2023年5月2日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ新鋭
アメリカン・ハード&サザン・ロックに通ずる抜けの良いリフに、パワフルで艶のある姉御ヴォーカルが炸裂!かと思えばフロイドを彷彿とさせる浮遊感たっぷり&ブルージーな楽曲もあってたまらんなあ。なんと、スペインの新鋭とは!
今、姉御ヴォーカル・プログレで最も注目なのが、イギリスより登場したこのバンドです!CARAVANやVDGGなどのスタイルを取り入れたヴィンテージ色豊かな歌ものプログレ/ジャズ・ロックを展開。エモーションたっぷりにドラマチックに歌い上げるパートからタメの効いたブルージーな歌唱を披露するパートまで、この姉御ヴォーカルは文句なく素晴らしい!セッションマン出身のメンバーだけあって、オルガンやフルートが織りなす芳醇な演奏も抜群のクオリティ。これは英プログレ・ファン歓喜の傑作ですよっ!
美声のパートもあるのですが、より印象的なのはDonella Del MonacoやAntonella Rugieroら先輩伊シンガーを受け継ぐ声量豊かな姉御ヴォーカルのほう。イタリア新鋭による17年作なんですが、トラッドとクラシックをミックスしたような哀愁溢れるエレクトリック・ヴァイオリンは凄まじいわ、表現力みなぎるヴォーカルも素晴らしいわで、これは現代イタリア版カーヴド・エアと呼びたい逸材!
続いてもイタリアから。PFM、バンコといった自国の偉大なバンドに加え、ラッシュ、シャドウ・ギャラリーなどのプログレ/プログレ・メタルより影響を受けたというバンドで、音楽性もまさにという感じ。ラッシュ影響下のハード・プログレを土台にPFM的優美さを加えたようなサウンドに、少しハスキーな声質の凛としたエモーショナルな女性ヴォーカルが乗るスタイル。
ポーランドの人気バンドMILLENIUMのキーボーディストによるソロ・プロジェクト第2弾となる18年作。20年前に彼が自主制作した98年の作品を、プロフェッショナルなサウンドでリアレンジ/再録した意欲作です!凛とした透明感と姉御な力強さを兼ね備えた女性ヴォーカルがまたいい!
ハード・ロック、カンタベリー・ロック、スペース・サイケにオルタナにブルーグラス…。とことんごった煮なのに、それでいてお洒落でイマジネーション豊かなサウンドに仕上げるこのセンスの良さと言ったら!ダミ声男性ヴォーカルとコケティッシュな女性ヴォーカルの対比もGOODな注目の米新鋭トリオ、19年デビュー作!
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カンタベリー・ロック好きにもオススメ。スペーシーな幻想性と土臭さが混ざり合う米国の男女3人組プログレ・グループ、PORCH FIREの19年作をご紹介!
ジャケのセンスはともかく、中身はALL ABOUT EVEをヴィンテージ色たっぷりのシンフォにしたような美麗サウンド!瑞々しい女性ヴォーカルが素晴らしいなぁ。ほほう、イタリアのグループによる20年ぶりの復活作なのか。
ゴングばりの強度と緩急自在さで聴かせるジャズロックをベースに、カンタベリー風の芳醇なホーンセクションとスラップハッピーあたりが浮かぶ浮遊感あるメロディ。飄々とミステリアスに歌う女性ヴォーカルも印象的。カリフォルニア発ジャズ・ロック・バンド、2ndもさすがの快作です!
伊チェンバーの名グループYUGENのギタリストによるプロジェクト、これが虚ろなフィメール・ヴォーカル、メロトロン、そしてヴァイヴがこの世のものとは思えない幽玄なる美を演出するチェンバー・シンフォの大傑作なのです。
古き良き牧歌的カンタベリー・テイストがモダンなポップセンスによって昇華され、優しげで爽やか、それでいて幻想的なサウンドを生み出しています。しっとり歌う女性ヴォーカルも堪らないなぁ。懐かしくも洗練された英国叙情の滲み出る、期待のイギリス新鋭17年作!
キッチュで、コケティッシュで、ほんのりゴシック…。スラップ・ハッピー、アクサク・マブールがお好きなら、このアルゼンチンのチェンバー・バンドはいいですよ~。危うさとキュートさを孕んだフィメール・ヴォイスも魅惑的!
いかがでしたか?
気になる作品を見つけていただければ幸いです!
イタリアのチェンバー・グループYUGENのギタリストによるプロジェクト、13年作。あまりに格調高く静謐に鳴らされるピアノ、甘美なメロトロン、波打つストリングス、彼方から届くヴァイブの音が有機的に結びついていく鳥肌モノのアンサンブル。そこに虚ろで物悲しい表情を持つ女性ヴォーカルが加わると、このバンドならではの底の知れない深みを持った音世界へと吸い込まれていきます。YUGENのメンバーを擁するだけあって、各楽器が前衛的かつ知的な音の掛け合いを聴かせるパートも登場し、チェンバーロックらしいダークさと緊張感がより作品の世界観を広げているのも特筆すべき点。全編にわたり、この世のものとは思えない幽玄なる美を湛えたチェンバー/シンフォニック・ロックの傑作!
世界のチェンバー/アヴァン系の先鋭的なバンドを多く輩出しているAltrOckレーベルよりデビューした、カリフォルニア出身アヴァン・ジャズ・ロック・バンドによる待望の17年作2nd。前作『RAINBRO』では女性ヴォーカルを擁しカンタベリー・エッセンスをたっぷり含んだポップな音作りがたまらない個性派ジャズ・ロックを聴かせた彼らですが、本作でもその唯一無二のサウンドは健在です。全盛期ゴングばりの強度と緩急自在のしなやかさで聴かせるジャズ・ロックをベースに、カンタベリー風の芳醇かつ流麗なホーン・セクションとスラップ・ハッピーあたりを彷彿させる浮遊感あるメロディをちょっぴりミステリアスに歌う女性ヴォーカル。演奏自体は角の立った硬派なジャズ・ロック・テイストがあるのですが、一貫して軽やかなポップ・エッセンスが効いており、無骨な印象は一切与えないハイセンスなサウンドメイクが相変わらず素晴らしすぎます。前作を気に入った方は勿論、カンタベリー・ロック・ファン、ゴング・ファン、スラップ・ハッピーのファンも「これはっ!」となること間違い無しの一枚に仕上がっています。
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