2018年12月13日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ新鋭
スタッフ増田です。いよいよようやく冬本番と言った今日この頃ですね。
寒風身に染みる季節ですが、こんな季節は氷のように冷ややかで神秘的なエレクトロ・プログレが意外とマッチするんです。
という訳で、今回のテーマはカケレコでも段々と人気を博し始めた(!?)「エレクトロ&アンビエント的要素を持った現代のプログレ」!
モダンでありつつもTANGERINE DREAMやKLAUS SCHULZEなど70年代ジャーマン・エレクトロ・ミュージックからの影響を確かに感じさせる、オススメの好グループをセレクトいたしましたのでどうぞお楽しみ下さい。
まずは北欧のレジェンドRoine Stoltと共にTANGENTを率いる才人key奏者、Andy Tillisonによる注目のニューバンド。
ジャーマン・エレクトロを咀嚼しつつ、シンフォ的な暖かみやアコギ、ピアノなどのアコースティカルな音色も取り入れた、独自のエレクトロニック・プログレを聴かせる注目の一作です。
視聴はこちら↓
https://kalmanfilter.bandcamp.com/album/exo-oceans
これぞジャーマン・エレクトロ meets 北欧シンフォ!?
HARMONIA、後期TANGERINE DREAMを思わせるうねりあるシンセ/シーケンサーに透明感あふれるフルートやクラリネットなどの管楽器が重なり、ハートウォーミングに広がっていく音世界が実にGOOD!
現北欧シーンの重要人物たちが集結したプロジェクト、17年の傑作デビュー盤!
英・米・イタリア出身の3人のミュージシャンにより結成されたプログレ・グループ、18年デビュー作。
TANGERINE DREAMやPOPOL VUH影響下の神秘性、マイク・オールドフィールドの壮大さにポスト・ロック的モダンさも取り入れた、穏やかで煌びやかな音世界が心地良いなあ。
現代ポーランド屈指のシンフォ・バンドALBIONのギタリストによる16年作2ndソロ。
空間を艶やかに彩るシンセ、叙情的なロングトーンを響かせるギター、そして神秘的な女性ヴォーカルのコーラスワーク・・・。
映像喚起的な幻想エレクトロ・シンフォニック・ロックとでも言えちゃう!?
同じくポーランド出身のコンポーザーによる18年作6th。
TANGERINE DREAMやVANGELISに影響を受けたとのことですが、艷やかなトーンのシンセを中心とする各種キーボードとエレクトロニクスを重ね合わせて作り上げられた、クリアかつ深遠な音世界はいかにもポーランドらしいなあ。
愛らしさとミステリアスさを備えた女性ヴォーカルも絶品。
近年のIL BALLETTO DI BRONZOへの参加でも知られるドラマー率いるイタリア新鋭ギター・トリオ、17年デビュー作。
アンビエントな音響を随所で用いた静謐な世界観をバックに、テクニカルかつ流麗に駆け抜ける涼やかなトーンのギターが美しい・・・!
フレンチ・プログレ・バンドPRIAMのギタリストChris Casagrandeを中心に結成されたバンドの17年作。
打ち込みとデジタルなシンセサイザーを縦横に駆使したエレクトロ/アンビエントなサウンドと流麗なギタープレイが合わさったスタイリッシュなシンフォニック・ロック。
合間に入るコンテンポラリー・トラッドな楽曲も素晴らしい対比をなしています。
次はWHITE WILLOW、元ANGLAGARD、英HENRY FOOLのメンバーらによるグループの18年作!
幻想的なエレクトロを取り入れつつ、優しく揺らめくギターや優雅なフルート、そして煌びやかなキーボードが瑞々しくファンタスティックな色合いを生み出していて絶品。
GENESISも滲ませる色彩豊かなファンタジーと、北欧らしい透明度高く繊細な音作りが見事に融合した傑作です!
あのMostly Autumnのキーボーディストによる新グループ!
エレクトロニクスを散りばめたモダンな音作りと、ピアノを軸とする凛と静謐な音空間をセンス良く織り込んだ、英国らしい格調高さと浮遊感に満ちた良質なシンフォを奏でます。
アンビエント/エレクトロニカに通ずる洗練された音響と、メランコリックながらも暖かみに満ちた優美なメロディの対比が美しいなあ。
透明感溢れる女性ヴォーカルをフィーチャーした英国新鋭メロディック・ロックの逸品です。
PARALLEL OR 90 DEGREEやTANGENTを率いるキーボード奏者Andy Tillisonによるニューバンド、14分、18分、42分という大作3曲で構成された18年作。アナログ・シンセサイザーによって描かれる、TANGERINE DREAM彷彿の波打つようなエレクトロニック・サウンドを土台に、鋭角的に切り込むギターやグルーヴィーなオルガン、前衛色あるクラシカルなピアノなどが躍動する、スタイリッシュにしてどこかヴィンテージな温かみも備えたオリジナリティに富んだプログレを構築しています。ほぼすべてのパートを自身で演奏している点にも才能を発揮。鬼才Andy Tillisonならではと言える孤高の音世界が広がる、ジャーマン・エレクトロ・ファンにもオススメしたい一枚!
フレンチ・プログレ/ジャズ・ロック・バンドPRIAMのギタリストChris Casagrandeを中心に結成されたバンド、17年作。打ち込みとデジタルなシンセサイザーを縱?に駆使したエレクトロ/アンビエントなサウンドをベースに、自身による流麗なギタープレイがリードするモダン・シンフォニック・ロックを展開。そこはかとなく漂ってくる薄暗くも耽美な幻想性にフレンチ・プログレ的感性が発揮されています。美声の女性ヴォーカルと男性ヴォーカルが美しく対比するデュエットの歌唱も聴きどころ。一方で瑞々しいアコースティックギターの調べが耳に残る、バンド・アンサンブルによるコンテンポラリー・トラッド調のナンバーも合間に挿入されていて、エレクトロニクスを導入したシリアスで無機的なサウンドとヒューマンな温かみに溢れる生楽器のサウンドが違和感なく共存しているのが見事。ストーリーを感じさせる曲の構成も非常に巧みで、知らず知らずのうちに世界観に引き込まれてしまう魅力を持った力作です。
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