2022年7月1日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
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カケハシ・レコードです。
今週は全国的に驚くほどの熱さでしたね。
カケレコ事務所のある埼玉県寄居町は “暑い” で有名な熊谷や舘林といった地域にほど近く、びっくりするような暑さと戦った一週間でした。
皆さまがお住いの地域はいかがでしたでしょうか?
急な気温の上昇は体が慣れずに熱中症の危険が増すそうです。
節電も呼びかけられておりますが、どうぞご自愛ください。
それでは、今週入荷の注目作や新着情報をまとめてご紹介する『今週のカケレコ』、スタートです!
まずは今週の新着&注目作から参りましょう!
今週はイタリアから到着の新鋭バンドに大きな注目が集まりました。
VDGGの20枚組ボックスも入荷しております~!
D.Jackson、T.Travis、D.Cross、J.Davisonらが参加の22年作!幕開けはクリムゾン「Starless」のカバーで、コズミックでハイセンスな音響空間と、原曲本来の虚空を彷徨うような切ない旋律が違和感なく一体となっていて素晴らしい~!
ギターとピアノを軸とするダークな音世界と、メロトロンを伴った叙情派シンフォ展開が劇的に対比するスタイルは初期から変わらず孤高。インストながら、これぞイタリア!と思わせるダイナミックで雄弁な音の流れに圧倒されます…!
瑞々しいアコギの調べをヴァイオリンやフルートがクラシカルに彩る美麗なアンサンブルに乗り、丹念に歌い上げる英語ヴォーカル。木漏れ日差す欧州の森の情景が浮かび上がってきて、一曲目から早くも感動してしまいます。これは良いシンフォニック・フォーク・グループ!
Peter Hammill率いる孤高の英プログレ・グループ、CHARISMAレーベル在籍時代の作品や音源/映像をまとめた17CD+3BLU-RAYの20枚組ボックス!!未発表音源も含んだ40曲に及ぶボーナス・トラックにも注目です♪
新着タイトル以外にも、まだまだ人気の高い21~22年作がたっぷりとございます。
その中からスタッフが厳選した3作品をご紹介!
今作のテーマはなんと「西部劇」!ロシアのLITTLE TRAGEDIESやハンガリーのSOLARISを想起させる格調高く熱量高く畳みかけるシンフォ・サウンドとウェスタン映画の場面を想起させるSEが絶妙にマッチした痛快作です!
GENESIS&CAMELを受け継ぐ、どこまでも瑞々しくファンタジックなメロディアス・シンフォニック・ロックに心躍ること間違いなし!CAMELのキーボーディストに抜擢された才能が、持ち前の演奏技術とメロディセンスを惜しみなく注ぎ込んだ会心作!
カンタベリー・ロック彷彿の緻密かつ流麗な音使いと南米らしい芳醇なメロウネスが溶けあったジャズ・ロックは、今作でも絶品の一言。アルゼンチンのみならず現南米で最も注目に値するジャズ・ロック・バンドによる待望4th!!
来週のカケレコは以下タイトルの入荷を予定しております!
※輸送状況などにより、入荷日が前後する可能性がございますのでご了承ください。
・BOB SEGER SYSTEM/NOAH
・FORMERLY FAT HARRY/FORMERLY FAT HARRY
・MORNING/MORNING
・THE NITE-LITERS/MORNING, NOON & THE NITE-LITERS
・STUD/SEPTEMBER
・NUCLEUS / Snakehips Etceter
・MINIMUM VITAL / Live Minnuendo 2021 CD & DVD
それでは、来週もよろしくお願いいたします!
2014年デビュー、アルゼンチンはブエノスアイレス出身の4人組ジャズ・ロック/フュージョン・グループによる21年作4thアルバム。カンタベリー・ロック彷彿の緻密かつ流麗な音使いと南米らしい芳醇なメロウネスが溶けあったジャズ・ロックは、今作でも絶品の一言。ジャジーなタッチにタンゴのリズミカルさを合わせたようなドラムと歌心を感じる豊かな鳴りのベースによるしなやかなリズムに乗って、リリカルで柔らかなタッチのピアノ、フィル・ミラー彷彿のシャープなトーンのギターが美しい音運びで躍動する、端正かつほのかにファンタジックなアンサンブルに終始耳を奪われます。南米らしいフレイヴァーもたっぷりで、バンドネオンを伴った哀愁のタンゴ・ジャズや、ピアノがリードするボサノヴァ調の軽やかでお洒落なナンバーなど、バンド本来のクールな佇まいはそのままにクルクルと豊かに表情を変化させていく演奏が見事です。一瞬も淀みなく紡がれていく美しく情感あふれるアンサンブルに心が躍る南米ジャズ・ロックの名品。カンタベリー・ロック・ファンには是非お勧めです。
フィンランド/イタリア/アメリカ出身のミュージシャン3人を中心に結成された多国籍シンフォ・グループの2022年作。本作は、リーダーであるMarco Bernardが編集担当を務めていたフィンランドのプログレ・ファンジン「COLOSSUS」と、仏MUSEAレコードの共同企画としてリリースされていた『THE SPAGHETTI EPIC』シリーズの第4弾。前3作は複数アーティストが参加したオムニバス作品でしたが、今回はSOP単独での作品となります。タイトルやジャケットからも分かるようにウェスタン映画を題材にしたコンセプト作で、従来のSOPらしいファンタスティックさと荘厳さが入り混じるスケール大きなシンフォを聴かせつつも、口笛/風/銃声/酒場での様子などを表現するSE、掛け声、荒野を馬で駆けるような勇ましいリズム隊のプレイ等が挿入された演出も楽しい一枚となっています。近作と同じくロシアのLITTLE TRAGEDIESやハンガリーのSOLARISを想起させる、アグレッシヴにうねるシンセを主役にヴァイオリンやフルートも躍動するシンフォ・サウンドをメインに格調高く熱量高く畳みかけていくサウンドはいつもながら圧巻。そんな圧倒的スケールにシンフォと西部劇テイストというミスマッチなはずの要素がちゃんと共存しているのが特筆。普段のSOP通りであるはずの泣きのギターが醸し出す哀愁やピアノの流麗なタッチが、西部劇的世界観にマッチして聴こえてくるのがとても面白いです。異色のテーマを扱った作品ですが、これまでのSOPを気に入っているなら本作も絶対楽しめます!
イタリアの新鋭シンフォニック・フォーク・グループによる22年作。瑞々しいアコースティック・ギターの調べをヴァイオリンやフルートがクラシカルに彩る美麗なアコースティック・アンサンブルに乗り、丹念に歌い上げる英語ヴォーカル。木漏れ日差す欧州の森の情景が浮かび上がってきて、一曲目から早くも感動してしまいます。ため息が出るほどメロディアスな旋律の美しさも特筆です。北欧トラッドあたりがお好きな方にもおすすめできる、柔らかな神秘性が心地よい名品!
1980年英ノッティンガムシャー出身、生まれて間もなく病気で視力を失ったマルチ・ミュージシャン&コンポーザーで、現在はあのキャメルの鍵盤奏者としても活躍するPeter Jonesによるソロ・プロジェクト。タイトルのとおり「春」をコンセプトにした22年作!前作は弦楽クインテットとの共演によるバラード系アルバムでしたが、今作は元来のTMTらしさが抜群に発揮された、GENESIS&CAMELを受け継ぐどこまでも瑞々しくファンタジックなメロディアス・シンフォニック・ロックを展開します。シンセが柔らかに美旋律を描き、アコースティック・ギターが煌めき、フルートやサックスが色彩を加えるGENESIS譲りの英国的気品たっぷりのサウンドを土台に、エレキギターのプレイに象徴されるCAMELのメロウな叙情表現を合わせたような珠玉の音世界は、相変わらず感動的なまでにファンタスティック。そして何と言っても、MOON SAFARIばりに清涼感いっぱいでフックに富んだメロディを歌い上げる、Peter Gabrielを彷彿させつつどこまでもクリアな美声ヴォーカルがいつもながら絶品です。1曲目「Spring Fever」はそんなTMTの音楽性を凝縮したナンバーで、緑が豊かに芽吹いていくようなテーマ通りのイメージを喚起させる名曲。『Trick Of The Tail』に入ってそうな「Mad March Hare」やビリー・ジョエルばりのピアノ弾き語り「The Goddess And The Green Man」なんかも素晴らしい。そして15分に及ぶ最終曲ではバンドメイトである御大Andy Latimerが参加、天上に響くような極上ソロを提供していて聴きものです。改めて、GENESIS&CAMELファンにとっては奇跡のような逸材であることを見せつける傑作!
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