2019年3月14日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: サイケ
スタッフ増田です。
春も近付き暖かくなってきて、近頃はついつい昼間でも猛烈な眠気に襲われてしまう…という方も多いことでしょう。
今回はそんな季節にピッタリの、心地良くも不思議な夢の中のごときストレンジ・サイケ・ポップやサイケ・フォークをピックアップしてみました。
夏もサイケ、冬もサイケ、そして春もまたサイケの季節です。
まずはカンタベリー・ロックの代表的グループ、SOFT MACHINEの68年1st/69年2ndから。
技巧的で知的なジャズ・ロックのイメージが強いですが、初期カンタベリー・ロックはストレンジなサイケ・ポップの宝庫なんですよね。
3人の才能と演奏が互いを食わんばかりにぶつかり合う衝撃作。故エアーズのユーモア溢れる感性もすでに光ってます。
そんなエアーズのソロもご紹介しておきましょう。70年ソロデビュー作。
底抜けに陽気でサイケデリック、でも同時にそこはかとなく滲み出すダークな哀愁。彼独特の世界観が見事に開花した名作ですね。
ビートルズのアップル・ブティックのデザインや、ジミヘン、ザ・ムーブ、ISBなどのアートワークで知られるデザイン集団で、プロデュースはホリーズのグレアム・ナッシュ!?
ジャケ通りのカラフルでストレンジなサイケ・ポップ・サウンドが聴ける69年唯一作。
後にマイク・オールドフィールド『チューブラー・ベルズ』のプロデュースで名を馳せるトム・ニューマンが、「独自のサウンドを確立するために山にこもって修行した」上で録音したという一枚。
ニューマンの「音」に対する偏執狂っぷりとバンドのハイな演奏がの混ざり具合が絶妙の英アングラ・サイケ・ポップ迷盤ですね。
そんなジュライが好きならこちらもおすすめ。
英国モッズ・シーンの顔役、Zoot Moneyがビッグ・ロール・バンド解散後に結成したサイケ・ポップ・グループの67年作。
力強いアンサンブルにカラフルでサイケな味付けを施しつつ、どこか陰気で混沌とした雰囲気が漂っていてくせになります。
そんなジュライが好きならこちらもおすすめ、その2。
ポール・マッカートニーが『サージェント・ペパーズ』~『ホワイト・アルバム』で音楽的に上り詰める一方で、その実の弟マイク・マクギアは、こんな英アングラ・サイケを出していたとは・・・。
兄ポールにジミヘン、グレアム・ナッシュやスペンサー・デイヴィスなど超豪華なゲストを迎えつつ、グルグルと音像渦巻く実験精神たっぷりのサイケ・ポップを展開するこちらも迷盤。
英国ばかりになってしまったので、ここらでドイツのサイケ・ポップをご紹介。
華やかなホーン・アレンジ、美しいハーモニー、奇跡的なメロディ、そしてジャーマンならではの悪戯っぽい実験/ユーモアと凝った音響処理。
発禁になりそうなジャケですが、内容は驚くべき完成度の逸品!
最後は米国から、サイケ・フォークの奥底に沈んでいたこんな69年作をご紹介。
ルーツ色濃厚なカントリー・フォークをベースに、フリーキーなサックス等のスリリングなジャズ要素、エキゾチックな民族要素、アヴァンギャルドな実験性を織り込んで緊張感たっぷりに展開するアンサンブルは実に個性的…。
妖艶な女性ヴォーカルも相まって、どこか奇妙な世界に来てしまったかのような錯覚に陥るキケンな一枚です。
68年発表のトム・ニューマン率いるジュライの1stアルバム。トム・ニューマンと言えばマイク・オールドフィールド「チューブラー・ベルズ」のプロデューサーとして有名な、初期Virginレーベルを支えた奇才。そんな彼が輝かしいキャリアをスタートさせたのが本作です。「独自のサウンドを確立するために山にこもって修行していた」なんてライナーに書いてありますが、それも嘘ではなさそうな、「音」にたいする偏執狂ぶりが存分に堪能できるアングラ・サイケ・ポップ。テープ逆回転、タブラ、シタールによるだら〜んとした雰囲気と、バンドによるハイな演奏の混ざり具合が絶妙の一枚。ぶっ飛びますLP。
72年にドイツVERTIGOからリリースされた傑作2nd『IMPRESSIONS ON READING ALDOUS HUXLEY』で知られるジャーマン・サイケ・グループ。Dicky Tarrach(ex.RATTLES)、Herb Geller(ex.CLIFFORD BROWN GROUP)といった多国籍なメンバー構成。本作は、70年にPOLYDORからリリースされた彼らのデビュー作。実験的でアヴァンギャルドな印象の強い2ndからも随所で垣間見ることのできる、彼らの非凡な「ポップ・センス」が全面に押し出されたサイケ・ポップ作。華やかなホーン・アレンジ、美しいハーモニー、奇跡的なメロディ、そしてジャーマンならではの悪戯っぽい実験/ユーモアと、凝った音響処理。時代的にはちょっと前後しますが、「英米のサイケ・ポップなんかに負けらんねえぞ」といった挑発的な姿勢が、サウンドにもジャケットにも顕れているような気がします。ジャーマン・サイケの印象を覆すとも言える、ハイクオリティなサイケ「ポップ」作。
Zoot Moneyがビッグ・ロール・バンド解散後に結成したサイケ・ポップ・グループ。67年作。シタール、テープ逆回転などでカラフルな味付けを施していますが、マニーの歪んだオルガンをはじめ、バンド演奏自体はビッグ・ロール・バンドの延長線上にある力強さ。どこか陰気で混沌としたサウンドは、Julyなどに近いかもしれません。ギターはなんと、後にポリスに参加するアンディ・サマーズ。
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