2020年1月17日 | カテゴリー:カケレコ中古棚探検隊,世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフ増田です。
2020年に突入して早半月。今年の新譜の「20年作」という書き方に未だに慣れない今日この頃です…。
さて、中古棚から「これは!」という作品をピックアップしてご紹介する『カケレコ中古棚探検隊』。本日は個人的に「おっ」と思った紙ジャケ作品を6枚ピックアップしてまいります。
このジャケ、かのロジャー・ディーンの初作品なんですよね。サイケデリック・ロックをラウド化し、さらにプログレッシヴ・ロックへの流れとも呼応した荘厳なサウンドは、69年とは思えない完成度。元祖英ハードの名作!
続いてはこちら。ちょっぴり哀愁漂うメロディにゴージャスな管弦楽器アレンジが光る「Parisian Cafe Blue」、名曲だなあ。マイナーながら、10ccやセイラーとも並ぶクオリティを誇る英モダン・ポップ・ユニット75年作!
こちらはアナログ盤や紙ジャケットならではの「円形ジャケ」に惹かれました。70年の米TVショーから誕生した4人組なのですが、これがサジタリウスも思わせる優しくドリーミーなメロディてんこ盛りのソフト・ロック名盤!
円形ジャケと言えばこちらも入ってますよ!艶のある女性ヴォーカルとクラシカルなヴァイオリンを特徴とする英国プログレ・バンド、インパクト抜群のデビュー作!
CURVED AIRなどヴァイオリン・プログレ好きならこのバンドも是非チェックして頂きたいです。鬼才ヴァイオリニストMarcus Viana率いるブラジリアン・シンフォ、優美さと壮大なスケールという個性が既に発揮された85年作1st!
最後は北米シンフォの名グループによるこちらの77年作2nd。北米プログレというとKANSASなどの爽快感あるバンドが思い浮かびますが、彼らはYESやGENESISからの影響をベースにした、繊細でちょっぴり湿り気のある英国的なサウンドが特色。1stよりも多少ポップ・テイストを取り入れつつ、相変わらずのテクニカルな演奏やファンタジックな質感が素晴らしい一枚です。
英国出身、女性ヴォーカルSonja KristinaとヴァイオリニストDarryl Wayを擁するロック・グループによる70年作1st。ロックに弦楽器であるヴァイオリンを全面的に採用した初めてのグループ。本作は初期に残した3枚の中で最もヴァイオリンが活躍、クラシカル・ロック度が高い内容です。オープニング曲「It Happened Today」は焦燥感を掻き立てるギター・リフに妖しくも艶やかな女性ヴォーカルが映えるパワフルな導入から、一転清楚なヴァイオリン・パートへと変貌するドラマティックなナンバー。「Vivaldi」では超絶テクを披露するクラシカルなヴァイオリンが時に優雅に、時にノイジーに弾きまくり、目まぐるしく表情を変えるスリリングなインストゥルメンタルを展開。上記2曲を始め「完全に溶け合わないからこそ」の破天荒なクラシカル・ロックが楽しめる楽曲が目白押しです。初期衝動がこれでもか、と伝わるインパクト抜群の一枚。
ヴァイオリニストMarcus Viana率いるグループ、85年作1st。流麗なヴァイオリンとキーボードを中心とした、ラテン音楽出身ならではのおおらかな味わいを持ったシンフォニック・ロックを特徴としており、その個性は既に本作で確立されています。優しく包み込むようなピアノと幻想的で情緒溢れるヴァイオリンを中心に、フルート、アコースティック・ギターが加わるファンタステイックなアンサンブルが魅力的。甘い歌声の男性ヴォーカル、裏声を巧みに使い、美声を響かせる女性ヴォーカルの二人は時にリードを分け合い、時に混成コーラスとしてロマンティックな楽曲を見事に装飾しています。スケールの大きな南米シンフォの逸品。
KANSASに代表される抜けの良いキャッチーなアメリカン・プログレ・ハードとは全く違い、YESやGENESISなどからの影響をベースにし、英国然とした湿り気と気品を持ったファンタジックなサウンドを聴かせるアメリカを代表するシンフォニック・ロックグループの77年2nd。キーボーディストの1人が脱退してしまうものの、基本的な路線は前作からの流れを持った英国然としたシンフォニック・ロックであり、前作より多少ポップ・テイストと、楽曲によってはフュージョン的なアプローチも見せています。やはりテクニカルで構築的なサウンドとファンタジックな質感が素晴らしい1枚。
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