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エインズレー・ダンバー・リタリエイション(AYNSLEY DUNBAR RETALIATION)特集~男のいぶし銀ジャジー・ブルース・ロック~

本日は、渋さたっぷりな英国ブルース・ロック・グループ、AYNSLEY DUNBAR RETALIATIONをご紹介いたしましょう。

韓国の再発レーベルBIGPINKより実質的な最終作3rdがリリースされ、1st~3rd全ての再発が揃っていますので、ぜひお楽しみください!

渡り鳥ドラマー、Aynsley Dunbarについて

笑顔が爽やかなこの男性が、グループを率いるドラマーAynsley Dunbar。ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ、フランク・ザッパ、ジェファーソン・スターシップ、ホワイトスネイク、ジャーニーなどなど多くのグループを支えた名ミュージシャンで、2017年にはジャーニーのメンバーとしてロックの殿堂入りも果たしています。

67年にジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズのアルバム『A Hard Road』でメジャー・デビュー。その後ヤードバーズを脱退したジェフ・ベックの誘いでジェフ・ベック・グループのドラマーに迎え入れられるも、商業路線を志向するマネジメントに反発し、グループを脱退してしまいます。

そんな彼が自身の音楽性を追求するため、67年に結成したのがこのAYNSLEY DUNBAR RETALIATION。経緯が経緯なだけあって、その音楽性は非常に「硬派」。ヘヴィなグルーヴ感を醸し出すAynsleyのドラム、低くささやくような色気のあるヴォーカル、どっしりと落ち着いたベース、いぶし銀のブルージーなギター・・・どれを取っても「大人の男」らしさ満点の、渋すぎるサウンドを聴かせてくれます。

それでは、1stから順にご紹介していきましょう。

AYNSLEY DUNBAR RETALIATION/AYNSLEY DUNBAR RETALIATION

68年リリースの1st。メンバーはAynsleyに加え、SHOTGUN EXPRESSやGRAHAM BOND ORGANISATIONに在籍したギタリストJohn Moorshead、後にザッパの作品に参加するベーシストAlex Dmochowski、そしてかのジミヘンに「フェイヴァリット・ホワイト・ブルース・シンガー」と謳われたヴォーカル/key奏者のVictor Brox。

サウンドの特色はズバリ「ブルージー&ジャジー」。ブルースブレイカーズに在籍していただけあり、ジョン・メイオール作品に通ずる重厚でちょっぴりアンニュイなブリティッシュ・ブルース・ロックを軸に据えつつ、時には英国ジャズ作品かと思う程のムーディーな雰囲気を醸し出しているのが特徴的です。

その筆頭が、Victorによるジャジーなコルネットが炸裂するT2「My Whiskey Head Woman」。ゆったりとしたスロー・テンポの中、コルネットやピアノ、さらりと切り込む洒脱なギターが醸し出す上品でアダルティな空気・・・。聴いているだけで酔っぱらってきてしまいそうですね。

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AYNSLEY DUNBAR RETALIATION/DOCTOR DUNBAR’S PRESCRIPTION

こちらは翌年69年リリースの2nd。メンバーは1st同様ですが、1stよりジャジーな要素は減り、王道かつキレのあるブルース・ロック然としたサウンドを聴かせています。

本作で特筆すべきは何と言ってもVictor Broxのマルチな才能。全体を通して彼のプレイするオルガンがフィーチャーされている他、T7「The Devil Drives」ではライ・クーダーばりのいぶし銀のスライドを炸裂させつつアコギを弾き語り、T10「Mean Old World」では1stに引き続いての流麗なコルネットを披露。

もちろん男らしく渋みある歌声も絶品・・・。RETALIATION解散後も英国ブルース・シーンで活躍を続けるVictorの魅力をたっぷりと味わうことのできる一枚です。

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AYNSLEY DUNBAR RETALIATION/TO MUM FROM AYNSLEY AND THE BOYS

同じく69年にリリースされた3rd。翌年の解散後70年に4th『REMAINS TO BE HEARD』がリリースされていますが、こちらは過去の音源をまとめたアウトテイク集的位置付けのため、この3rdが実質的なスタジオ・アルバム最終作。

本作からはGREASE BAND、MARK-ALMOND~RIFF RAFFで知られる名key奏者Tommy Eyreが加入して5人編成に。さらに曲調も西部劇音楽風だったり、クラシカルなチャーチ・オルガンが鳴り響いたり、ファンキーだったりと、ヴァラエティに富んだ挑戦心うかがわせる内容になっています。

とはいえ基調となるのは彼ららしいいぶし銀のブルース・ロック。さらにEyreのピアノ&オルガンが芳醇かつジャジーな味わいを加えており、その点では1stの路線に立ち返ったとも言えそうです。

どっしりとした男らしい渋みであれば1stの方が上ですが、こちらはアップテンポな曲調の中で各楽器が歯切れよく躍動するアンサンブルが魅力。RIFF RAFFやブリティッシュ・オルガン・ロックのファンにもオススメできる懐深い逸品です。

なお、1stから4thまでジャケットは全てヒプノシスが担当。フロイドなどのような奇抜さはないものの、サウンドを象徴するかのような落ち着いた色合い、かつクールで味わい深いデザインは流石のヒプノシスですね!

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3rdリリース後RETALIATIONは解散し、AynsleyはTommy Eyreを引き連れて新グループAYNSLEY DUNBAR BLUE WHALEを結成。71年にアルバムを一枚残したあと、AynsleyはザッパのMOTHERS OF INVENTION加入の為米国に渡ります。

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商業主義に流されず、彼が自身の求める音楽を具現化したこのバンド。煌びやかな派手さはありませんが、どっしりと地に足のついた男らしさ、英国的なアンニュイさ、そしてクールだったりジャジーだったりと大人の色気を醸し出すサウンドに、気付けば虜になってしまうこと間違いなし。

ブルース・ロックのみならず英国オルガン・ロック、英国ジャズ・ロック好きも是非、革張りの椅子に腰を沈めて彼らの作品に酔いしれてみてはいかがでしょうか。

AYNSLEY DUNBAR RETALIATIONの在庫

  • AYNSLEY DUNBAR RETALIATION / DOCTOR DUNBAR’S PRESCRIPTION

    ブルース・ブレイカーズ/ザッパ・バンド/ジャーニーなどを渡り歩く名ドラマーによるリーダー・バンド、69年2nd、英国ブルース・ロックの名盤!

    JOHN MAYALL’S BLUES BREAKERSやJEFF BECK GROUPに参加、後にザッパ・バンドやJOURNEYまでも渡り歩く英国の名ドラマーAynsley Dunbar率いるブルース・ロック・バンド、69年2nd。もう、端から端まで渋すぎるっ!ジャズ・テイストのあった前作1stに比べてより本格的なブルース色を押し出し、演奏のキレもアップ。コクたっぷりに切り込むギター、グルーヴィーなベースにタイトなドラム、アンサンブルにさらなる渋みと色気を加える低く男らしいヴォーカル。ブリティッシュらしい重厚なハモンドが全面的に使われているのもポイント高いです。スピーディーで軽快に聴かせるナンバーから沈み込むようなスロー・ブルース、そしてリバーブを効かせたアコギといぶし銀のヴォーカルが音空間を濃密に埋め尽くすカントリー・ブルース・チックな楽曲まで、どの曲も圧巻の格好良さ。全英国ブルース・ファンに聴いていただきたい、充実の一作です!ジャケは前作に続きヒプノシスが担当。

  • AYNSLEY DUNBAR RETALIATION / TO MUM FROM AYNSLEY AND THE BOYS

    英国の実力派ドラマー率いるグループ69年作3rd、key奏者Tommy Eyreを迎えジャジーなオルガン・ブルース・ロックを聴かせる逸品、プロデューサーはJohn Mayall

    JOHN MAYALL’S BLUES BREAKERSやJEFF BECK GROUPを経、後にザッパ・バンドやJOURNEYを渡り歩く英国の名ドラマーAynsley Dunbar率いるブルース・ロック・バンド。69年の3rdにして実質的な最終作。プロデュースはJohn Mayallが務め、また本作からMARK-ALMONDやRIFF RAFFで知られるkey奏者Tommy Eyreが加入。ずっしりとしたドラム、低く囁くようなヴォーカル、タメの効いたブルージーなギター…重たく陰翳に富んだいぶし銀のブルース・ロックは前作の延長ながら、そこへEyreのメロウで流麗なハモンド&ピアノが加わって、よりジャジーな色合いを持った躍動感のあるアンサンブルを聴かせています。Eyreによるハモンド・ソロをこれでもかと全面に押し出したT3、荘厳な教会風のオルガンで幕を開けるT4、弾むベース&ギターがファンキーなT7など、混沌たる時代を反映するように多彩なジャンルを取り入れた作風もユニーク。Vertigoのジャジーなオルガン・ロック・ファンも気に入ること間違いなしの、聴き応えある名作です。

  • AYNSLEY DUNBAR RETALIATION / REMAINS TO BE HEARD

    後にザッパ・バンドやジャーニー等多数のバンドで活躍する名ドラマーによるリーダー・グループ、R&Bテイスト溢れるハードなブリティッシュ・ロック、70年作

    ブルースブレイカーズ、ジェフ・ベック・グループなどで活動していた名ドラマー・エインズリー・ダンバー率いるグループ。70年作の4thアルバム。R&Bテイスト溢れるハードなブリティッシュ・ロック。

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AYNSLEY DUNBARの在庫

  • AYNSLEY DUNBAR / BLUE WHALE

    後にザッパ・バンド、ジャーニー他多数のバンドで腕を振う実力派ドラマー、71年作。

    リヴァプール出身、BLUESBREAKERS、ZAPPA BAND、JOURNEY、JEFFERSON STARSHIPなど名だたるグループを渡り歩いた名ドラマー、彼が70年に結成し数か月間活動したバンドBLUE WHALE名義でリリースされた71年作。ヴォーカルはJUICY LUCYのPaul Williams、キーボードはRETALIATION時代からの盟友Tommy Eyreです。そのサウンドは『VALENTYNE SUITE』あたりまでのCOLOSSEUMを彷彿させるブルージーな哀愁をたっぷり湛えた激渋ジャズ・ロック。一打一打の武骨な重量感と手数多いジャジーなスタイルを兼ね備えた職人的ドラミングに乗って、キレのあるオルガンとギターがスリリングなインプロヴィゼーションを繰り広げるアンサンブル。そこにJUICY LUCYでも印象的だった雄々しくアクのあるヴォーカルがブルージーに歌い込むサウンドは、派手さは皆無ながら迫力は満点。注目はやはり、ザッパの『HOT RATS』収録ナンバー「WILLIE THE PIMP」のカバーでしょう。生来のダミ声を生かしてビーフハートそっくりに歌うPaul Williamsと野太いフルートが濃密に絡むグッとテンポを落としたテーマ部、そして痺れるほどカッコいいタイトなドラミングの上でギター、オルガン、ブラスが丁々発止で掛け合うインプロ・パートで構成された、いぶし銀なカバーが楽しめます。本作制作の数か月後に渡米しザッパ・バンドに加入する事を考えても大変興味深い一曲です。上述のとおりCOLOSSEUMファンには是非聴いて欲しい作品!

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