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【ユーロロック周遊日記】ドイツの叙情派プログレ最高峰ANYONE’S DAUGHTERの81年作『PIKTOR’S VERWANDLUNGEN(ピクトルの変身)』

毎回ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、叙情派ジャーマン・プログレの代表格ANYONE’S DAUGHTERが81年にリリースした3rdアルバム『PIKTOR’S VERWANDLUNGEN(ピクトルの変身)』をピックアップいたしましょう。

ANYONE’S DAUGHETERは、1979年というプログレシーンが衰退の一途を辿っていた時期に彗星のごとく登場したドイツのグループ。そのサウンドは、美しさとキャッチーさが絶妙にバランスした珠玉のメロディと70年代前半期のCAMELを彷彿させる優美でロマンティックに広がる演奏が一体となった、ひたすら叙情的に紡がれるシンフォニック・ロック。そこにいかにもジャーマンと言える深い陰影が加わって、オリジナリティ溢れるサウンドを作り上げています。

そんな彼らが81年にリリースした3作目のアルバムが、この『PIKTOR’S VERWANDLUNGEN(ピクトルの変身)』です。

海外の文学に親しまれている方ならタイトルにピンと来たかもしれません。そう、20世紀前半に活躍したドイツのノーベル賞作家ヘルマン・ヘッセが、1919年に発表した短篇集「メルヒェン」の中の一篇「ピクトルの変身」(55年の新版より所収)をモチーフとした作品となっているんです。

本作にはヴォーカルパートが基本的に登場せず、インストゥルメンタルパートとその合間に挟まれる物語の朗読によって構成されており、全13パートがひと続きになった組曲形式で進行していきます。

3作目と書きましたが、実は本作はライヴレコーディング作品。演奏内容は完全書き下ろしのため、実質的にはオリジナル作品として扱われることが殆どです。さらに本作のオリジナル作としての印象を決定付けているのが、ライヴとは思えない静謐感のある雰囲気と精緻に紡がれる演奏のクオリティの高さです。本作についての説明に必ずと言っていいほど出てくるのが「演奏後の拍手がなければライヴであるとは気付かないであろう」という文句で、その言葉が示すとおりスタジオレコーディングと遜色のない丹念に織り上げられていくような演奏が最後まで楽しめる逸品となっています。

それでは、本作からのナンバーをお聴きください♪

試聴 Click!

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音数多くテクニカルに畳み掛けるプレイから切なく泣く叙情的なプレイまで自在なギター、場面場面の情景を描き出すかのようなイマジネイティヴな広がりを持つシンセによる、繊細な表現とダイナミックな表現が劇的に切り替わるインストゥルメンタルが素晴らしいですよね~。たしかにスタジオ作と言われてもわからないほどのパフォーマンスなんですが、叙情的なパートではライヴ録音ならではの残響感がいい具合に作品世界を幻想的に彩っています。そしてドイツ語とは思えないマイルドな響きの朗読も特筆。ラスト、ジワジワと沸き上がってくるシンセと共に拍手と歓声が上がるところなどは実に感動的です。これは是非ヘッセの原作を片手に物語を追いながら堪能したい作品ですね。


【ユーロロック周遊日記】ドイツ叙情派プログレ・バンドANYONE'S DAUGHTERの80年2nd『ANYONE'S DAUGHTER』

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  • ANYONE’S DAUGHTER / ANYONE’S DAUGHTER

    叙情派ジャーマン・シンフォの名グループ、キャッチーかつ優美なメロディーメイクが光る80年リリース2nd

    72年にシュトゥットガルトで結成されたジャーマン・シンフォ・グループ。79年のデビュー作に続く、80年作2nd。幻想的に鳴り響くムーグ・シンセやハモンド・オルガン、泣きまくるハード&メロウなギター、ゴリゴリとよく動くベースとタイトなドラムによる安定感あるリズム隊、そして、叙情みなぎるメロディと豊かなハーモニー。ジェネシスとキャメルからの影響たっぷりなキーボードとリズム隊を軸に、ハード・ロック的なエッジと劇的さのあるギターが織りなす、鉄壁と言える泣きのシンフォニック・ロックが印象的です。それにしても、アンサンブルと歌メロからこれでもかと滴り落ちるリリシズムは圧巻。ユーロ・ロック屈指の名盤です。

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