2018年9月15日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,今週のカケレコFacebook
こんにちは。
9月に入り、段々と秋らしくなってまいりました。
ここ埼玉の北部、寄居では、夜になると鈴虫などの鳴き声があちこちから聴こえてきます。夏の蝉並みに、虫たちがリンリンと大合唱しています。
さて秋と言えば、お月見ですね。今年の中秋の名月は9月24日だそうですので、それに備えて今週は「お月見アルバム」というテーマでfacebookに投稿してまいりました。
ぜひご覧ください。
まず最初にご紹介するのは中秋の名月(=Harvest Moon)をタイトルに冠したニール・ヤングの92年作、『ハーヴェスト・ムーン』です。
題名からも分かる通り、彼の代表作である72年の名盤『ハーヴェスト』の続編となる本作。
90年代前後のクレイジー・ホース名義で聴けるキレッキレのエレキギターは鳴りを潜めているものの、繊細なアコギと憂いのある歌声によって紡がれる哀愁あふれるナンバーの数々は70年代と全く変わらぬ素晴らしさ。
特にこの表題曲「Harvest Moon」が良いんですよ・・・こんなバラードを聴きながら秋の美しい月を見上げたら、若かりし頃、過去の恋人との日々を思い出してセンチメンタルな気分になってしまうこと間違いなしです(!?)。(増田)
今日取り上げるのは、ケヴィン・エアーズの70年作『月に撃つ』です。
「ケヴィン・エアーズ&ザ・ホール・ワールド」としてリリースされた今作。
アヴァンギャルドな志向を持ったメンバーの演奏と、ケヴィン・エアーズの捉えどころの無い魅力的なテナー・ボイスが合わさって、時にフリーキーに、時にフォーキーに、絶妙なバランスで展開していきます。
ブリジット・セント・ジョンが参加して、ウララ~♪とコーラスする「カキとトビウオ」も、のどかでたまらなく良い曲。
聴き惚れていると知らぬ間に月に連れていかれそうな、不思議なムードを持った作品です。(みなと)
今日はアメリカのSSW、カレン・ベスの75年作『NEW MOON RISING』です。
木管楽器のような軽やかなボーカルと、熟練ミュージシャンによる味わい深い演奏が本当に素晴らしい作品です。
ニューヨーク出身のカレン・ベスは、60年代中頃からグリニッジ・ヴィレッジのフォーク・シーンで活動していました。
1st、2ndではアシッド・フォーク寄りの繊細な作風でしたが、3rdの今作ではジョン・サイモンにプロデュースを依頼し、ウッドストックのベアズヴィル・スタジオで録音。
ハーヴェイ・ブルックスやビル・キース、ジョン・ホール、ジョン・ハートフォード等といったウッドストック系のベテラン達がバックを固め、カレンのアコースティック・ギターを軸にした、豊穣で味わい深いサウンドとなっています。
聴くと自然と心が弾むようなメロディも抜群で、何度聴いても、その度毎に「いいなあ」と思える作品です。
ロングヘアをバッサリ切って佇む、月をモチーフにしたジャケットも素敵です。(みなと)
本日ご紹介するのは隠れたUSサイケの傑作、COLD SUNによる70年唯一作『DARK SHADOWS』です。
満月をあしらったインパクト大のジャケも格好いいですが、中身もジャケに劣らず幻想性たっぷり。
ゆらりゆらりと鳴らされるファズ・ギター、メルヘンチックでいてどこか不安定なハーモニーを奏でるオートハープ、歌心あふれるドリーミーなヴォーカル。
霞がかったようなサウンドがメロウで心地よくも、どこか仄暗い怪しさも湛えていて、まさにちょっぴり不思議なことが起こりそうな満月の夜を彷彿とさせます。
余談ですがマイケル・ジャクソンの「This Is It」が発売された際このCOLD SUNのジャケが思い浮かんだのですが、よくよく見たらあまり似ていませんでした・・・。(増田)
ラストの一枚は、ドイツのシンフォニック・ロック・グループANYONE’S DAUGHTERの80年作2nd『Anyone’s Daughter』です!
巨大な満月(?)が物憂げな女性の姿を照らすファンタジックなジャケットがとても素敵ですよね。(どう見てもロジャー・ディーンなバンドロゴはご愛嬌^^;)
内容もまさにジャケット通りと言えるもので、タイトに引き締まったリズムに乗って、きらびやかなシンセサイザー、テクニカルに疾走するギター、そして口ずさみたくなるキャッチーなメロディーがファンタスティックに躍動する、CAMELタイプの幻想的でメロディアスなサウンドを楽しませてくれます。
美しいシンセサイザーの音色が彩るこの2曲目のバラードなんてため息が出るほどロマンティックで、ジャケットの世界観と完全に一致。
個人的に人生の10枚に入る名品です(佐藤)
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