2014年2月26日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
タグ: ロック&ポップス
今日の「MEET THE SONGS」は、男性SSWのRoger Salloomとジャニスばりの女性ヴォーカルRobin Sinclairの2人を中心とするSALLOOM SINCLAIR & THE MOTHER BEARをピックアップいたしましょう。
ディープなサイケ・ファンしか知らないほどにマイナーながら、60年代末のサンフランシスコのサイケデリック・シーンを駆け抜けた隠れた名グループ。
あの伝説のフィルモア・イーストの舞台にも立ち、なんとサンタナやヴァン・モリソンやプロコル・ハルムとも共演を果たしています。
バンドの中心人物は、SSWのRoger Salloom。
マサチューセッツ生まれで、ピート・シーガーやウディ・ガスリーやハンク・ウィリアムスに憧れ、13歳の時にバンジョーとギターを手に持ちます。
66年に故郷を離れ、インディアナ州の大学に進んだ頃にはボブ・ディランやヴァン・モリソンに影響を受けてソングライティングをはじめ、女性ヴォーカルのRobin SinclairらとSALLOOM SINCLAIR AND MOTHER BEARを結成します。
67年にはサンフランシスコに出て、またたく間に人気バンドとなります。そんな彼らに目を付けたのが、チェス・レコードのドン、マーシャル・チェス!ブルース/R&B中心だったレーベルのサイケデリック・ロックへの進出第一弾アーティストとして最初に契約したのがSALLOOM SINCLAIR AND MOTHER BEARでした。
そして、68年にリリースされたデビュー作が、『SALLOOM SINCLAIR & THE MOTHER BEAR』。
ズシリと重くグルーヴィーなリズム隊、エネルギッシュにうねるハモンド・オルガンとファズ・ギター、そして、ジェファーソン・エアプレインにも負けない、時にエモーショナルで、時にけだるく、時にエキセントリックな男女リード・ヴォーカル!
オープニング・ナンバー「Be Born Again」でのハモンドとファズ・ギターの熱すぎるソロの応酬は悶絶もののカッコ良さで、英国のブライアン・オーガー&ザ・トリニティに「俺たちが本場だ!」と言わんばかりの熱気。
ジャニス・ジョップリンやグレイス・スリックにも負けない挑発的なRobinのヴォーカルもたまりません。
サイケ・ファン必聴の名作ですね!
その後、バンドは休眠状態となり、SalloomとSinclairの2人はなんとナッシュビルへ!
ナッシュビルの名うてのセッション・ミュージシャン達によるグループ、AREA CODE 615のメンバーと交流を持ち、彼らをバックに起用し、デュオ名義で69年、2nd『SALLOOM-SINCLAIR』をリリースします。
プロデュースはチャーリー・マッコイ!
しなりの効いたタイト&シャープなリズム隊、青空を伸び伸びと駆け巡るようなペダル・スティールやブルース・ハープ、思わず体が揺れるコロコロとリズミックなギター&ピアノ、そして、堂々と歌い上げる男女リード・ヴォーカル。
キレのあるカントリー・ロック・アンサンブルとソウルフル&グルーヴィーなヴォーカルにグイグイと引き込まれます。
サイケな前作も名作でしたが、本作もルーツ・ロック一級品の名作!
その後は、カリフォルニアに戻り、CCRのマネージャーやベーシストと活動。1980年には故郷マサチューセッツに戻り、THE BANDやジョン・プラインやレオン・ラッセルとも共演するなど音楽活動を続けます。
90年代には、ニューヨークのインディペンデントな映画コンテストでも賞を取った監督Chris Sautterが、Roger Salloomのドキュメンタリー映画「So Glad I Made It, The Saga of Roger Salloom, America’s Best Unknown Songwriter」を作り、各地で公開され称賛されました。
そして今回、韓国BIG PINKよりいよいよ初期2作がリイシュー!
R&Bやブルースやソウルを根っこに持ち、サイケ~ルーツ・ロックと60年代末~70年代のロック黄金時代を駆け抜けた名ミュージシャンのサウンドをじっくりと味わいましょう。
なお、相方の女性Vo、Robin Sinclairは、デュオ作の後は、サンフランシスコに戻り、サイケ・バンドGOLDに加入しアルバムもリリース。
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