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「聴けば聴くほど味が出るスルメ盤」~『カケレコのロック探求日誌』一週間一気読み!~

こんにちは。

毎日暑い日が続きますね。

元気の出るロックやプログレを聴いて乗り切っていきましょう。

今週は、「聴けば聴くほど味が出るスルメ盤」というテーマで、facebookに投稿してまいりました。

噛めば噛むほど味わい深いスルメのように、聴けば聴くほど良さが分かる作品を様々にピックアップいたしましたので、ぜひご覧ください!

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6月25日(月):GEORGE HARRISON / DARK HORSE

今日はスルメ英国ロック、George Harrisonの74年作「Dark Horse」です。

ビートルズメンバーの中でも、ブリティッシュ・ロック然とした哀愁を強く感じさせるジョージの作風ですが、その中でも聴けば聴くほど哀愁が滲み出してくるのがこの作品。

アメリカツアーの失敗、妻パティとの離婚、「マイ・スウィート・ロード」の盗作問題、加えて喉の不調にも見舞われるという、数々の試練を経験していた当時のジョージの心情が伝わってくるかのような、力強さと言い知れない切なさが混じり合った楽曲の数々。

しゃがれ声で歌うジョージのヴォーカルは最初痛々しいくらいなのですが、聴き込むたびに、どの曲もこの声でなければ表現し得ない深みがあることに気付かされます。

「Simply Shady」や「Far East Man」などの名曲も、この声あってこそだよなぁといつも感じています。(佐藤)

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6月26日(火):JONI MITCHELL / HEJIRA(邦題:逃避行)

今日はスルメ米SSW、ジョニ・ミッチェルの76年作『逃避行』です。

フォークから出発したジョニ・ミッチェルは、72年『バラにおくる』あたりからジャズ/フュージョン系のミュージシャンと作品作りに取り組むようになります。

この『逃避行』は、変則チューニングから生まれる独特のコード進行のメロディーに、ジャコ・パストリアスのベースやラリー・カールトンのギター、トム・スコットのドラムが自由自在に色を付けていき、ジャケにあるような荒涼とした心象風景を音で表現しているかのようです。

聴いていると今いる場所からふっと離れて、まさに「逃避行」しているような気分に。

フォークともロックともジャズとも付かない、「ジョニ・ミッチェル」としか言いようのない音楽です。(みなと)

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6月27日(水):CARAVAN / WATERLOO LILY

今日はスルメジャズ・ロック、キャラヴァンの72年作『ウォータールー・リリー』です。

キャラヴァンの中でも特に傑作と名高い『グレイとピンクの地』『夜ごと太る女のために』の2作に挟まれる形の本作。

ジャケットも相まってやや地味なポジションにある作品と言っていいと思いますが、内容もやはりジャズ・ロック色が強く表れたある意味で「玄人好み」と言えるもの。

ただキャラヴァン本来の憂いある英国叙情と温かな牧歌性は健在で、そんな愛すべきキャラヴァン・カラーと、渋みあるジャズ・エッセンスが本当にいい塩梅で溶け合っているのが本作の特徴。

前作のファンタジックな色合いこそ控えめですが、確かなテクニックに裏打たれたジャズ・ロック・バンド キャラヴァンのいぶし銀な魅力を堪能できる名品です。(佐藤)

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6月28日(木):NOVALIS / SOMMERABEND(邦題:過ぎ去りし夏の幻影)

するめフォーク、するめジャズ・ロックに続き、本日ご紹介するのは「するめシンフォニック・ロック」。
ジャーマン・シンフォを代表するバンド、NOVALISによる76年作3rd『SOMMERABEND(邦題:過ぎ去りし夏の幻影)』です。

彼らの代表作として知られ、10分・10分・20分の大曲3曲で構成される壮大なアルバム。

とはいえ全体的な音は英国のダイナミックなシンフォニック・ロックとは違ってどこか粛々としており、キラキラしたファンタジックさとはまた異なる仄暗い幻想性に満ちています。

ひんやりとしたシンセサイザーと繊細なギター、そして叙情的なドイツ語ヴォーカルの織り成す音像は柔らかく優しくも、同時に深い霧の中に包まれているような不穏さとメランコリックさを湛えていて、その絶妙なバランスが癖になりそう。

聴けば聴くほどゲルマンの暗く深い森の奥に誘われていってしまいそうな、魅惑の一枚です…。(増田)

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6月29日(金):LIGHT / LIGHT

最後にご紹介するのは「するめハード・ロック」、アイルランドのバンドLIGHTによる78年唯一作『LIGHT』です。

マイナーな作品ですが、率いているのはヴァン・モリソンのTHEMに在籍し、70年代にはドアーズやフランク・ザッパとも共演した名ギタリストのJim Armstrong。

そのギター・プレイはもちろん絶品で、メロウな泣きのフレーズを奏でたかと思えばエネルギッシュなソロも披露し、また時には同郷アイルランドのシン・リジイを思わせるようなツイン・リードも炸裂。

憂いのあるヴォーカル、繊細なコーラス、時折参加する奥ゆかしいフルートやキーボードも叙情的でたまりません。

全体的にマイルドで優しいサウンド・メイクのためか派手に「ガツンと来る」ハード・ロックではありませんが、じわじわと胸に染み入ってくるような味わい深さがあり、ついついじっくりと聴き込みたくなってしまいます!

ぜひジャケの様に日が沈んでいく光景を眺めながら聴き入っていただきたい、哀愁の逸品です。(増田)

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