2013年7月10日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: ロック&ポップス
ちょうど45年前、68年7月にリリースされたブリティッシュ・ロックの金字塔『クリーム/クリームの素晴らしき世界』をピックアップいたしましょう。
ヤードバーズのギタリストとしてロンドンのクラブ・シーンを湧かせ、ジョン・メイオールズ・ブルース・ブレイカーズにて英ブルース・ロック界のナンバーワン・ギタリストの地位を不動のものしたエリック・クラプトン。
ブルース・インコーポレイテッド~グレアム・ボンド・オーガニゼーションと渡りながら、ロンドンのR&Bシーンにて毎夜熱いインプロヴィゼーションを繰り広げ、腕を磨いたジンジャー・ベイカーとジャック・ブルース。
この3人が結成したスーパー・グループ、クリームが68年にリリースした3rdが、最高傑作の誉れ高い『クリームの素晴らしき世界』。
スタジオ盤とライヴ盤との2枚組で、ライヴ盤収録の名演「クロスロード」「スプーンフル」は言わずもがな、R&B、ブルース、ジャズ、クラシック、サイケなどを飲み込んだスタジオ盤は格別の素晴らしさですよね。
ジャック・ブルースとピート・ブラウンの名ソングライター・コンビによる名曲「White Room」で幕を開け、ハウリン・ウルフの曲を見事なブルース・ロックに仕立てた「Top Of The World」、英国然とした牧歌的なパートからサイケデリックなジャムへと雪崩れ込むジンジャー・ベイカー作の「Passing The time」、ツェッペリン『III』の世界を先取りしたようなアラビックなアコースティック・ナンバー「As You Said」と一気に畳みかけます。
沈み込むようなヘヴィネスがサバスなどの英ハード・ロックの源流といえる「Politician」、ラストのキャッチーかつテンションみなぎる「Deserted Cities Of The Heart」など名曲ぞろい。
3人の白熱のインプロとともに、英国然とした気品あるメロディもまた魅力で、プロデューサーのフェリックス・パパラルディによる管弦楽器のサイケデリックなアレンジもまた見事です。
60年代初頭からロンドンのクラブ・シーンで熟成されたR&B~ブルース・ロックの熱気がサイケデリックな空気に触れて一気に爆発し、英国全土はもとより海を渡り米国にも襲来した68年屈指の傑作。
この後は、メンバー間の不協和音が大きくなり、ザ・バンドの1st『ミュージック・フロム・ビック・ピンク』を聴いたクラプトンがブルース・ロックに見切りをつけたことで解散。
クラプトンは、ブラインド・フェイス~デレク&ザ・ドミノスとアーシーなスワンプ・ロックを追求していくことになります。
ジンジャー・ベイカーとジャック・ブルースは、70年代にそれぞれクリームばりのハードなトリオを結成します。クリームのファンはこちらもチェックどうぞ。
最後に、英ブルース・シーンの進化をまとめた潮流図をご紹介。
クリームに刺激を受けた本場アメリカのブルース・ロッカー達をフィーチャーした特集はこちら。
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