2016年3月15日 | カテゴリー:カケレコ中古棚探検隊
ミュージシャンとしての真の実力が問われるのは2枚目から、なんてよく言われますよね。今回はその要請に見事応えバンドならではの揺るぎないサウンドを築き上げた名セカンド・アルバムの数々を、カケレコ中古在庫を中心にピックアップしてまいります!
60年代らしいアート・ロック調ポップといった趣を持っていた1stに対し、中世英国を想起させる気品と幻想性を帯びた初期ジェネシスの世界観が現出したのがこの70年作2nd。アコースティカルで繊細なタッチのアンサンブルが、妖精の踊るおとぎ話の世界に迷い込んでしまったかのようなサウンドを描き出します。
彼らも2ndで劇的に音を変化させたグループの一つですね。サイケ色を残す叙情派オルガン・ロックだった1stから、サックスとオルガンが重厚に響くダークでドラマティックなサウンドへと強烈な進化を遂げています。それに伴いハミルのヴォーカルも、時に激しく時に朗々と歌い上げる堂々たるスタイルへと大きく変化。
デビュー作ではストレンジなフォーク・ロックを演奏していたデヴィッド・アレンが、腕利きのバンドメンバーを率いて制作した71年作。黄金期の到来を予感させると同時に「RADIO GNOME3部作」前夜という位置付けに決してとどまらないユニークなサウンドを聴かせる傑作です。
ツェッペリン影響下のハードロックにグラムロック的綺羅びやかさを加えたようだった1stから、完全オリジナルなQUEENサウンドへと異次元の昇華を遂げた2nd。フレディの強靭なヴォーカル、あまりに複雑なコーラスワーク、聴いたこともないような音を出すギターオーケストレーションなどが組み合わさって、先の読めないめくるめくQUEENワールドへと聴き手をいざないます。
押しも押されぬグラム・ロックの大名盤ですが、本作もT-REX名義での2nd。。ロックの原初的カッコよさを感じさせながらも、ストリングスやブラス多彩なサウンドが使われていて音にはしっかり厚みがあるんですよね。イアン・マクドナルドやウェイクマンらプログレ人脈が参加している点にも注目☆
1stではブリティッシュ・ロック風の端正なサウンドを聴かせておりタイスも普通に歌っていたはずが、この2ndでは突如エッジの立ったヘヴィなギター&変てこヨーデル風スキャットの怪曲「HOCUS POCUS」が冒頭から炸裂するありえない進化を見せました。当時1stを経て2ndを初めて聴いた人はあまりの衝撃に目が点になったのではないでしょうか。ただ本曲以外は繊細で美しいインストゥルメンタル曲ばかりで、FOCUSとしての本質はこちらにあるんですよね。
サイケ・ポップな68年1stのあとシングル集をはさみリリースされたのが、ユーロ・ロックの金字塔と言えるこの名作。前作から3年が経っていることを考慮してもこの劇的なまでの変化には驚かずにはいられません。しかしのちの活動からもわかるように、もともとバンドの核となるサウンドを持つタイプのグループではなく、高い演奏力と幅広い音楽性を武器に作品ごとに様々にアプローチを変えていく珍しいタイプのグループと言えるので、この変化もその一環と捉えることができるのかもしれません。
前作1stも完成度の高い緊張感みなぎるチェンバー・ロックでしたが、本作は順当な進化を遥か飛び越え一気に暗黒チェンバーの最果てまで達してしまった異形の一枚。どんよりとした暗黒が覆う音像はホラー映画のサントラのようですらありますが、スリリングに恐怖を演出するGOBLIN的ホラー感覚とは違い、ジリジリと精神に来るタイプの湿り気を帯びたホラー感が特徴。彼らの作品はラブクラフトの世界観の影響下にあることでも知られますが、実際ラブクラフト作品を映画化したとしたらその音楽として本作ほどハマる作品はないと思えます。
74年作の2nd。「ホワイト」そして「ブラック」のアルバム・コンセプトの基、中世ヨーロッパ的な世界観が広がる歌詞が魅力の初期クイーン・ワールドが全開。スタジオ技術の粋を集め、ほぼノンストップで展開されるドラマティックな楽曲が並ぶ初期の大傑作。シングル・カットをしていないにも関わらず「THE FAIRY FELLER’S MASTER-STROKE」や「NEVERMORE」は、ファンの間ではとても人気の高い曲である。「THE MARCH OF THE BLACK QUEEN」のQUEENらしいドラマティックな構成美も圧巻。ヒット・シングル「SEVEN SEAS OF RHYE」収録。
イタリアを代表するプログレッシブ・ロックバンドの71年の作品。Luis Enriquesz Bacalovのアレンジにより、彼らがオーケストラを従えてクラシックとロックの融合を成し遂げた不朽の名作である本作は、イタリアン・シンフォニック・ロックを代表する名盤であり、彼らの代表作の1枚。ストリングスによるバロック・アンサンブルとバンドサウンドが華麗に重なり合い、表情を変えながらクラシカルに、ハードに盛り上げます。バンド、またオーケストラ共に叙情的な旋律の応酬であり、非常にイタリア然とした凛々しさに溢れています。LP。
紙ジャケット仕様、04年版デジタル・マスター採用、定価2800+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
側面部に軽微な色褪せあり、軽微なスレあり
オランダのプログレッシヴ・ロックバンドFocusの2作目です。キーボーディスト兼ヴォーカリストのThijs Van LeerとギタリストのJan Akkermanがバンドの顔なわけですが、ヨーデルを取り込んだ一種形容できないLeerのスタイルと、カミソリの様に硬質でありながら最高にキャッチーなAkkermanのギタープレイが絡み合って不思議な高揚感が独自のハード・ジャズ・ロックでありながらそれ一辺倒にはならずに、優雅でメロウな曲も創作でき る何とも稀有な存在!一度嵌ったら、抜け出せない魔的な魅力を放った作品です。1曲目の「Hocus Pocus」は、ハードでキャッチーなギターリフと変てこなヨーデル風スキャットが炸裂しています。2曲目以降は打って変わって叙情的な作品が続きます。ヨーロッパの香り漂う佳品ぞろいです。 そして最後に23分の組曲「Eruption」で締めくくりとなりますが、これはもう鳥肌ものの名曲。まだフュージョンというジャンルが世に出る前からロック、ジャズ、クラシックを融合したクロスオーヴァー・サウンドを作り出していたのは特筆に価します。
デヴィッド・アレン率いるGONGが71年にリリースした2ndアルバム。Pip Pyleの悶絶ドラミング、サックス&オルガンのアグレッシヴかつジャジーな演奏、Gilli Smythのスペース・ウィスパー、David Allenのユーモア溢れる弛緩ヴォーカルなど、すべてが聴き所。(ジャズ+サイケ+ロック)÷David Allen=Gongという公式が見事に確立したジャンル不問の大傑作。
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!