2012年7月13日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
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こんにちは、カケハシ・レコードの佐藤です。
本日もカケレコ一押しの新譜・中古をピックアップしてまいります。
ではまずは新譜からご紹介いたしましょう。
今や名実ともに現代プログレを代表するバンドの一つとなった、スウェーデンの新鋭プログレ・バンドOVERHEADの12年作『OF SUN AND MOON』です。
本作は実に4年ぶりの新作となるのですが、シンフォニックな広がりを持つ感動的な作風を強めていた前作に比べヘヴィーかつスタイリッシュな演奏を主としている点で、05年作『METAEPITOME』がお好きな方には特にオススメな内容となっています。ではそのオープニングを飾る一曲をお聴きください。
高密度の轟音サウンドの中をヘヴィーなギターが唸りを上げる冒頭から、ファンにとっては来た来たっ!という感じですよね。ヘヴィーでパワフルなギター・サウンドと現代プログレでも稀に見るスタイリッシュな歌唱によって織り成される、OVERHEADならではの世界観に見事なまでに引き込まれてしまう一曲です。
前作に顕著だったシンフォニックな音使いを、ヘヴィーなサウンドの中にごく自然に溶けこませる手腕も本作での特筆すべき点のひとつ。轟音のリフを繰り出すギターとそれにリリカルな音色で応じるピアノ、シンセサイザーとのコンビネーションは本作においてますます冴え渡っています。
静の場面での朗々とした歌唱から動の場面での力強い歌唱まで、終始ロック的なパッションに満ちたパフォーマンスを披露するヴォーカルも相変わらずの素晴らしさ。このヴォーカルの存在に魅了された方も少なくないのではないでしょうか。
これは4年の間に高まっていた期待を大きく上回る傑作を届けてくれました。やはり見込みどおり期待を裏切らないバンドでしたよね。今後の活躍にもぜひ注目していきたいところです。
さて続いてはこのOVERHEADの強烈な一枚に対抗しうる、ヘヴィー・プログレ作品を中古棚より探してきたいと思います!
まずは・・と、
・・・ガサゴソ・・・
こちらなどいかがでしょう。英国出身、おそらく現代プログレ・バンドの中では最も人気が高いバンド、PORCUPINE TREEによる09年作『INCIDENT』をピックアップ!
爽やかなアコギの音色とジェントルな味わいを持つヴォーカルが絡む幻想的な導入部。次第にリズムと重厚なギターが加わって、アンサンブルはシリアスさを増していきます。そこから一転して展開される、ハードなギターが空間を覆い尽くすアンサンブルがたまらなくカッコいいですよね~。
さすがはあのROBERT FRIPPが見初めたバンド。発足自体は80年代末と、決して新鋭というわけではないのですが、ヘヴィーかつ重厚な音楽性ながらも同時に瑞々しさを持った明度の高い音使いが特徴的です。さて、もうそろそろ新作が出てもいい頃なんじゃないでしょうか。楽しみに待ちたいですよね。
さあ、次にまいりましょう。
・・・ガサゴソ・・・
おっと、これはPORCUPINE TREEと双璧をなすヘヴィー・プログレ・バンド、ポーランドのRIVERSIDEの03年デビュー作『OUT OF MYSELF』を発見いたしましたよ。
ゴシック調プログレ・メタルといった趣の音楽性を持つバンドなのですが、そういう楽曲の合間にこんなにも美しく幻想性に溢れるシンフォニック・ロックを聴かせてくれるのですから、プログレ・ファンからの評価が高いのも納得ですね。東欧プログレとも通じる陰影を滲ませる切ないメロディーラインも素晴らしいです。
現代プログレ界においては定盤といっても良いラインナップでお送りいたしましたが、聴き漏らしはありませんでしたか?他にもカケレコ中古棚にはヘヴィー・プログレの定盤・隠れ名盤が数多く眠っているはずですので、ぜひとも探索を楽しんでみていただきたいと思います!
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