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マハビシュヌ・オーケストラ『火の鳥』- MEET THE SONGS 第80回

今日の「MEET THE SONGS」は、ジャズ/フュージョンの名グループ、マハビシュヌ・オーケストラが73年にリリースした2nd『火の鳥 Birds Of Fire』をピックアップいたしましょう。

メインストリームをロックに奪われたジャズ・シーンからのロック・シーンへの対抗(=ジャズの復権)を「フュージョン」と定義するならば、当時ロック・シーンで流行していたテクニカルなプログレッシヴ・ロックへの対抗の一番手がマハビシュヌ・オーケストラと言えるでしょう。

何と言ってもメンバーが凄くって、当時のジャズ・シーンきってのテクニシャンぞろい。

ジョン・マクラフリン(g)

英国出身で、アレクシス・コーナーを中心とするロンドンR&Bシーンで活動した後、アメリカに渡り、トニー・ウィリアムのライフタイムに参加。マイルス・バンドに参加し、エレクトリック・マイルス屈指の傑作『ビッチェズ・ブリュー』で一躍脚光を浴びる。

ビリー・コブハム(dr)

パナマ出身で、幼少時にNYに移住。65年~68年までUSアーミーバンドで演奏した後、マイルス・バンドに参加。『A Tribute To Jack Johnson』では、ジョン・マクラフリンとも共演。

ヤン・ハマー(key)

チェコ出身で、68年にアメリカへ渡り、バークレーで学んだキーボード奏者。ジェフ・ベックやサンタナなどロック・シーンの名ミュージシャンとの交流も特筆。

ジェリー・グッドマン(vln)

シカゴ出身で、シカゴ響の弦楽奏者を両親にもつエリート。FLOCKで活躍後、マハビシュヌ参加。

リック・リアード(b)

アイルランドはダブリン出身で、幼少時にニュージーランドに渡り、オーストラリアでバンド活動後、62年にイギリスへ渡り、ジャズ・ミュージシャンとして活躍。その後、ニューヨークへ渡りバークレーで学ぶ。

71年の華々しいデビュー作『内に秘めた炎』に続き、73年にリリースしたのが2nd『火の鳥』。

同年のロック・シーンと言えばプログレ黄金期で、プログレ・シーンを代表する傑作がずらり。

・キング・クリムゾン『太陽と戦慄』
・ピンク・フロイド『狂気』
・EL&P『恐怖の頭脳改革』
・ジェネシス『月影の騎士』
・イエス『海洋地形学の物語』

そんな中、「ジャズマンをなめんなよ」とばかりに、プログレの名バンドたちに挑戦状を叩きつけたのが『火の鳥』と言えるでしょう。

オープニング・ナンバーから、『太陽と戦慄』をも凌駕するほどのテンションが凄いです。

T1: Birds Of Fire

狂おしいばかりにアグレッシヴなギターとヴァイオリンのバトル!

ぶっといトーンでゴリゴリとフルピッキングで弾き倒すマクラフリンのギターと、鬼気迫るグッドマンのヴァイオリンとのユニゾンが放つ緊張感と迫力は唯一無比。

ドラムも凄まじくって、ジャズドラマーらしい圧倒的な手数とシャープネス、さらにツェッペリンのジョン・ボーナムばりの重量感もあって、ただただ「超人的」。

マグマにも大きな影響を与えているでしょうし、本作がなければ、2年後にリリースされるマグマ『ライヴ』もきっとなかったでしょう。

「テクニカルな攻撃性と緊張感」という点では音楽史上の最高到達点と言って過言ではありませんね。

試聴 Click!

T7: One Word

オープニングから、ビリー・コブハムの超人的ドラムがとんでもないことになっています。

ギターとヴァイオリンの狂おしいユニゾンと、そこに流麗に切れ込むヤン・ハマーのエレピ!

ダイナミックかつ浮遊感たっぷりのベース・ソロを終えると、ギター、ヴァイオリン、キーボードによる超絶的なインプロ・バトルへと突入。

変拍子のスリリングなキメで上りつめるラストまで、とにかくアグレッシヴに畳みかけまくります。

それにしても、す、すさまじすぎるテンション・・・。

プログレ・シーンでは、イエスが翌74年に『リレイヤー』をリリースしますが、この曲からの影響も大きかったでしょう。

試聴 Click!

ロック・シーンでもジャズ・シーンでも革新が起きた「1970年」。

ロック・シーンでは、ハード・ロック、プログレ、ジャズ・ロックの扉が開き、ジャズ・シーンでは、マイルスが『ビッチェズ・ブリュー』をリリースして、故ジョン・コルトレーンが確立したフリージャズを革新しました。

その後、年々、テクニック&楽曲の壮大さが増していき、これ以上ないというぐらいに進化を極めたのが「1973年」であり、その中でも頂点に君臨する傑作が『火の鳥』と言えるでしょう。

ジャンルを超えて音楽シーンに衝撃を与えた70年代屈指の大傑作!

—–

マハビシュヌ・オーケストラのファンにカケレコ一押しなのが、スペインのICEBERG!

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  • MAHAVISHNU ORCHESTRA / BIRDS OF FIRE

    73年発表の2nd、『火の鳥』の邦題でも親しまれる、テンションみなぎる傑作!

    マイルス・バンドで活躍した天才ギタリスト、ジョン・マクラフリンとドラマーのビリー・コブハムに加え、ヤン・ハマー(key)、リック・リアード(b)、ジェリー・グッドマン(vln)と、当時のジャズ界きってのテクニシャンによって結成されたフュージョン・シーンを代表するグループ。代表作と名高い73年の傑作2nd。ぶっといトーンでゴリゴリとフルピッキングで弾き倒すマクラフリンのギターと、鬼気迫るグッドマンのヴァイオリンとのユニゾンが放つ緊張感と迫力は唯一無比。ドラムも凄まじくって、ジャズドラマーらしい圧倒的な手数とシャープネス、さらにツェッペリンのジョン・ボーナムばりの重量感もあって、ただただ「超人的」。そこに流麗に切れ込むヤン・ハマーのエレピ、アグレッシヴに動くベースも超絶的だし、とにかく「テクニカルな緊張感」という点では、最高到達点と言えるアンサンブルを聴かせます。ジャンルを超えて音楽シーンに衝撃を与えた70年代屈指の大傑作!

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