2020年6月22日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフ増田です。
いよいよ6月!梅雨を目前に控えていますが、晴れた日などは半袖でも心地良かったりして、夏の訪れを感じますね。
そんな夏に聴きたいのが、グルーヴィーでエネルギッシュなファンキー・ミュージック。
「ファンク」は60年代中期にジェームズ・ブラウンがその原型を作り上げたとされる、ブラック・ミュージックの一ジャンル。
60年代後半~70年代初頭にかけてはジョージ・クリントン率いるパーラメント、サイケに接近したファンカデリックなど「Pファンク」と呼ばれるグループが人気に。
スライ&ファミリー・ストーンなどの白人黒人混合ファンク・ロック・グループも登場し、ブルースやR&Bと同様「ファンク」は白人からも支持を得るジャンルとなっていきました。
そんなわけで、今回はカケレコ・ユーザーのロック・ファンにもオススメできる、ファンクを取り入れた世界のサイケやブラス・ロックやジャズ・ロックを集めてみましたよ~。
まずは先程も登場したファンクとサイケの革新的融合を試みたグループ、ファンカデリック!
Pファンクの総帥ジョージ・クリントンと、ビートルズやスライ、ジミヘンに影響された黒人ミュージシャンが結成したグループの71年3rd。
アフロなパーカッション、うねるグルーヴ、跳ねるワウ・ギター、そして溢れる実験精神!
エネルギッシュかつドロドロとした底なしのエナジー渦巻く、サイケ・ファンクの傑作!
こちらはパナマ生まれの黒人、ウィルソン3兄弟を中心とするファンク・ロック・グループの71年デビュー作。
ラテン~アフロのエッセンスをフィーチャーしてるけど、R&B~ブルース~ソウルのコクが濃厚で、ブラス・ロックやスワンプ・ロックのファンもこれ必聴!
ちなみに彼ら、あの有名な「猪木!ボンバイエ!」・・・の元ネタ、モハメド・アリのテーマソング「アリ・ボンバイエ」の演奏を務めたグループだそうです。
溌剌としたブラスに厚いハモンド、コクのあるリズムに明るいラテンのエッセンス。
この米ブラス・ロック・グループ、マイナーだけど実に熱気あふれる好盤!
名手Larry Coryellが在籍したことでも知られるジャズ・ロック・バンドFREE SPIRITS、から発展したファンク・ロック・グループEVERYTHING IS EVERYTHINGのヴォーカリストをメインに据えた71年作!
とにかくJames Brown、Otis Redding、Smokie Robinsonまで、黒人ヴォーカルの旨味を知り尽くしたような白人シンガーChris Hillsのヴォーカルが凄い…。
演奏もグルーヴィーなコクたっぷりで、こりゃ体を揺らさずにはいられないサウンド!
「フォーキーなジミ・ヘン」もしくは「ハードなSTEALERS WHEEL」!?
ジミ・ヘンやEYES OF BLUEとも共演した米SSWによる71年作3rd。
ファンキーなベース・ラインに乗せて跳ねるエレキと繊細なアコギが絡む、ハード・フォーキー・ポップな逸品♪
こちらはジャズの巨匠Dave Brubeckの息子が率いるファンキー・ジャズ・ロック・バンド!
ファンキーな跳ねとグルーヴ感たっぷりのリズムに、キレのあるギターカッティング、丁々発止の掛け合いを演じるブラスとブルースハープらによるアンサンブルは、途轍もないカッコよさ!
次は英国からエネルギッシュなファンキー・ロックをご紹介!
オープニングを飾る「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」からなんというカッコよさ!ずばりブッカー・T&ザ・MGSへの英国からの雄弁なる回答!
BOB MARLEYの『EXODUS』にも参加したギタリストHanson率いる英国ファンク・ロック・グループ!
名ベーシストNeil Murrayの地を這うグルーヴと、Hansonのキレのあるワウ・ギターがスピーディーに絡み合うサウンドにシビれまくりの名作2ndです!
ここまでは英米のバンドをご紹介しましたが、次はカケレコらしく、ユーロに飛散したファンク・サウンドをご紹介!
あのモータウンから英語盤をリリースしたイタリアン・ロック・バンドがいるって!?
なるほど、ジャズ・ファンク調の跳ねるアンサンブルとイタリアン・ロックらしい叙情性が見事に融合されていますね。この74年作、個性満点の名盤!
「問題!ノルウェーで最初のプログレ・バンドと言えば…」「はい!JUNIPHER GREENE!」「ブブー。…と言えばJUNIPHER GREENEですが、そのメンバーを中心に結成されたジャズ・ロック・バンドと言えば!?」
いやはや、北欧ノルウェーにこんなにも本格的なブラス・ジャズ・ロック/ジャズ・ファンクが存在したとは・・・
テクニカルかつエネルギッシュな演奏に驚愕必須の77年傑作!
な、なんと、ロック、ジャズ、ファンク、フラメンコ、地中海音楽のごった煮!これはクールすぎるっ!
スペインのジャズ・シーンで活躍する名セッション・ミュージシャンの3人(サックス、ドラム、パーカッション)を中心に結成されたグループ、76年デビュー作。
スペインの70年代ジャズ・ロックは名作揃いですが、これもその中の一つと言える絶品ファンク・ジャズ・ロックです!
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70年代から起こったファンク・ムーヴメントはもちろん英国にも伝搬。黒人たちのエネルギッシュなファンクに憧れつつも、どこか繊細さが出てしまう…そんな愛すべきファンキー・ミュージックをご紹介してまいります。
KEEF HARTLEY BAND、Miller Andersonのソロ、HEMLOCKなどで活躍した名Key奏者ミック・ウィーヴァーを中心に結成されたグループ。68年作の2nd。オープニングを飾るストーンズのカヴァー「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」からなんというカッコよさ!躍動するリズム、クールなトーンでエネルギッシュに奏でられるオルガン、むせびなくホーン・セクションが実にファンキー&グルーヴィー。ずばりブッカー・T&ザ・MG’Sへの英国からの雄弁なる回答!ブリティッシュR&Bロックの名作です。
盤質:傷あり
状態:良好
ケースに小さいヒビあり
ノルウェー最初期のプログレ・バンドとして知られるJUNIPHER GREENEのメンバーを中心に結成されたバンドによる77年作。時に熱くブロウし、時に雄弁にメロディを紡ぐ管楽器の活躍が素晴らしい洗練されたブラス・ジャズ・ロックを鳴らします。ファンキーな粘りのあるグルーヴを刻むテクニカルなベース&ドラム、ワウの効いた熱量の高いギター、そしてクールなエレピも絶品。男女シンガーの歌声がソウルフルに絡み合うヴォーカル・パートも大変カッコいいです。そうかと思うと、英国ロックに通じる叙情的な表情も見せたりと、この懐の深さは並ではありません。終始隙の無い完成度で聴かせる、北欧ロック屈指の名盤です。
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