2016年5月26日 | カテゴリー:スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。
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こんにちは、カケレコ・スタッフ佐藤です。
「スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。」は、一般的にはあまり注目を集めることのない作品ながら「実は良い作品なんだけどなぁ、もっと聴かれてほしいなぁ。」とスタッフ佐藤が日頃から感じている、愛して止まない作品たちを取り上げてご紹介していこうというコーナー。
今回取り上げるのは、ピーター・フランプトンの『フランプトン』です。
ピーター・フランプトンと言えば、まず多くの方が思い浮かべるのがライヴアルバムの金字塔『フランプトン・カムズ・アライヴ』だと思います。何せ1976年リリース作品の中でもっとも枚数を売り上げたアルバムであり、史上もっとも売り上げたライヴアルバム5枚の中にも堂々とその名を刻む一枚です。これを代表作と呼ばずして何を、というもの。
このアルバム、とにかく歓声の凄まじさに驚かされます。まさに割れんばかりの歓声という感じです。この当時はルックスの良さからくるアイドル的人気も大ブレイクに拍車をかけたと云われますが、一聴してその人気のほどが窺い知れるほどで、その黄色い歓声たるや初期ビートルズにも引けを取りません。
ただ、『カムズ・アライヴ』によって空前の大ヒットを飛ばし、翌年にリリースした『アイム・イン・ユー』が好評を得て以降は、交通事故で大けがを負い人気絶頂だった78年に活動停止を余儀なくされたり、80年にはギターや機材などを乗せた飛行機の墜落事故によって財産の多くを失ってしまったりと散々な目に遭い、結局のところ80年代以降はセールス面での目覚ましい成果を上げることはできませんでした。
まさに栄光と転落を経験したロック・ミュージシャンの典型と言えるかもしれません。
そんな彼にとって不遇だった80年代にも取り上げたい良い作品があるのですが、今回は『カムズ・アライヴ』の前年にあたる75年にリリースされた4th『フランプトン』をピックアップしたいと思います。
『カムズ・アライヴ』での演奏によって不動の代表曲となった「Show Me The Way」のオリジナルバージョンは本作に収録。「Show Me The Way」と言えば『カムズ・アライヴ』収録のライヴバージョンというのが今や一般的になっているように思いますが、夏に吹く涼風のように爽やかで瑞々しいこの曲の魅力は、実はスタジオバージョンでこそ発揮されていると思っています。
本作からは「Show Me The Way」を合わせて4曲が『カムズ・アライヴ』にて取り上げられていますが、それ以外の曲もこの頃のフランプトンらしいキャッチーな中にもこれぞブリティッシュ・ロックという陰影や叙情性が息づいた、なかなかの名曲揃いではないかと思うのです。
一発屋とも言われたりする彼ですが、ザ・ハード~ハンブル・パイ時代からの活躍を追ってきた一ブリティッシュ・ロック・ファンとしては、やはり彼って才能あふれるロッカーの姿そのものなんですよね。
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