2019年5月11日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
元号も移り変わって早10日。そろそろ「令和」にも慣れてきた頃でしょうか?
時代は変化していきますが、輝かしい思い出はいつまでも色褪せないもの。新鮮で、画期的なロック・ミュージックが次々と花開いていったあの「ロック黄金時代」もまた、半世紀経っても我々を魅了し続けています。
ということで募集企画「私の1969年ベスト・アルバム」結果発表!カケレコ・ユーザーの素敵なコメントと共に、今から50年前に誕生した名盤に思いを馳せてみて下さいね。
当然後追いなのですが、私がビートルズを知った頃はえらくこのアルバムの評価が高かった記憶があります。
内情はどうあれ、確実に言えるのはビートルズは最後まで時代を先取りしていた?AORのはしりだったのです。今にして思えば。
by のぶはるさん
数ある1969年の名盤の中で最もコメントを頂いたのはBEATLES最後のアルバム『ABBEY ROAD』でした。まさに有終の美と言える、もの哀しくも圧巻の傑作。シングル曲で構成されたA面も名曲揃いですが、最後の「The End」へ向かっていくB面のメドレーを聴くと、なんとも言えぬ虚無感に襲われますよね。彼らが時代の寵児として世間を動かしていった60年代の終わりを象徴するようなアルバムです。
BEATLESが終焉を迎える一方、新たな時代の幕開けを象徴するのがKING CRIMSONの『宮殿』。コメントを下さった皆様のおっしゃる通り世代やプログレッシヴ・ロックというジャンルを超越して聴く者すべてに衝撃を与え続ける本作ですが、やはりこんなアルバムが誕生したのも69年という混沌の時代のエナジーあってこそなのでしょうか。もちろん後追いの私たちが聴いてもとんでもない作品ではありますが、当時70年前後に本作と出会っていたらどれほどの驚きだったのか気になる所です。
いいなあ!…おっと、思わず本音が漏れてしまいました。70年代と言えばプログレッシヴ・ロックとハード・ロックが未知なる地平を切り開いていった時代、そのハード・ロック・サイドの出発点と言えばLED ZEPPELINの1st。未だかつてないそそり立つような音圧と重量感…。もちろんここから彼らはさらに進化していく訳ですが、この時点で「完璧!」と唸ってしまいますよね。
こちらもリアルタイムを経験されたベテラン・リスナーからのご投稿です!彼らの全盛期にリリースされたロック・オペラ名作、『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡』。今となっては60年代のブリティッシュ・インヴェイジョンを代表する重要グループの一つですが、当時は「知る人ぞ知るバンド」的扱いだったのですね。そんな中テレビで突然KINKSの楽曲が流れたりしたら、喜びも納得です。そしてさすがモップス!
英国のシンガーソングライター、ニック・ドレイクのデビュー作。質の高い作品を残しつつも評価されず74年に26歳の若さで亡くなり、80年代になってようやく再評価の波が高まったという彼ですが、この方はその前から彼の作品に出会っていたのですね。デビューから50年という記念すべき年に彼のお墓参りに行くとは、大変羨ましいです。
彼の死の前年に行われたウッドストック・フェスティバル。魂の絶叫のようなソロ演奏「Star Spangled Banner」から轟音の「Purple Haze」への流れはロック史に残る名演ですよね。それにしてもジミヘンやジャニス、そしてジム・モリスンのような熱狂的な人気を誇ったカリスマ達が70年代に入ってその役目を終えたように続々と世を去ってしまうのは、本当に60年代と70年代に音楽だけではない何か大きな隔たりがあるかのようです。
元祖シスコ・サイケ・バンド、シャーラタンズに在籍していたダン・ヒックスが結成したDAN HICKS & HIS HOT LICKSのデビュー作。ジャズやフォーク、カントリーなど様々なジャンルを包含した、洒脱かつ複雑性に富んだサウンドはこれまた「プログレッシヴ」です。
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1969年に発表されたデビュー・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』は、プログレッシヴ・ロックのスタート地点となった大名盤であり、プログレッシヴ・ロックを聴くならまずはこのアルバムからと断言できる作品です。メンバーはギタリストRobert Fripp、ベース・ヴォーカリストGreg Lake、ドラマーMichael Giles、管楽器に加えて鍵盤楽器(メロトロン)も担当するIan McDonald、そして作詞家Peter Sinfieldという布陣。「21世紀のスキッツォイド・マン」のオープニングから緊張感のある変拍子アンサンブルやユニゾン・フレーズが畳み掛け、「風に語りて」では牧歌的でありながら浮世離れした音世界を構築。“混沌こそ我が墓碑銘”の一節があまりに有名な「エピタフ (墓碑銘)」と、同じくリリックの幻想美に酔いしれる「ムーンチャイルド」を経て、メロトロンの洪水に溺れるシンフォニックな最終曲「クリムゾン・キングの宮殿」へ。“THE BEATLESの『Abbey Road』をチャート・トップから陥落させた”というエピソードの真偽はともかくとして、プログレッシヴ・ロック時代の幕開けを告げる衝撃的な作品であることは間違いありません。『クリムゾン・キングの宮殿』に触れずにプログレッシヴ・ロックを語ることは、まず不可能でしょう。
紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、ブックレット・ステッカー付仕様、定価2500+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
若干圧痕あり
ブルース・ロックからハード・ロックへの流れの中で、圧倒的な音圧で他のバンドをなぎ倒し、一気にシーンの先頭へと躍り出た怪物デビュー作。冴え渡るJimmy Pageのギター・リフ、Robert Plantの超絶シャウト・ヴォーカル、鋼のようなリズム隊。たった4人で生み出しているとは信じられない鋼鉄のサウンドで迫る傑作。
ペーパーケース仕様、69年の未発表ライヴ音源収録ディスクを含む2枚組、ジミー・ペイジ監修による14年デジタル・リマスター、外ビニール裏に曲目シール付仕様、定価2800+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
「GET BACK」セッションが空中分解し、バラバラになってしまったビートルズ。「昔のように結束して作ろう」というポールの呼びかけに応じ、メンバーみんなが「ビートルズ最後」を意識しながら録音された悲壮感溢れる傑作。特筆すべきは、B面のメドレー。数々の音の断片が、時にダイナミックに、時に優雅につながり、最後まで流れるように聴かせています。ビートルズ最後で最高の名演と言えるでしょう。昔、このメドレーのギターをコピーしたことがありますが、楽曲の彩り豊かさからは想像できないシンプルなフレーズに驚きました。各フレーズはシンプルに洗練されつつも、バンドになると輝きが倍増する。やはり唯一無比のグループです。シングル曲で構成されたA面も見事。特にジョージの2曲、「SOMETHING」「HERE COMES THE SUN」は、彼の生涯でもベストと言える名曲。
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