2015年10月26日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
言わずと知れた名曲からあまりスポットの当たらない隠れた逸曲まで、毎回1曲を取り上げてご紹介していくこのコーナー「プログレ今日の一曲!」。今回は、キング・クリムゾンやVDGGに通じるダークな質感を漂わせる個性派プログレ・グループGNIDROLOGより、72年発表の2nd『LADY LAKE』のオープニング・ナンバー「I COULD NEVER BE A SOLDIER」をピックアップ☆
ドラマティックなサビをメインとするわかりやすい構成を持つナンバー。サウンドを特徴づけるのが、いい意味で安定感のない狂的な響きを含んだハイトーン・ヴォーカル。冒頭でのデリケートな歌唱にも、サビで裏返りそうになるくらいに高ぶる歌唱にも、狂気が滲むような歌声は、まさに孤高と呼ぶべき表現力を誇っています。流麗ながらも独特の妖しさを持つフルート、叙情的かつ憂鬱なトーンのギター、ジャジーなドラムなど、演奏陣もヴォーカルを引き立てる絶妙なアンサンブルを披露。その両者が一体となってドラマティックに高まっていくサビが強く胸を打ちます。間奏パートも聴き所で、ヴォーカルを支えていた演奏が一転、荒々しいトーキング・フルートを筆頭に、ダイナミックなフリーフォームの演奏へと突入していく展開は思わず息をのむ素晴らしさ。シンプルな構成の中で、陰鬱さとドラマ性を併せ持つバンドの個性が十二分に発揮された完成度の高い楽曲です。
Colin GoldringとStewart Goldringの兄弟によって結成され、フルートやサックスを取り入れたジャズ・ロックを基本にKING CRIMSON、VAN DER GRAAF GENERATORのような音楽性を放つイギリスのプログレッシブ・ロックグループの72年2nd。基本的な方向性は前作からの流れを汲んでおり、サックスやフルートが鳴り響くへヴィー・ロック的な作風ですが、より洗練されたアンサンブルと、カオティックな中にドラマ性と一筋のロマンティシュズムを感じることが出来る名盤となっており、やはり繊細な質感とダイナミックなサウンドのコントラストが映える作品と言えるでしょう。
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