2019年3月28日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
プログレというとエレキギターやシンセサイザーをめいっぱい使ったダイナミックなイメージがありますが、そんな中でアコギやフルートなど「昔ながら」の楽器を用いたフォーキーなサウンドは逆に新鮮に感じることがありますよね。
今回はそんな牧歌的でアコースティカルなサウンドを特徴とするプログレ・グループを集めてみました。
まずはGENESIS脱退後にクラシック・ギターを本格的に学んだという、アンソニー・フィリップスの1stソロからどうぞ。
この繊細で格調高いアコギ、英国の気品をそのまま音にしたかのようなロマンとファンタジーがいっぱいに詰まった名品ですよね。
優美な調べだけでなく、英フォーク/トラッド特有のピリッとした荘厳さもあって全く飽きさせません。
リリカルでアコースティカルなイタリアン・プログレ・グループといえばCELESTE。
アコギを基調としたたおやかな演奏をベースとしながらも、その上を覆うメロトロン、シンセ、フルートなどによる壮大な幻想美が圧倒的。
中世ヨーロッパから神話的世界観へとイマジナティヴに広がっていくサウンドが素晴らしすぎます。
イタリアからはこちらもご紹介。透明感いっぱいのギターやピアノが彩る、どこまでもファンタスティックさ溢れるアンサンブルが素晴らしい…。
LOCANDA DELLE FARTEあたりが好きならたまらない、92年リリースのイタリア叙情派プログレ名作。
次はカナダ・ケベックから。フォーキー・プログレの代表的グループ、HARMONIUMの76年作3rd。
従来のフォーク・タッチをベースに本作ではオーケストラも導入し、スケールの大きいサウンドを聴かせています。
なおかつ古いヨーロッパ映画を思わせるお洒落で哀愁の漂うアレンジもグッド。
ジャケが似てますが、こちらはスペイン。
絶え間なく胸を打つ、泉のように溢れ出る美旋律。ソリーナやメロトロンが柔らかに空間を広げ、ギターが優しくリリカルなフレーズを紡ぐ…。
ロマンチックなジャケット通りの音を収めたスパニッシュ・シンフォ名品です。
こちらはVAN DER GRAAF GENERATORのメンバーであるDAVID JACKSON、HUGH BANTON、GUY EVANSらが制作した74年作。
ピーター・ハミルがいないVDGGなんて!と思われるかもしれませんが、でもこれが英国らしい叙情性と陰影が彩る素晴らしいインスト名品なのです…。
VDGGのイメージは抜きにして、ぜひご一聴あれ。
次は新鋭の作品をご紹介!こちらはハンガリーのシンフォ・グループによる06年作。
フォーキーなアコギに穏やかなフルート、そしてメロトロンがいっぱいに広がる、朝の草原のように清涼感に満ちたアンサンブルが極上。
アンソニー・フィリップスに通ずる牧歌性とファンタジックさを感じさせる絶品フォーキー・シンフォです。
FINISTERREやLA MASCHERA DI CERAの中心人物Fabio Zuffantiによるイタリアのプロジェクト・グループ。
この【四季】シリーズは、00年以降の伊プログレの最高峰ですよね。
その中でもこちらの『SPRINGSONG』は、ヴィバルディの世界を彷彿させるリリカルでたおやかな名品!
91年に名作を残したイタリアのバンドによる2016年復活作。
繊細なタッチとちょっぴりトラッドな香りが魅力のリード・ギター、優しい歌声の穏やかなヴォーカルと優美なメロディ。
陰影と詩情に満ちたサウンドから浮かび上がる幻想世界が実に味わい深い逸品。
そんなERIS PLUVIA在籍のマルチ・ミュージシャンと、現HOSTSONATENの管楽奏者による伊シンフォ・デュオもご紹介。
95年にデビュー作をリリースした彼らですが、それから22年ぶりに発表した17年作2ndが本作。
まろやかで幻想的なアコースティックギターの響きを生かしたアンサンブルに優美なシンセサイザーがカーテンを引く、柔らかく心地良いフォーキー・シンフォニック・ロック!
こちらはフランスのギタリストによるソロ・アコースティック・ギター作なんですが、一音一音に繊細な感性が宿るようなアコギの腕前は、アンソニー・フィリップスを想起させる素晴らしさ。
休日にゆったりとリラックスして耳を傾けたい一枚です。
こちらは北欧スウェーデンの男女デュオによる2015年作2nd。
まるで、ヴァシュティ・ブニヤンをアンソニー・フィリップスがプロデュースして、演奏をアングラガルドがつとめた感じ!?
英国のリリカルさと北欧の幻想性が融合した美麗なるアシッド・フォークの逸品。
FLAMBOROUGH HEAD、LEAP DAYなど数々のシンフォ・グループで活躍するオランダのギタリスト、17年3rd。
ハケットやアンソニー・フィリップスばりの格調高く繊細なアコギが紡ぎ出すリリカルなメロディ、そしてそれを優美に彩るフルートやシンセ。
思わず息を呑んで聴き入ってしまう、珠玉のギター・インスト・アルバム。
ジェネシスの初代ギタリストとして活躍し、70年代後半以降はソロ・ミュージシャンとして英国的叙情性に満ちた質の高い作品をリリースしてきた彼の、記念すべき77年1stソロ。ジェネシスのメンバーであるマイク・ラザフォード、フィル・コリンズらが参加。フィリップスによる丹念に爪弾かれるアコースティック・ギターの調べを、ゆったりとおおらかに流れるシンセとリリシズムに満ちたフルートの音色が彩るスタイルを軸とした、アコースティカルな手触りのシンフォニック・ロックを聴かせます。アコースティック楽器主体の演奏ですが、中世トラッド色とよりアカデミックなクラシック的要素の両方が違和感なく一体となった、たおやかな牧歌性とともに格調高くも瑞々しい英国然とした音色が印象的。ジェネシス脱退後にクラシック音楽とクラシック・ギターを本格的に学んだというその成果が遺憾なく発揮されています。演奏のみならず組曲「Henry」におけるハイレベルな楽曲構築性なども彼の豊かな才能を証明しており聴き所。3曲あるヴォーカルナンバーは、1曲でフィリップス、2曲でコリンズがヴォーカルを取っており、特にコリンズによるヴォーカルナンバーは、ジェネシスとは趣の異なる繊細で素朴な味わい深さが大変魅力的。清冽な小川の流れ、風にそよぐ木立、一面に広がる田園など、英国丘陵地帯の情景がイマジネーション豊かに立ち上がってくるような名品です。
デモ音源やシングル・バージョン音源やスタジオ音源などを収録したDISC2を含む2枚組仕様、デジタル・リマスター
盤質:傷あり
状態:良好
1枚は無傷〜傷少なめ、1枚は傷あり
デモ音源やシングル・バージョン音源やスタジオ音源などを収録したDISC2を含む2枚組仕様、デジタル・リマスター
盤質:無傷/小傷
状態:良好
単発ながら素晴らしい作品を残したイタリアのプログレッシブ・ロックグループの76年唯一作。ゲスト・プレイヤーにPICCHIO DAL POZZO のAldo De Scalziを迎えて製作され、メロトロンの名盤としても知られるその内容は、ファンタジックなフォーク・ロック風の牧歌性が素晴らしい優美なサウンド。フルートやヴァイオリン、ギターが彩るフォーキーな音楽性を基本にメロトロンやアナログ・シンセサイザーが神秘的な広がりを加味しています。ほとんどリズム・セクションを廃した作風とシンセサイザー・サウンドの効果もあって、ジャーマン・ロックなどにも通じる浮世離れした浮遊感を持っていることが個性的ですが、やはり優美なメロディーには確かなイタリア叙情を感じます。
ハンガリーのグループ。06年のデビュー作。たおやかなアコギをバックにフルートがリリカルに舞い、溢れんばかりにメロトロンが鳴らされる!極めつけは、流れるように美しいメロディとスッと入ってくる美声の女性ヴォーカル!全体的に柔らかな音像でハードさは無いものの、タイトなリズム隊のせいか、演奏はダイナミズムに溢れています。全員がテクニック抜群ですが、特にアコギ奏者はかなりの腕前で、格調高くリリカルなリードは必聴。ファンタスティックなシンフォニック・ロックとして一級品の傑作。本当に素晴らしいです。
ペーパーケース仕様、新装ジャケット&オリジナル・オーディオでの2014年新規リイシュー盤。バンドサイトでは、MUSEA盤と異なる06年にハンガリーでリリースされた音源で、LPのようなアナログのフィーリングを最大限に活かし、アコースティックやメロトロンが魅力的に響くようにミックスされているそうです
ペーパーケース仕様、新装ジャケット&オリジナル・オーディオでの2014年新規リイシュー盤。バンドサイトでは、MUSEA盤と異なる06年にハンガリーでリリースされた音源で、LPのようなアナログのフィーリングを最大限に活かし、アコースティックやメロトロンが魅力的に響くようにミックスされているそうです
ペーパーケースにスレがあるため、値引きセール品になります。
ブリティッシュ・プログレの代表的バンドの一つ、VAN DER GRAAF GENERATORのメンバーであるDAVID JACKSON、HUGH BANTON、GUY EVANSを中心に元VDGGのNIC POTTER他を迎えて作成された74年作。内容はVDGGと比較してより英国らしい格調高さを感じさせる作風で、全体にアコースティカルでたおやかなアンサンブルでまとめあげられています。JACKSONのサックス、フルートも普段の重厚なプレイとは打って変わってリリシズムいっぱいに歌います。PETER HAMMILLの不在もあってなのか、メランコリックではあるものの沈み込むような陰鬱さはなく、ただただ美しい旋律が紡がれていく演奏は絶品の一言。VDGGのもうひとつの顔とも言うべき温かみ溢れる名品です。
VDGGのセッションより収録のボーナス・トラック1曲、ハミルのヴォーカルも快調なアップテンポのロックナンバーでこちらも必聴!
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