2018年7月15日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
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こんにちは、スタッフ佐藤です。
誕生日を迎えるロック名盤を取り上げてご紹介していく「名盤誕生日」。
7月16日はCCR(クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル)による名盤『COSMO’S FACTORY(コスモズ・ファクトリー)』の誕生日です。
CCRは、アメリカ西海岸のサンフランシスコで67年に結成されたロック・グループ。
67年から72年のわずか5年間で活動を終えたグループですが、その間アメリカ国内で絶大な支持を集めました。
キャリアを通じて彼らの音楽性の特徴と言えたのが、西海岸出身バンドながらも、カントリー、ブルース、ヒルビリーなど南部的なサウンドを大きく取り入れた泥臭く骨太なロック・サウンド。
デビューした68年のサンフランシスコは、ヒッピー・カルチャーの中心地としてサイケデリック・ムーブメントが最盛期を迎えており、グレイトフル・デッドやジェファーソン・エアプレインといったバンドが熱狂的な人気を博していた時期です。
そんなサイケデリック・ロックが主流だったシスコシーンに登場した当時のCCRは、南部的泥臭さとサイケデリック色が共存するスタイルを持ち、デビュー・シングル「スージーQ」は大ヒットを記録。一躍シスコシーンの代表格バンドへと躍り出ます。
しかし作品を出すごとに南部ロックを志向したサウンドの比率が強まっていき、最終的には南部出身ミュージシャンも顔負けのアーシーなロック・サウンドを完成させます。
シスコ出身バンドとしては異色の存在と言われますが、以降もシングルヒットを連発、解散まで相変わらずの高い人気を誇りました。
さて、本作『COSMO’S FACTORY』は、そんなCCRが1970年に発表した5作目のアルバム。
最高傑作と評されることも多い一枚で、南部音楽への憧れを反映させてきたCCRサウンドの完成形を楽しめる作品となっているんです。
数曲をご紹介してまいりましょう!
冒頭から7分を超える長尺ナンバーが炸裂。カントリー・フレイヴァーたっぷりの演奏にジョン・フォガティの吠えるような野性味あるヴォーカルが映える前半、そしておよそ4分続く中間部の緊張感あるインストパート、最後は再びカントリータッチでスピーディーに駆け抜けていく、見事な構成で聴かせる名曲です。この曲を聴くだけで彼らの特異性が伝わってきますよね。
彼らの真髄と言える濃厚な南部志向のサウンドが味わえるのがこの曲。
グルーヴィーな演奏と歌声に、フォガティによる極上のブルースハープもフィーチャーされます。
タイトル通り、高温多湿のジャングルを汗を滴らせて走り抜けるイメージが浮かんでくるようです。
ここまでのコクたっぷりのアーシーなサウンドから一転、ここでは爽やかなフォーク・ロックで涼風を運びます。
こういう曲を聴くと、彼らが西海岸出身バンドであることを思い出します。
グラディス・ナイト&ザ・ピップスが67年に発表した曲のカバーで、邦題は「悲しいうわさ」。マーヴィン・ゲイのバージョンも知られますね。
3分弱の原曲をなんと11分にも拡大しているのですが、ヴォーカルパートは原曲通りほぼ3分で、残りはフォガティ渾身のギタープレイが8分にわたって繰り広げられます。完全に自分たちの楽曲として作り上げてしまってますよね。
デビュー・シングル「SUZIE Q」を収録した、米西海岸スワンプ・ロックの雄、記念すべきデビュー68年作!アメリカ南部の黒人音楽のエッセンスを存分に吸収した、泥臭く粘っこいサザン・ロックの先駆者的存在である彼ら。60年代後期アメリカ西海岸全体が、サイケデリック革命の波を受けて急速にサイケ・ロック化して行く中で、時流に逆らうかのようにシンプルでストレートなスワンプ・ロックを展開。厳密には南部人ではないカリフォルニア生まれの彼らがたどり着いた、本場南部ロック以上に熱く燃えた濃厚なサザン・ロックがココにあります。無骨でタイトなドラム、ギター、決して上手くはない朴訥とシャウトするJohn Fogertyの若きヴォーカルにも注目!
本作はCCRのリーダー、John Fogertyの個性が十分に発揮された名盤!次々とヒット作を連発していた69年に発表された、彼等の最高傑作とも言われている一枚です。全米第2位「GREEN RIVER」、「BAD MOON RISING」、第30位「COMMOTION」を収録。こうして聴いていると、CCRというバンドは、カリフォルニア生まれ出身者で占められていながら、だからこそより一層、南部のスワンプ・ロックに己の探究心と憧憬の眼差しを注いでいたのだなということに気づかされるストイックなサウンドですね。自分達が目指すサウンドがハッキリしていたからこそ、このようにブレない、古びないサウンドを残すことが出来たのでしょう。
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