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【KAKERECO DISC GUIDE Vol.12】気品あるジェントルな歌声に心奪われる、珠玉のポップ・アルバムDEAN FORD『DEAN FORD』(1975)

スタッフ佐藤です。
KAKERECO DISC GUIDE、今回取り上げるのは、先ごろめでたく初CD化された英国のヴォーカリスト/SSW、Dean Fordによる75年のソロ・アルバム『DEAN FORD』です。

■スコットランドが誇るポップ・グループMARMALADEと代表曲「Reflections Of My Life」

1946年、スコットランドのグラスゴーに生まれたDean Ford(本名 Thomas McAleese)。50年代後半より地元にある教会のダンスホールでジャズ・アンサンブルを伴い演奏活動を開始。59年頃には弱冠13歳にして自身のバンドTONEBEATSを結成します。その後2~3年にわたる活動で地元では知られる注目バンドとなっていたTONEBEATS。そのフロントマンであった彼に目を付けたのが、すでに東グラスゴー地区で有数のバンドとして活躍していたGAYLORDS、のちのMARMALADEでした。

65年にDeanがGAYLORDSにリード・シンガーとして加入し、活動拠点をロンドンに移しバンドはDean Ford & The Gaylordsとして活動を開始しますが、翌年にはバンド名をMARMALADEに変え再デビュー。しかし最初の2年はヒットに恵まれず不遇の時期を過ごします。快進撃の始まりは67年。シングル「Lovin’ Things」が英チャート6位に入り、翌68年にはビートルズのカバー「Ob-La-Di, Ob-La-Da」が英チャート1位に輝きます。なんと彼らは英国チャート1位を取った初めてのスコットランド出身バンドなのです。

勢いに乗ったバンドは、69年にDeanとギター/キーボードのJunior Campbellが共作したナンバー「Reflections of My Life」をリリース。これが英チャート3位、米ビルボード10位など各国でヒットを記録し、MARMALADEの名は一躍世界に知られることになります。

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■これぞ英国と言えるジェントルな歌声が魅力、75年ソロ作『DEAN FORD』

Deanは74年のアルバム『Our House Is Rocking』を最後にMARMALADEを去り、ソロ活動を開始。翌75年に発表したのがソロ・アルバム『DEAN FORD』です。

本作ではAlan Parsonsをプロデュース&エンジニアリングに起用。参加メンバーもいぶし銀の名手揃いで、ギターにTim Renwick、ペダル・スティールのB.J.Cole、キーボードにはPete Wingfield、そしてストリングス・アレンジャーとしてAPPでもお馴染みのAndrew Powellが名を連ねています。

AOR色を帯びた洗練のサウンドに木漏れ日のような温もりが宿った演奏の素晴らしさは上記メンバーを見れば納得なのですが、何と言っても特筆なのがDeanの歌声。素朴で落ち着きある「ジェントル」な歌声は、まさに英国人シンガーの理想的なイメージそのもの。

コリン・ブランストーンほど個性的ではないものの、彼と並び称したいほど英国らしさに溢れた愛すべきシンガーぶりが堪能できます。
ヴォーカリストのソロ・アルバムらしく歌の魅力がたっぷりとフィーチャーされた、まさに珠玉のヴォーカル・ポップ・アルバムと言える仕上がりとなっているのです。

本作より2曲をお聴きください!

Hey My Love

アルバム冒頭を飾るAORタッチのヴォーカル・バラード。美しく流れゆくオーケストラに乗って飛翔するDeanの歌声が感動的。間奏に登場するパーカッションが素晴らしいアクセントになっています。

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Funny Things You Do

B.J.Coleのペダル・スティールが伸びやかに躍動するカントリー・ロック調のナンバー。純度100%の英国ヴォーカルなのですが、カントリー風味に爽やかに合わせており、米西海岸勢にも通じるさらりとした聴き心地でまとめていてお見事。


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■Dean Ford、その後のキャリア

79年にロサンゼルスに移り住んだ彼ですが、アルコール依存症が原因で音楽業界から遠ざかってしまい、長らく目立った音楽活動が伝えられることはありませんでした。03年より再びミュージシャンとしての活動を再開、Frankie Millerのアルバムへの参加やBADFINGERのギタリストJoe Tansinとのコラボレーションなどで精力的な活動を見せます。最近ではクラウドファンディングでおよそ40年越しとなる2ndアルバムの資金を募るなど、再びミュージシャンとしての輝きを取り戻そうとしています。

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