2018年8月22日 | カテゴリー:KAKERECO DISC GUIDE,世界のロック探求ナビ
タグ:
スタッフ佐藤です。
今カケレコで一押しの作品をご紹介していく【KAKERECO DISC GUIDE】。
今回の作品は、ブラジルより登場した新バンドVITRALによる18年デビュー作『ENTRE AS ESTRELAS』です!
○「キャメル meets バロック音楽」と言えちゃうリリカルさと重厚さを兼ね備えたサウンド!
○なんと52分に及ぶ大作組曲を収録!
本作がデビュー・アルバムとなるこのブラジルのVITRAL。実は80年代初頭に結成されたバンドで、その際はアルバムを残すことなく解散。2017年に再結成を果たし本作をリリースしました。
メンバーはこちら。
メンバーを見て「ん!?」と思った方は、かなりの南米プログレ通ですね。
オリジナル・メンバーにして現QUATERNA REQUIEMのドラマーでもあるClaudio Dantasも注目ですが、何と言ってもブラジリアン・シンフォの至宝BACAMARTEの83年作で活躍したフルート奏者Marcus Mouraの存在に驚かされます。
南米シンフォ好きにはたまらない豪華メンバーを擁するVITRALのサウンドですが、一言で表すなら「キャメル meets バロック音楽」。
名手Marcus Mouraによるリリカルで少し陰影がかかった美しい音色のフルート、再結成メンバーであるギタリストLuiz Zamithのアンディ・ラティマーを受け継ぐ一音一音から叙情が零れ落ちるようなエモーショナルなギター。両者が中心となってCAMEL愛たっぷりのアンサンブルを描き出します。
ここまででも十分に素晴らしいのですが、そこにオルガン、シンセ、ピアノなどを縦横に駆使して重厚でスケール大きなバロック調サウンドを築き上げるキーボードのプレイが覆いかぶさってきます!そのテクニックと構築性に富んだプレイはTRACEのRick Van Der Lindenを彷彿させるほど。
キャメル系シンフォとバロック調キーボードが合体することで、リリカルさと重厚さを兼ね備えた極上のシンフォニック・ロックが生まれているんです。
BACAMARTE、QUATERNA REQUIEMの両ファンは勿論のこと、初期キャメルのファンにも聴いてみていただきたい作品となっています!
本作は全3曲から成っているのですが、その構成は7分、52分、5分。いえ打ち間違いではありません。2曲目は、13のパートで構築された52分にわたる組曲。QUATERNA REQUIEM『Quasimodo』に収録されている表題曲の40分を大きく超える大作に挑戦しています。
まさに「キャメル meets バロック音楽」と云えるサウンドが存分に堪能できる逸曲となっておりますので、是非アルバムにてお楽しみいただきたいと思います!
ここでは1曲目「PETALA DE SANGUE (Petal of Blood)」をお聴きください~。
【関連記事】
南米らしいメロディアスで清涼感に溢れたサウンドが印象深いブラジリアン・シンフォ新鋭の力作を厳選してご紹介してまいりましょう!
ブラジリアン・シンフォの歴史に輝く83年の名盤で知られるBACAMARTEのフルート奏者Marcus Moura、90年代以降のブラジルを代表するシンフォ・バンドQUATERNA REQUIEMのドラマーClaudio Dantasらが結成したバンドによる2017年デビュー作。フルートとギターがリードするCAMEL直系のメロディアスなシンフォニック・ロックに、BACAMARTEやQUATERNA REQUIEに通じるクラシック音楽/バロック音楽の典雅さ格調高さを加えた、構築性に富んだ壮大過ぎるサウンドが圧巻!リリカルで少し陰影がかかった美しい音色のフルート、アンディ・ラティマーを受け継ぐ一音一音から叙情が零れ落ちるようなエモーショナルなギターが紡ぐCAMEL愛たっぷりのアンサンブルと、バックで響く分厚いシンセ、オルガン、ピアノなどのキーボード群が演出するバロック音楽の厳粛な音世界が重なり合う音楽性に、シンフォ・ファンならば興奮しっぱなしでしょう。特筆は何と言っても52分に及ぶ大作組曲。キーボードもアンサンブルに加わり、テクニカルな疾走パート、芳醇に広がるシンフォ・パート、典雅な味わいの中世音楽パートを行き来しながら巧みに描き出されるスケール溢れるシンフォ絵巻があまりに素晴らしい。BACAMARTE、QUATERNA REQUIEM両バンドのファンは勿論、初期CAMELファンにも是非オススメしたい一枚!
【カケレコ国内盤(直輸入盤帯・解説付仕様)】デジパック仕様、定価2990+税
レーベル管理上の問題により、デジパック仕様に若干圧痕がある場合がございます。予めご了承ください
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!