2017年12月22日 | カテゴリー:カケレコ中古棚探検隊,世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
スタッフ増田です。いよいよ師走も大詰め!
年末の追い込みや大掃除などで慌ただしさ極まる季節ですが、最後まで頑張って走り抜きたいものです。
中古棚より「これは!」という作品をピックアップしてご紹介する「カケレコ中古棚探検隊」。
本日はそんな年の瀬にピッタリ(?)の、疾走感あふれる&荘厳なキーボード・プログレを世界中から集めました。
まずは英国からどうぞ!
NICE解散後、NICEのベーシスト&ドラマーがキース・エマーソンの代わりにパトリック・モラーツを迎えて結成したグループがこちら。74年唯一作。
エマーソン的アグレッシヴさ&豪快さとウェイクマンのクラシカルな気品を合わせ持つモラーツの手腕が遺憾なく発揮されています。
各種キーボード群が目まぐるしく行き交う演奏は、さながらキーボードの万華鏡!えらいこっちゃ…。
EL&Pタイプのキーボード・ロックと言ったら忘れちゃならないオランダのグループ、TRACE。74年デビュー作!
クラシカルかつ怒涛のテクニカルさで畳みかける、ハイテンション&ドラマチックな一作ですね。
アトミック・ルースターにロバート・フリップが乱入したような豪快キーボード・プログレを70年代はじめのアメリカで発見っ!71年作!
ハードにドライヴするオルガンと強烈なディストーション・ギターのせめぎあいは個性的かつ圧倒的。
ここからはイタリア3連発!イタリアのEL&Pといったら…LE ORMEですね。プログレ・グループとしての出発点となった71年3rd。
クラシカルな荘厳さ滲み出るキーボードと、Aldo Tagliapietraのイタリア叙情あふれるヴォーカルのコントラストが美しい一作です。
LE ORMEと並ぶ名イタリアン・キーボード・トリオにして、ローマ法王の御前で演奏した初めてのロック・バンド!73年作2nd。
さながらEL&P『タルカス』 meets ヴァヴァルディ『四季』と言えちゃいそうな、荘厳かつアーティスティックなアンサンブルが見事…!
ARTI E MESTIERIのドラマー、フリオ・キリコが在籍したキーボード・トリオ、74年最終作。
これはずばりエンジンが壊れてしまった「タルカス」って感じ!?
スリリングかつテクニカルに畳みかける疾走アンサンブルにはEL&Pもたじろいじゃうかも…。
イタリアの次はドイツ3連発。まずはネズミジャケでおなじみの「ドイツのEL&P」、75年作。
EL&P直系の壮大さ+ジャーマン・シンフォの煌びやかさ、そして極めつけはとにかくキャッチー!
メロディの親しみやすさはあらゆるキーボード・ロックの中でもピカイチです。
またまたいましたドイツのEL&P!75年1st。
キーワードは「荘厳」、そして「気品」!壮大なチャーチオルガンに幕を開け、オルガンにムーグシンセ、そしてメロトロンまで溢れ出してしまう多彩さも魅力です。
「ドイツのEL&P」その3!?なんだかどれも似たようなグループ名ですね。80年デビュー作。
EL&Pからの影響は感じますが、ドイツというお国柄か奇抜さはなく、ロマン溢れる詩情が溢れ出てて、グリーンスレイドのファンにオススメです。
ラストは東欧3連発!「東欧のキース・エマーソン」率いる旧チェコスロバキアのキーボード・プログレ、71年作2nd。
ハプスブルク帝国の文化遺産が息づく土壌で育まれたロックと言うべき、端正で気品溢れるサウンドにやられます。
次は国民的ミュージシャンNIEMENのバックバンドから発展した、ポーランドを代表するプログレ・トリオ79年作。
ELPの名作群にも比肩する技巧とテンションに東欧らしい陰影が加わった大傑作!これは鳥肌不可避!
ラストはハンガリー新鋭、98年作。
キース・エマーソンの外連味をそのままに、よりクラシカルにしたようなキーボードが躍動しまくる壮大なシンフォ・プログレ絵巻。
元は騎馬民族だったというハンガリー。ジャケ通り、疾走する馬の群れが目に浮かんでくるようなスピーディー極まるサウンドです!
こちらも合わせてどうぞ♪
70年代にLE ORMEなどと並んで、イタリアン・キーボード・ロックの名盤を生み出したジェノヴァ出身バンドの73年作2nd。その内容は脱獄劇「パピヨン」をコンセプトに製作された、前作同様スケールの大きなコンセプト・アルバムとなっています。キーボード・トリオ編成と言うことでやはりEL&Pからの影響が色濃く、オルガン、ピアノを中心に、ベートーベンの「悲愴」やヴァヴァルディの「四季」を取り入れたクラシカルなキーボード・ロックや、コンボスタイルのジャジーなサウンドまで堪能することが出来ます。さらにはオーケストラを大きく取り入れたアプローチも特筆すべきものであり、壮大なバラードにおける管弦セクションのクラシカルな彩り、室内楽風の弦楽奏、ソロを取るヴァイオリンなど、やはりシンフォニック・ロックとして一級品ですが、実は哀愁に溢れたボーカルのメロディーこそ彼らの一番の個性であり、インターリュードとしてたびたび登場する物悲しい歌メロをはじめ、イタリアならではのメロディーメイクのセンスが際立った作品とも言えます。
EDISONレーベル旧規格、解説元から無し、定価2920+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
帯ミシン目に沿って切れ、テープ補修跡、若干ケースツメ跡あり、小さいカビあり
Keith Emerson率いるThe Niceのリズム隊であったLee Jackson、Brian Davisonが、EL&P結成のためThe Niceを解消したKeith Emersonの代わりに、MAINHORSEのメンバーのスイス人Patrick Morazを引き入れて結成したキーボード・トリオの74年作。その内容はPatrick Morazの技巧が冴え渡るクラシカルなキーボード・プログレであり、The Niceと同じリズム隊を擁しながら、The Niceとは違ったタイトなプレイを連発。後にYESの「Relayer」に参加することになる、プログレッシブ・ロック界屈指のテクニシャンPatrick Morazのオルガン、ピアノ、モーグ・シンセが堪能できる名盤となっています。
紙ジャケット仕様、8曲入りボーナス・ディスク付2枚組、SHM-CD(Disc1のみ)、デジタル・リマスター、オリジナル・インナースリーブ付仕様、定価4000+税
紙ジャケット仕様、05年版マスター使用、内袋付仕様、定価2800+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
特典帯付(紙ジャケに巻いてあります)、軽微なカビあり
元EKSEPTIONのRick Van Der Lindenが新たに結成したキーボード・トリオ。74年作1st。クラシカルかつテクニカルなオルガン、ピアノ、メロトロンをフィーチャーしたドラマティックな一枚。オランダ・プログレを代表する名作。
盤質:傷あり
状態:
あまたのEmerson Lake & Palmerフォロワーの中でも、Keith Emersonに強く影響を受けたスタイルで有名であるドイツのシンフォニック・ロックグループの75年作。古代ローマの「スパルタカス」をテーマに掲げたコンセプト・アルバムとなっており、冒頭からEmerson Lake & Palmerの名盤である「Trilogy」のようなキーボードで幕を開け、ハモンド・オルガンアナログ・シンセサイザーを中心にしたキーボード・ロックを展開。彼らのディスコグラフィーの中でも最もドイツのシンフォニック・ロックらしいらしい、スペーシーな広がりが非常に個性的であり、キャッチーにまとめられた彼らの代表作と言える1枚です。
キーボード奏者&コンポーザーで、後に映像音楽の世界でも活躍することになるPeter Seilerを中心に、1972年に結成されたキーボード・トリオで、ドイツのEL&Pと評されるグループ。75年のデビュー作。キース・エマーソン直系のそそり立つようなムーグ・シンセ、クラシックの素養を感じさせる格調高いピアノ、アグレッシヴに畳み掛けるハモンド・オルガン、そして、EL&Pにはないエッセンスなのが壮麗に鳴り響くメロトロン。グレッグ・レイクを柔らかにしたようなヴォーカルも印象的で、陰影に富んだジェントルで端正な歌声と、ドイツらしいロマンが香るメランコリックな叙情に富んだメロディも魅力です。EL&Pからの影響とともに、バロック音楽の「気品」や「荘厳さ」が加わったサウンドは、チェコのCOLLEGIUM MUSICUMにも通じています。名作です。
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