2018年12月12日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
ラテンアメリカのプログレと言うとアルゼンチンやブラジルなど南米のシーンが注目されがちですが、中央アメリカ/カリブ地域にも魅力的なグループが存在します。というわけで今回は中米プログレに注目。
メキシコや南米大陸南部も含めた、ざっくり中米エリアからオススメのプログレ盤をご紹介してまいります。
85年のメキシコ大地震の救援を目的に結成されたプログレ・バンドが彼ら。アコースティックなフォークロックを基本に、フルートやヴァイオリンを擁したエスニックな民族色をまぶした魅惑のサウンドを聴かせる好盤です。
80年代のメキシコを代表するシンフォ・グループですね!率直に言ってキモいジャケットからは想像できない、キャメルばりの気品と優美さを湛えたシンフォ良作。
まるでカナダのラッシュとイタリアのニュー・トロルスをブレンドさせ、モダンなヘヴィネスとエッジで鮮烈なシンフォニック・ロックへと仕立てたような傑作。メキシコの雄CASTによる過去最高傑作とも言える会心の2015年作!ジャケットはあのポール・ホワイトヘッド!!
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78年のキューバで、こんなにもセンチメンタル&ファンタスティックなシンフォニック・ロックが生まれていたとは・・・。カリブの青空に溶け広がるようなシンセサイザーが気持ちいい~!
これがカリブの島国キューバのバンドだって?このシリアスさと深いダークネスは、ヨーロッパのバンドと言われても信じちゃいますね。フロイド、クリムゾンも取り込んだ、奥行ある幻想性と肉感的ヘヴィネスが渦を巻く会心作!
今回唯一の紛れもない中米出身グループによる一枚がこちら。
プログレ・ファンにとっても凄腕ドラマーBilly Cobhamの出身国というくらいしか思い浮かばなそうな、パナマ共和国のシンフォ・グループ。
さすがにニッチ過ぎて試聴音源が見つけられませんでしたが、インプロヴィゼーションも交えてテクニカルに疾走するアンサンブルはかなり聴きモノです。
ベネズエラの秘宝的名盤と言えばこちら。各パートをナレーションで繋げたコンセプチュアルな組曲風大作2曲からなる78年作!
知名度は上の1stに比べ殆ど無いですが、この2ndも流石の一枚。美麗なピアノや女性ヴォーカルをフィーチャーしながらも全体的な演奏はバタバタとせわしなくて、でもそんな洗練されていない「辺境感」がイイんですよね~。ベネズエラ産秘宝シンフォ!
ベネズエラのシンフォ・グループによる15年作なのですが、スペイン語でエモーショナルかつ声量豊かに歌い上げるこのヴォーカル、凄い実力派!演奏もプログレ・ハード的なキャッチーでノリの良い展開を盛り込んだ完成度の高いシンフォニック・ロックに仕上げています。清涼感たっぷりのサウンドが◎。
気になる作品を見つけていただければ幸いです!
90年代はじめのデビュー以降コンスタントに作品をリリースし続けているメキシコが誇るシンフォニック・ロック・バンド。前作から早くも1年で届けられた2015年作。特筆は、近年のニュー・トロルスのライヴへの参加や、管弦楽器隊によるプログレ・トリビュート・バンドGNU QUARTETでの活躍で知られるヴァイオリン奏者Roberto Izzoがコンスタントなメンバーとして参加していること。ゲストとして、他のGNU QUARTETの管弦楽器奏者も参加していて、瑞々しく艶やかなトーンのストリングスが躍動するクリアで明朗なサウンドが印象的。ソロとしても活躍している若き男性ヴォーカリストBobby VidalesによるカナダのRUSHを彷彿させるハイ・トーンの歌声もそんなサウンドに見事にマッチしています。ジェネシスのDNAが息づく多彩なキーボードによるヴィンテージな色合い、ザクザクとメタリックなリフや流麗な速弾きで硬質なダイナミズムを生むギターのアクセントも良いし、圧倒的に目の覚めるようなアンサンブル!今までの作品以上に「プログレ・ハード」と言えるキャッチーさと突き抜けるような明快さを軸に、管弦楽器による美麗さが加わっていて、そこに持ち前のテクニカルなエッジも効いていて、これはずばりシンフォニック・ロックのファンは必聴でしょう。ジャケットのデザインは、ジェネシスでお馴染みのポール・ホワイトヘッド!
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レーベル管理上の問題により、デジパックに若干角つぶれ・若干圧痕がある場合がございます。予めご了承ください。
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