2018年10月1日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
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2018年9月の新品CD月間ベストセラーTOP20を発表いたします!
今回も世界のプログレ/ロックを扱うカケレコらしく、各国より力作がランクインしていますね~☆
試聴しながら、人気作品をチェックしてみてください☆
2ヶ月連続の首位を獲得したのが、ANDWELLAを率いた名SSWによる78年作3rd!洗練されたAORタッチの中に土の香りがするスワンプ/フォークロックをブレンドした極上メロウ・スワンプ盤で、英国らしい憂いをたっぷり含んだメロディと歌声がたまんないなぁ。それにしても凄い才能ですよ…。
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フックに富んだソングライティング能力と独特の味わい深い歌声を特徴とするDave Lewisの魅力を存分に堪能できる2作品のCD化を祝して、天才Dave Lewisの歩みを辿ってみたいと思います!
名盤『GARDEN SHED』で知られるグループによる、09年リリースEPの4曲に初披露楽曲など6曲を加えた18年作!ややポップではあるものの、あの魔法にかかったようなファンタスティックさもたっぷりで、往年のファンも感慨深く聴き入ってしまうはず!
ADRIAN BELEW POWER TRIOの女性ベーシストをはじめ、世界中から集まった10人の実力派ミュージシャンが織り成すドラマチックなアヴァン・プログレ。ラフマニノフなど近現代クラシックを彷彿とさせるピアノが躍動する、強靭でいて端正な気品の漂うサウンドが実にCOOL!
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KAKERECO DISC GUIDE、今回は世界中の10名の実力派ミュージシャンによるクラシカルなアヴァン・プログレ・プロジェクト、TROOTの18年作をご紹介いたします!
なんと崇高で格調高いピアノの演奏だろう…。と、うっとりしていると、ヘヴィなギターが鳴り響き、物語が劇的に動き出します。フランスらしいゴシックで耽美な雰囲気たっぷりのフレンチ・プログレ18年作!
78年に名作を残したアルゼンチンのグループから40年ぶりに届けられた2nd!ギター、サックス、ヴァイオリン、フルートらが紡ぐ、重厚にして妖しげな魅力を纏った彼らならではの音世界が広がってきて1曲目から感動しちゃいます!
BOB MARLEYの『EXODUS』にも参加したギタリストHanson率いる英国ファンク・ロック・グループ!名ベーシストNeil Murrayの地を這うグルーヴと、Hansonのキレのあるワウ・ギターがスピーディーに絡み合うサウンドにシビれまくりの名作2ndです!
KARFAGENでお馴染みの才人Antony Kaluginの別働プロジェクトによる18年作!フラワー・キングスからの影響もあるゆったりとスケール大きなメロディを主役に、これでもかとファンタジックに織り上げていくメロディアス・プログレに感涙~!
柔らかく美しい女性ボーカルがたまらない!アグレッシブなリズムで躍動する、スラヴ民謡ロック。
アメリカのベテラン・シンフォ・グループによる7年ぶりの10thアルバム!気品高いピアノやメロトロン、優雅なキーボード・オーケストレーションが彩るアンサンブルに、美声フィメール・ヴォーカルが艷やかな歌声を乗せる、アーティスティックかつシアトリカルなサウンドが感動的!
手数多くシャープに畳み掛けるアンサンブルと印象的なメロディメイクを特徴とする、ARTI E MESTIERIタイプと言えるジャズ・ロックを展開するフランスの隠れた名ジャズ・ロック・バンド。メロディアスながらも緊張感を途切らせない演奏が見事!
ポストロック、アンビエント色を織り交ぜた凛とした叙情美を放つ米新鋭プログレ。無駄なく洗練された展開の中にも確かに息づいた70年代エッセンスが好印象。「静」の演出力にかけては近年のアメリカのバンドでも屈指!
美旋律プログレの宝庫イスラエルでも最高峰と言えるミュージシャン3人が組んだバンドと言えば?神秘的なヘブライ語の響きとこの柔らかで芳醇なエキゾチズムをまとったサウンド。ずばりワールドクラスの大名盤。
89年デビューのベテラン・スペイン産プログレ・バンドの18年作は、初期フロイド風のミステリアスなパートと、クリムゾン的ヘヴィかつエキセントリックなパートで構成された知性的なアヴァン・プログレ力作!
英サイケ・フォークの至宝アンドウェラを率いたいぶし銀SSWが、2ndソロでプロデュースを任せたのは、ポップ職人クリス・レインボウ!米憧憬フォーク・ロックとAOR風ポップセンスが絶妙にブレンドされたサウンドが絶品だなぁ。
クイーン+ドリーム・シアターをベースに、様式美HRからビッグバンドまでを取り入れる奇想天外センスとスペインらしい情熱で仕上げたサウンドは、とことんエネルギッシュで痛快。聴いていてこんな楽しくてワクワクするプログレって他にないかも!
GENTLE GIANTと初期GONGがコラボレーションしたような感じ!?しかもヴォーカルはデヴィッド・アレンが天国から降臨したみたいだって!?こんなジャズ・ロック・グループが現代の英国にいたとは…。
CARAVANやVDGGなどのスタイルを取り入れたヴィンテージ色豊かな新鋭バンド!エモーションたっぷりの姉御ヴォーカルも素晴らしいし、タイトかつ芳醇な演奏のクオリティも抜群。これは英プログレ・ファン歓喜の傑作!
ギリシャはアテネ出身のプログレ新鋭、その女性ヴォーカルの名はエヴァンゲリス。美しい響きの名前の通りの澄み切ったハイ・トーンに心奪われます。ゲスト参加した伊プログレ注目グループYUGENのメンバーもさすがの仕事をしています。これは至高の一枚!
ジョニ・ミッチェルとリチャード・トンプソンが男女フォーク・デュオを組んだとしたら?なぜ、これほどの作品が500枚限定プレス!?英フォーク驚愕の幻の傑作。
スペインの注目バンドOCTOBER EQUUSのギタリストと、ロシアの超絶ジャズ・ロック・バンドVESPEROが夢の共演!ゴング影響下のスペース・ジャズロックに、フリップとホールズワースを合わせたようなギターが絡むサウンドの何たるカッコ良さ…!
気になる作品を見つけていただければ幸いです!
12年デビュー、メンバーほぼ全員がクイーンとドリーム・シアターをフェイバリットに挙げるスペインの新鋭プログレ・バンド、前作より3年ぶりとなった18年作3rd。前2作も素晴らしいアルバムでしたが、この3rd、もうとことんエネルギッシュで痛快。聴いていてこんなに楽しくってワクワクするプログレって他にないかもしれませんっ!ベースとなるのは最も影響を受けているクイーンとドリーム・シアターの合わせ技。そこにシンフォ、ロックン・ロール、様式美ハード・ロック、ビッグ・バンド・ジャズ、フュージョンなどを自在に結合させて、スペイン産らしい情熱的かつダイナミックなプログレに仕立て上げた、エネルギーがぎっちり詰まったサウンドを構築しています。歌い回しにフレディ・マーキュリー愛を感じさせる声量みなぎるスペイン語ヴォーカルとオペラチックな分厚いコーラスがドラマチックに舞い上がるクイーン風のヴォーカル・パートから、ド派手に鳴らすヴィンテージ・トーンのオルガン&クラシカルで可憐なタッチのピアノを操るキーボードが溢れ出し、ギターがテクニカルかつハードエッジに疾走。ギターはメタリックにゴリゴリしてはいるのですが、同時にコシの強いグルーヴ感があり、ロックンロールのノリの良さが先立っているのが特徴。硬質ながら人間味たっぷりに熱く弾き飛ばすプレイ・スタイルがカッコいい!ギターが牽引する強度あるヘヴィ・プログレに突如ゴージャスなビッグ・バンドが絡んできたり、クラシカルな速弾きが炸裂する様式美系ハード・ロックがごく自然に南国風フュージョンに発展したりと、あまりに先の読めない奇想天外なサウンドには軽く目眩が起きそうなほど。その後には一転して美しいメロディが冴え渡る叙情バラードを持ってくるセンスも憎い限りです。前作が彼らの完成形かと思いきや、まだまだ進化するDRY RIVERサウンドを見せつける大傑作!おすすめです!
イスラエルではかなり名の知れたミュージシャンでありコンポーザーの3人、Shlomo Gronich(イスラエルのアラン・ソレンティとして有名!)、Shem Tov Levy(SHESHETのフルート奏者!)、Shlomo Ydov(2010年現在でも活躍を続ける名SSW)によるスーパー・トリオ。イスラエル・プログレのNo.1グループとして知られていて、75年リリースの唯一作である本作は、SHESHETの唯一作と並んで人気の傑作。軽やかな変拍子によりめくるめく展開するアンサンブルと巧みなコーラス・ワークはGENTLE GIANTばり!地中海の空気が感じられる詩情豊かなパートも魅力的で、フルート、弦楽器、エレピ、アコギ爪弾きがタペストリーのように丁寧に重なり、美しいメロディを包み込むアンサンブルは、P.F.M.に比肩しています。GENTLE GIANTやCAMELなどブリティッシュ・プログレのファンからP.F.M.などイタリアン・ロックのファンの皆さま!ずばりこの作品は聴かなきゃ損です!素晴らしすぎる逸品!
仏在住のアメリカ人作曲家/ピアニスト、Tim Rootを中心とするアヴァン/ジャズ・ロック・プロジェクト18年作。ADRIAN BELEW POWER TRIOやクリムゾン・プロジェクトへの参加で知られる気鋭の女性ベーシストJulie Slickをはじめ、米国・イタリア・アルゼンチンなど各国から選りすぐりの実力派ミュージシャン10名により制作された作品とのことですが、なるほどこれは驚愕の完成度!R・フリップを思わせる切れ味鋭くヘヴィなギター、シャープ&タイトなリズム隊、チェンバー風味のクラリネットにこれでもかとむせぶサックス…『太陽と戦慄』や『RED』期クリムゾンからの影響を感じさせる、スリリングで強靭なアンサンブル。そこへリーダーのTimによるキメ細かく端正なピアノがクラシカルな色合いを加え、はち切れんばかりにハイテンションながらもどこか洗練された気品の漂うスタイリッシュなサウンドを聴かせています。ラフマニノフなど近現代クラシックを思わせるアヴァンギャルドなパートも披露しつつ、そこから天に抜けるように華麗なヴァイオリンがメロディアスな旋律を奏でるパートへと移り変わっていったりなど、ドラマチックな曲展開も特筆。精緻かつダイナミズムに富んだ演奏で聴き手を惹き込ませる、ハイレベルな傑作です。これは激・カケレコメンド!
【カケレコ国内盤(直輸入盤帯・解説付仕様)】デジパック仕様、定価2990+税
レーベル管理上の問題により、デジパックに角つぶれ・圧痕がある場合がございます。予めご了承ください。
ギリシャはアテネ出身、女性ヴォーカル、男性フルート/Key奏者、男声ギタリストによるトリオ、2010年デビュー作。グリフォンやジェントル・ジャイアントから影響を受けているようで、艶やかなヴァイオリン、ミスティックでいて気品に満ちたフルートやリコーダーが彩る、クラシカルかつトラディショナルな優雅さに、ゲスト参加した現代イタリアが誇るチェンバー・ロック・バンドYUGENのKey奏者やD.F.A.のドラマーによるチェンバー・ロック/プログレのエッセンスが加わったサウンドは、圧倒的に瑞々しく幽玄。紅一点エヴァンゲリアの澄み切ったハイ・トーンのヴォーカルも絶品です。これは至高の一枚!
英サイケ・フォーク・ロックの至宝ANDWELLAS DREAM〜ANDWELLAを率いたSSWによる、78年リリースの3rdソロにして最終作。ソウルフルな女声コーラスやメロディアスに躍動するスライドギターをフィーチャーした軽快なAORナンバーの1曲目に始まり、持ち味のハスキーな憂いあるヴォーカルにグッとくるドラマチックなバラードの2曲目、そしてハモンドの音色もたまらないANDWELLA時代を彷彿させるスワンプ・チューンの3曲目!前作『FROM TIME TO TIME』でも聴かせた、洗練されたAORタッチの中に、土の香りがするスワンプ/フォーク・ロックを絶妙にブレンドしたサウンドを、本作でもたっぷりと楽しませてくれます。そんな中でも、5曲目「Whole Lotta Something」は特筆で、英国らしい影のあるメロディと切々としたヴォーカル、そして劇的な構成で聴かせる極上メロウ・スワンプに思わず涙が出そうになります。本作リリース後はライヴ活動やソングライターとしての活動にシフトしていく彼ですが、最終作というのが惜しまれる紛れもない大名盤。スワンプファンにもAORファンにも、これは自信を持ってオススメしたい逸品!
男女ヴォーカルの英フォーク・グループ。72年にYORKよりリリースされた唯一作で、原盤は500枚限定プレスの激レア盤。ミスティックでかげりのあるフィメール・ヴォーカルとジェントルな男性ヴォーカルが魅力。フェアポート・コンヴェンション「ミート・オン・ザ・レッジ」やザ・バンド「アイ・シャル・ビー・リリースド」のカバーなど、アーシーさと気品が絶妙にバランスしたフォーク・ロックから、ピアノや管弦楽が流麗に彩るSSW的な曲まで、メロディ、アレンジともハイ・レベル。これほどの作品がなぜ500枚限定だったのか不思議です。英トラッドを基本に、米ロックのアーシーさや洗練が加わった、英フォーク・ファンにも米SSWファンにもオススメな逸品。
英サイケ・フォーク・ロックの至宝ANDWELLAS DREAM〜ANDWELLAを率いたSSWが、CAMELやALAN PARSONS PROJECT作品への参加で知られるポップ職人クリス・レインボウを共同プロデュースに迎え制作した76年の2ndアルバム。ANDWELLA時代からの持ち味だったスワンプ・ロックやルーツ・ミュージックをベースとするコクのある米憧憬フォーク・ロックと、まさにクリス・レインボーの作風を思わせるAOR風の洗練されたポップ・エッセンスが違和感なく同居した、極上のサウンドを聴かせてくれます。力強くかき鳴らすアコースティックギター、存在感ある太いトーンでメロディアスに鳴らされるエレキギター、むせぶような渋いサックスなどが絡み合うアンサンブルはもちろん絶品ですが、スワンピーなサウンドによくハマるハスキーなヴォーカルは、弾むように軽快なリズムとキラキラしたメロディを持つポップなサウンドにもマッチしていて驚き。コリン・ブランストーンにも通じるような味わい深さを醸し出していて印象的です。さらにリリカルなピアノとストリングスを伴った格調高いバラードも素晴らしくて、ここでは英国SSWらしくナイーヴに歌い上げるヴォーカルにグッと来ます。英米ロックの要素が程よくブレンドされたサウンドを多彩なスタイルで歌いこなす、彼のヴォーカリストとしての才能を堪能できる名作。英国ポップ/SSWファンからスワンピーな米SSWファンにもおすすめできる愛すべき一枚です!
アルゼンチン・プログレの名作の一つに数えられる78年の唯一作で著名なグループによる、前作より40年ぶりとなる18年作2nd。16年にリリースされたダウンロード販売限定EPに収録された3曲を含むフルアルバムとなっています。78年作で全曲のコンポーズとアレンジを務めたDaniel Andreoliを除き演奏メンバーは全員入れ替わっているのですが、荘厳な女性コーラスを伴って重くダークなトーンのギターと渋くむせぶテナーサックスがジャジーに疾走する冒頭、そして時に優雅に時に狂おしいばかりに激しく鳴らされるヴァイオリンと、まさしくあのBUBUの音世界が広がってきて一曲目から圧倒的。ギター&サックスを軸とする重厚にして底知れぬ妖しさを漂わせたクリムゾンばりのヘヴィ・アンサンブルと、リリカルで優美なフルート&ヴァイオリンが織りなす初期PFMにも迫る美しい叙情パートを行き来しながら描き出されていくサウンドがひたすら感動的に響きます。特にエモーショナルに歌いこむ男声ヴォーカルが映える叙情的なパートは、往年よりさらに情感豊かになっていて聴きどころです。名バンドの復活作というと往年から大きく様変わりしているケースもありますが、彼らは驚くほどに当時に近い音楽性を維持していて、前作が愛聴盤の方であれば聴きながらニンマリとしてしまうはず。これはずばり前作に劣らぬ傑作!
KARFAGENでお馴染みのウクライナ出身Key奏者&コンポーザーAntony Kaluginによるプロジェクトの18年作8th。タイトルから分かる通り彼のメイン・プレジェクトであるKARFAGENの17年作『MESSAGES FROM AFAR: FIRST CONTACT』とリンクする内容となっています。プログレッシヴ・ロック然としたダイナミックな迫力を持つKARFAGENのサウンドに比べると、より歌ものとしてのメロディアスな部分に焦点を当てた、流麗でファンタジックな作風が特徴。THE FLOWER KINGSからの影響を感じるゆったりとスケール大きく歌われるヴォーカルを主役に、輝く音色のピアノ、悠久を紡ぐように雄大なシンセサイザーらがドラマチックに交差し、甘く優しげなトーンのギターがアンサンブルの叙情面を担います。メインとなるのは繊細なコーラスを伴ったジェントルに歌う男性ヴォーカルですが、20分の大曲ではエモーショナルな女性ヴォーカルが加わりこれでもかと劇的なアンサンブルと共に駆け上がっていく展開に感動がこみ上げてきます。これぞ「メロディアス・プログレ」と言いたくなる、美旋律がとめどなく溢れ出してくる一枚です!
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