2018年3月15日 | カテゴリー:KAKERECO DISC GUIDE,世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフみなとです。
今日はGILLIAN MCPHERSONの71年作『POETS AND PAINTERS AND PERFORMERS OF BLUES』をピックアップしてまいります。
湖畔に佇むギリアンが水面に映って、この上なく素敵なジャケットですよね!
1949年、北アイルランド、ベルファスト生まれです。
ベルファスト↓
荒涼とした港町であるベルファスト。ギリアンの涼やかなボーカルは、生まれ育った風土から来ているのかもしれません。
ギリアンは、ジャズやブルース、そしてアイルランドのトラッドに影響を受けて育ち、16歳で歌い始めました。
ベルファストのカフェやバーで活動し、その後ロンドンへ向かいます。
ロンドンで知り合ったペンタングルのDANNY THOMPSONにプロデュースをお願いし、マーキー・スタジオで今作は録音されました。
まずは一曲お聞きください。
♪I Am The Runner
ギリアンの透き通った声がいいですね!そしてこのちょっと素人くさい(失礼)ところが、妙に味わい深いです。
それにしても、バックで鳴るオルガンといいベースといい、凄く洒落ていますよね!
この曲でオルガンを弾いているのは、MARK-ALMONDやRIFF RAFFなどで活躍、JOE COCKERやGREG LAKE、GARY MOOREなどのバックを務め、英国ロックを支え続けたベテランキーボーディスト、TOMMY EYREです(↓)
ベースはCENTIPEDEやSOFT MACHINEなど英ジャズ・ロック界で活躍したROY BABBINGTON。
しかしアルバム全体を通して効いているのは、やはりTOMMY EYREのキーボードですね。
主張するのではなく、あくまでも控えめで上品なキーボードが曲中でアクセントのようにキラリと光っています。
♪Look What We’ve Got To Do
イントロのキーボードが、本当に美しいですね・・・
この曲には同じくMARK-ALMONDから、コンガでJON MARK、ヴィブラフォンでJOHNNY ALMONDが参加。
アルバムの他の曲では他にもストローブスのDAVE COUSINSがアコギを弾いていたり、ニック・ドレイクの作品への参加で有名なROBERT KIRBYがストリングスをアレンジしていたり。
上記のような洗練されたベテランのバック・ミュージシャンの演奏に、あんまり歌が上手くないけれど、ピュアさが何とも言えない魅力のギリアンの声がやや不安定に響く、そのぎりぎりの調和にぞくぞくさせられます。
そして、ジャジーなリズムが随所で感じられる今作は、ペンタングルのDANNY THOMPSONのプロデュースが大きな役割を果たしています。
ジャズや古楽、フォークやブルースなど、多彩な音楽性を持っていたペンタングルの彼だからこそ、ギリアンのアルバムがこんなにも豊穣なものになったのでしょう。
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!