2017年4月19日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
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4月16日、英国のギタリスト、アラン・ホールズワース氏が亡くなりました。70歳でした。
プログレッシヴ・ロック・シーンからジャズ/フュージョン・シーンまで、ジャンルをまたいで数多くのバンドを渡り歩き名演を残してきたホールズワース氏。
サックス奏者のプレイを参考にしたという、レガートを多用した滑らかに音が繋がる速弾きスタイルは革新的なもので、現在に至るまで数多くのギタリストに影響を与えてきたまさにミュージシャンズ・ミュージシャンと言うべき存在でした。
そんなホールズワース氏への追悼の意を込めて、プログレッシヴ・ロック・シーンで活躍した70年代の主要な参加作品を振り返っていきたいと思います。
ホールズワースのファースト・レコーディング作品として知られるのが本作。ジャズ・ロックというよりはほぼジャズと言っていいサウンドで、彼も後の持ち味となる滑らかな速弾きプレイではなく、正統派ジャズギターといった趣のプレイを披露しています。ただテクニックはこの時点ですでに抜群。早くもその才能の片鱗を見せています。
元コロシアムの鉄人ドラマー=ジョン・ハイズマンが、ホールズワースなどを迎え結成したグループのデビュー作。テクニシャン揃いなだけあって随所で技巧が炸裂するスリリングでパワフルなハード・ロックを展開。元ジューシー・ルーシーのポール・ウィリアムスによるソウルフルなヴォーカルに絡む、ハードロック然としたソリッドなギタープレイがカッコイイです。
結成以来ギタリストが在籍しなかったソフト・マシーンに初めてのギタリストとして加入したのがホールズワースでした。テンションの高いテクニカル・ジャズ・ロック・アンサンブルを牽引するのはもちろん彼のギター。難解で深遠だったソフツの世界観が、ホールズワースの縦横無尽なギターワークによって一気に突き抜けたような印象を与える名盤です。
アレン&スマイス脱退後の第1作となった前作『SHAMAL』は中近東エッセンス香るジャズ・ロックの秀作でしたが、ホールズワースの参加が象徴するように、本作では一気にテクニカル・ジャズ・ロック/フュージョン路線へと舵を切っています。ホールズワースのギターはリード楽器としての役割を超えほぼ主役と言える堂々たる演奏を披露。耳に心地よい幻想的なパーカッションとの相性が抜群です。
前作『GAZEUSE!』に引き続いての参加。モエルランが完全にリーダーシップを取ったことで、パーカッションを多用したオリエンタルな作風がより強まっていますが、ホールズワース特有のウネウネとしたプレイは見事にマッチしています。さらに英国プログレ屈指のヴァイオリン名手ダリル・ウェイとの共演も聴き所。
ザッパ・バンドでの活躍も知られるユーロ・ジャズ・ヴァイオリニストの最高峰、ホールズワースの名演も光る77年の代表作。ポンティによる鋭くキレのあるヴァイオリンとソロを分け合うホールズワースのテクニカル・ギターが圧巻。テンションMAXなギラギラした演奏は、アル・ディ・メオラ在籍期のRTFも彷彿させます。
言わずと知れたYES~クリムゾンを渡り歩いたプログレ界きっての人気ドラマー、78年ソロ作。デイヴ・スチュアートが散りばめる芳醇なカンタベリーテイストがたまらないジャズロック名品ですが、ここでのホールズワースのプレイも波長の合う仲間たちと一緒でかなり伸び伸びと演奏している印象を受けます。
前作よりもややフュージョン・タッチなサウンドになった79年作2nd。そうなると俄然冴えてくるのがホールズワースで、レガートを使用する滑らかなフレージングが生きてきます。
中身はクリムゾンの緊密なテンションとイエスの雄大なファンタジーを合わせたような、各メンバーが在籍したバンドのエッセンスが結晶となったプログレッシヴ・ロックを繰り広げる傑作。ホールズワースの先の読めないウネウネとした速弾きギターも全開で、70年代でホールズワースの個性を堪能するには恰好の作品と言えます。
まるで自身の腕を試すかのように様々なバンドを渡り歩きプレイしてきたその生き様は、まさにギター求道者と呼ぶに相応しいものだったと思います。
プログレッシヴ・ロックを象徴する偉大なるギタリストに最大の敬意を表して。
心よりご冥福をお祈りします。
オリジナル・メンバーのKevin Ayers以来のギタリスト、Allan Holdsworthが加入し、『6』『7』と推し進めてきたフュージョン色をより強めた作品。75年作の8thアルバム。Karl JenkinsとMike Ratledgeによる叙情性と浮遊感のあるキーボード・ワーク、そしてその上をテクニカルに疾駆するHolldsworthの流麗なギター。John MarshallのドラムとRoy Babbingtonのベースによるロック的ダイナミズムに溢れたソリッドなリズム隊も特筆もの。圧巻のテクニカル・ジャズ・フュージョン・ロック!Holldsworthの唯一の参加作となった傑作。
デジパック仕様、2枚組、リマスター、DISC2には75年10月11日 のライヴ音源収録!
レーベル管理上、デジパック側面部に折れ線がある場合がございます。ご了承ください。
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、内袋・ブックレット付仕様、定価2800+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
軽微なケースツメ跡あり
KING CRIMSONで製作を共にしたJohn WettonとBill Brufordが、インプロヴィゼーション主体のキーボード・ロックグループを画策し、ROXY MUSICでの交流からEddie Jobson、そしてJohn Wettonのソロ作に参加したAllan Holdsworthを迎えて結成されたスーパー・バンドの78年デビュー作。プログレッシブ・ロックが確実に衰退していく中でリリースされた傑作であり、John Wettonのポップ志向とBill Brufordのジャズ・ロック的な躍動感、Allan Holdsworthの技巧とEddie Jobsonの奔放できらびやかなサウンドが結集した作品であり、プログレッシブ・ロック復興を賭けた傑作です。
紙ジャケット仕様、SHM-CD、09年エディ・ジョブソンによるリマスターが施された30周年記念盤、内袋付仕様、定価3143+税
盤質:傷あり
状態:
帯有
若干カビあり
MAHAVISHNU ORCHESTRAやFRANK ZAPPA & THE MOTHERS OF INVENTIONといった有名グループでキャリアを積んだフランスのジャズ・ロック界を代表するヴァイオリニストの77年ソロアルバム。全編でテクニカルなヴァイオリンをフューチャーしたクロスオーバー・ジャズ・ロックが収められており、スリリングなパフォーマンスの応酬が聴き応え充分な名盤です。また、ゲストで参加している名ギタリストAllan Holdsworthのプレイが素晴らしいことでも知られてきたアルバムであり、随所で個性的なフレーズを連発。フレンチ・ジャズ・ロックの金字塔的なアルバムと言えるでしょう。
COLOSSEUMのドラマーであったJon Hisemanが中心となり結成され、Allan Holdsworthの参加でも有名なイギリスのハード・ロックグループの73年デビュー作。Allan Holdsworthのギター・プレイとPaul Williamsのボーカルが堪能できる本作は、ブルース寄りのハード・ロック名盤となっており、Allan Holdsworthがジャズ・ロック的な流麗さを持ちながらも重みのあるハード・ロックを奏でていることが非常に新鮮に映る1枚です。またセクションによってはヴァイオリンも披露するなどバンドに貢献しており、技巧的な名演が素晴らしい傑作と言えるでしょう。
背ジャケ元からなし、ケース側面シール付き仕様、定価2548
盤質:傷あり
状態:不良
帯無
解説無、帯無、ジャケ内側部分無し、側面シール片方無し
David Allenを中心に結成され、個性的な浮遊感を持ったサイケデリックなスペース・ロックを確立。メンバーの出入りの多さからその人脈図は幾重にも枝分かれし、ファミリーバンドも多く存在し、プログレッシブ・ロックシーンに留まらず、エレクトロシーンなどにまでその影響を与えるグループの76年作。前作にはゲスト参加していたSteve Hillageも完全にバンドを離れたあとの作品であり、鮮やかなジャズ・ロックサウンドを基本にヴィブラフォンやパーカッションで彩を加えた作風となっていますが、後任ギタリストにAllan Holdsworthが参加しており、個性的なうねりを持った流れるようなギターワークでバンドに新風を吹き込んでいます。PIERRE MOERLEN’S GONGへの布石も多く見られる好盤です。
Allan Holdsworthが在籍していたことで知られるグループ。デラムから69年にリリースされた唯一作。R&B、サイケ、ジャズのエッセンスを煮詰めた芳醇なアンサンブルが聴き所。ホールズワースのギターがやはり特筆もので、R&Bからジャズまで飲み込んだ味わい深いフレーズがとめどなく溢れています。かなりの早弾きですがハードさは無く、ナチュラルなトーンで、印象はふくよか。それほど高く評価されたアルバムではないと思いますが、内容は文句無し。名作です。
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