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【KAKERECO DISC GUIDE Vol.50】まるで古代ローマの情景が眼前に広がるかのよう…荘厳なイタリアン・シンフォ「ROME PRO(G)JECT / EXEGI MONVMENTUM AERE PERENNIUS」

スタッフ佐藤です。

KAKERECO DISC GUIDE、今回はイタリアの新鋭シンフォ・ユニットROME PRO(G)JECTによる17年作『EXEGI MONVMENTUM AERE PERENNIUS』を取り上げます。

1962年生まれ、80年代よりTV音楽/映画音楽の分野で活動してきたイタリアのキーボーディスト/コンポーザーVincenzo Riccaによって立ち上げられたのが、このROME PRO(G)JECT

ちなみにプロジェクト発足以前にはこんな音楽を作っていました。さすがサウンドトラック制作を本職としていただけに、映像喚起的でドラマチックな音作りが素敵ですよね。

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ROME PRO(G)JECTは、12年にデビュー作『ROME PRO(G)JECT』をリリース。スティーヴ・ハケット、デヴィッド・ジャクソン(ex.VDGG)、リチャード・シンクレア、デヴィッド・クロス、フランチェスコ・ディ・ジャコモ(ex.BANCO)など、豪華ゲスト・ミュージシャンの参加で話題となりましたが、そのサウンドのクオリティの高さも驚くべきもので、一躍イタリアの注目プログレ・バンドに躍り出たのでした。

続く2ndは4年を経た16年にリリース。前作にも参加したスティーヴ・ハケット、デヴィッド・ジャクソンらに加え、YESのビリー・シャーウッドも参加。Vincenzoによるレ・オルメばりの重厚なキーボードワークに、ゲスト・ミュージシャンの入魂のプレイが絡んでいく、聴き応えたっぷりのシンフォニック・ロックは前作を上回る完成度を見せていて、4年待ったファンも納得の出来栄えだったと言えるでしょう。

そして2018年、遂にリリースされた3部作の最終章となる3rdが本作『EXEGI MONVMENTUM AERE PERENNIUS』。

3作を通じて参加のSteve Hackett、David Jacksonをはじめ、John Hackett、David Cross、Nick Magnusら英国プログレ勢に加え、RANESTRANEやTAPROBANといった現イタリアの実力派バンドからも多数がゲスト参加。

何と言ってもこの古代ローマの情景が眼前に広がるかのような荘厳でスケール溢れるシンフォ・アンサンブルの素晴らしいことっ!

Vincenzoが操るクラシカルなオルガンと雄大に立ち上がる輝かしいムーグを中心とする堂々たるキーボードのプレイに、ハケット兄弟によるリリカルかつ妖艶に舞うフルートと持ち味のエモーション溢れるギターが絡んでいく、冒頭2曲からあまりに劇的な展開の連続にシンフォ・ファンなら息をのんで聴き入っているはず。

David Jacksonのサックスが活躍するナンバーでは、OSANNAやIL BALLETTO DI BRONZOを想起させる邪悪さ滲むヘヴィ・シンフォが疾走。鈍い光沢を放つ重々しいサックスと厳粛なキーボード・コラールがスリリングに渦を巻くアンサンブルがカッコよすぎます。

さらにDavid Crossも悠久を紡ぐように格調高いヴァイオリンを披露しており、従来作に増して往年の名手達のプレイが存在感を発揮している印象です。

そして特筆なのが、エッジの立ったモダンな音を完全に排し、古代ローマを描いた作品世界への没入感を高めている点。サウンドトラック制作で培われたのであろう映像喚起的なサウンドメイキングが最も効果的に発揮されていると言えるでしょう。

まさに3部作のラストを飾るに相応しい壮大さとドラマチックさを誇る傑作に仕上がっています!

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