更に面白いのが、上記のジャズ・ロックをベースとしながらも、滑らかなフュージョン・タッチ〜フォーク・タッチ〜中世風味のクラシカル・タッチまで、一曲の中でもジャンルレスにどんどん展開していくコロコロと表情豊かな演奏で、とにかく痛快。ユニークさではデンマークのみならず、北欧でも屈指と言っていい一枚!
キーボード/ギター/ベース/ドラムという4人編成のスウェーデン出身ジャズ・ロック・グループによる74年デビュー作。シャープでキレの良いクールな表情とファンキーなノリを合わせ持ったジャズ・ロックを基本としますが、突如牙をむくように荒々しいギターとキーボードが熱量高く畳み掛ける、マハヴィシュヌ・オーケストラばりの緊張感みなぎる超絶技巧アンサンブルが炸裂したりと、油断ならないスリリングなサウンドが持ち味。特にギターはマクラフリンに通じる知的な凶暴さを持っており、ハード・ロックすれすれの切れ味鋭くヘヴィにのたうつプレイが圧巻です。時おり挿入されるオリエンタルな旋律もセンス抜群。これぞユーロ・ジャズ・ロックの隠れた名品。
後にジャズ・ロック・グループSECRET OYSTERに発展するデンマーク・ロック黎明期の名バンド、74年作6th。過去作と同様、ハードなブルース・ロックと本格的なジャズ・ロック、メロディアスなサイケなどが絶妙にブレンドされた間口の広いサウンドが特徴。さらに本作からSECRET OYSTERにも参加するキーボード奏者を加えたツイン・キーボード体制となり、よりダイナミズムに富んだアンサンブルを聴かせています。ハイライトは何と言っても11分の大曲「Rockin’ Rambler」。スピーディーなリフにバタバタとしたドラム、焦燥感を煽るヴォーカル、さらにはSOFT MACHINEなんかも彷彿とさせる流麗なエレピとサックスがフリーキーかつスリリングに絡み合い、弾丸のごとく疾走していく様は圧巻!テンションが最高潮に達したところで壮大なピアノも加わってとことんダイナミックに決めたり、起伏のある展開もグッド。高いテクニックに裏打ちされた、端正かつキャッチーなサウンドが楽しめる名作です。
フィンランド出身の5人組ジャズ・ロック・バンドが75年にリリースした唯一の作品。ファンキーでテクニカルなジャズ・ロックに、弦楽が織り成すクラシカルなエッセンスを注入した個性的なサウンドが持ち味の隠れた北欧ジャズ・ロック名盤です。
スウェーデン出身のジャズ・ロック・トリオ。73年の唯一作。キーボーディスト/ギタリスト/ドラマーという変則編成が特徴。手数多くシャープなジャズ寄りのドラム、グルーヴィーなオルガン、ブルースっぽさの薄い洗練されたリードが魅力のギターによるインスト・プログレ/ジャズ・ロックを展開します。好盤。
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