2018年5月2日 | カテゴリー:KAKERECO DISC GUIDE,世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフみなとです。
8月も半ばとなり暑さが続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
今日は、夏にぴったりのアルバムをピックアップしたいと思います。
イタリアのシンフォニック・ロック新鋭、HOSTSONATEN11年作『SUMMEREVE』です!
68年イタリア、ジェノバ生まれのベーシスト/コンポーザー、Fabio Zuffantiによるシンフォニック・ロック・プロジェクトです。
Fabio Zuffantiは94年に音楽活動を始めて以来、多数のバンドやプロジェクトに関わり、40以上の作品をリリースしてきました。
2001年より春夏秋冬をテーマにした連作アルバムをリリースしており、今作『SUMMEREVE』はその最終章、「夏」にあたります。
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この作品の特徴は、何と言ってもその叙情的なサウンドにあります。
再生してみれば、聴く人それぞれにとっての「夏」が浮かんでくることでしょう。うだるような暑さ、咲き誇る草花や短い命を生きる虫たち、少し寂しい夕暮れ・・・などなど、いつかの夏に体験した景色や感情がまざまざと浮かんできます。ものすごい映像喚起力です!
それでは冒頭の楽曲をどうぞ。
♪Season’s Ouverture
「夏」を表現するのに重要な役割を果たしているのが、シンセサイザーの豊かな響き。
冒頭の神秘的なシンセサイザーの音色が素晴らしいですね!まさに燃えるような朝焼けという感じで、これから始まる夏の一日を予感させてくれます。
しばらくすると土着的な響きのパーカッションが打ち鳴らされ、テンションが徐々に高まったところで、シンセサイザーによる美しい主題のメロディーが。まるで日の出を思わせる生命力豊かな演奏です。心揺さぶられずにはいられません!
このアルバム特徴のひとつは、メロディアスな泣きのギターです。
ラストを飾る楽曲を聴いてまいりましょう。
♪Edge Of Summer
美しく繊細なピアノで始まるこの楽曲、次第に入り込むギターがタメの効いた哀愁あるメロディーを奏で、これでもか!と泣きのギターを聴かせてくれます。
アルバムの最後を飾るのにふさわしい、ダイナミックなギターです。
最後に、個人的にぐっときたポイントを。
この2曲の流れが非常にかっこいいんです!
♪Under Stars
アコースティック・ギターとエレピ、キラキラとしたパーカッションが涼しい木陰を思わせます。
♪Blackmountains
前曲のフィンガー・シンバルの音色に被さり、攻撃的なギターが奏でられ、パーカッションと共に不穏なサウンドへと進化していきます。涼しい木陰の世界が一瞬で打ち破られ、夏の夕立がやってきたかのようです。
この予測不可能、Fabio Zuffantiの手のひらで転がされるような見事な構成力にぞくぞくとさせられます。
FINISTERREやLA MASCHERA DI CERAの中心人物Fabio Zuffantiによるプロジェクト・グループ。特筆すべきは、ニューレコーディングで、生のメロトロン、ムーグ、ベースが全編に加えられ、オリジナルのファンタスティックなサウンドが一層魅力的に響いています。丁寧に紡がれるアコギ・アルペジオをバックに、フルートやヴァイオリンがうららかに舞い、キーボードが柔らかくファンタスティックに広がる。そして、分厚く鳴らされるメロトロン!プログレ/シンフォ・ファンなら号泣もののサウンドがここにあります。文句なしの名作。
廃盤、紙ジャケット仕様、直輸入盤(帯・解説付仕様)、ボーナス・トラック1曲、定価2835
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
帯中央部分に色褪せあり
近年常にその動向が注目されるイタリアのシンフォニック・ロック・プロジェクト、HOSTSONATENの12年作。あまりに流麗な弦楽、繊細に奏でられるクラシカルなピアノ、きらめくような音色のアコギらが織りなす柔らかな美感に満ちたアンサンブルと、分厚いシンセを纏って力強く歩むアンサンブルとが入れ替わり立ち替わり現れ、雄大なストーリーを築き上げる圧巻のシンフォニック・ロック。熱い叙情が込められた渾身のギターソロや、汲めども尽きぬ泉のように湧きあがるメロトロンがアンサンブルを劇的に彩り、聴き手を感動へと導きます。曲展開に合わせて入れ替わるヴォーカルもそれぞれの個性を存分に発揮しており、全体を通してドラマティックな起伏に満ちたストーリーを紡ぐ効果を担っています。イタリアらしい零れ落ちるような叙情と情熱を帯びて躍動するアンサンブルがあまりにも素晴らしい、傑作シンフォニック・ロックです。
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