2020年6月25日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフ佐藤です。
5大プログレ・バンドを凌ぐ演奏力と多彩なアイデア、中世音楽を取り入れた見事な多声コーラス。
隙のない高度な音楽性を誇ったテクニカル・プログレの元祖と言える偉大なバンドと言えば、ジェントル・ジャイアントですよね。
今回は、そんなジェントル・ジャイアントからの影響を感じさせる世界の新世代プログレ作品をセレクトしてまいりたいと思います。
テクニックは勿論、詰め込まれた豊富なアイデアや仕掛けも楽しめるラインナップでお送りしますよ!
まずは、70年代よりGG系プログレの宝庫であったアメリカから見てまいりましょう☆
GENTEL GIANT譲りの凝りまくり変拍子アンサンブルと、アメリカ的な爽やかで抜けの良いサウンドが融合したら!?90年代以降の米プログレを牽引した名バンドによる快作!
ジェントル・ジャイアントからの影響を地中海のたおやかさで包み込んだような感じ!?ジャズ/フュージョンの香りが心地よい地中海ポップ・ロックの逸品!
米プログレ・バンドが15年ぶりにリリースした2ndなんですが、これがジェントル・ジャイアント影響下の超絶変拍子アンサンブル&コーラスで突っ走っていてもう愕然…。こんな凄まじいバンドが15年も眠っていたとは!
チェンバーロック、トラッド/舞曲、ジャズ・ロック、クラシカルなシンフォなどなどGGばりに目まぐるしく表情を変えていくアンサンブルには、アメリカのバンドらしい疾走感とキャッチーさが満載。現代アメリカの中では最もプログレッシヴなサウンドを聴かせているバンドでしょうね。この17年作はずばり会心作!
このキーボーディスト、エマーソンばりにシンセやオルガンを弾きこなしていて凄い逸材…。美声で歌の巧いヴォーカルも爽やかなサウンドに適任だし、GGばりに先の見えない構築性も見事だし、これは70年代憧憬モダン・シンフォとして圧倒的にハイレベル!
北欧もハイレベルなGGタイプのバンドが多く活動しています。特に
ジェネシス、GG、XTC、ラッシュ、そしてクラシック音楽や民族舞踏音楽のエッセンスまでをイマジネーションたっぷりにまとめ上げるこのセンス、只事でありません。特に荘厳なコーラスからはGGリスペクトが感じられますね。フィンランド随一の個性派プログレ新鋭による渾身の2015年作!
ポストロック的洗練を帯びたポップさもあるサウンドを基調に、初期GGに通じる霧がかったミステリアスさや、アングラガルド的なピンと張り詰めたタイトな質感などを合わせた、独特の浮遊感と緊張感を持つプログレを演奏。ノルウェー新鋭による意欲作!
こちらはBEARDFISHとBIG BIG TRAINで活躍するスウェーデン人マルチ奏者によるソロユニット17年作!キャッチーかつ北欧らしいメランコリックさが滲む珠玉のメロディーと、GG影響下の転調を繰り返す複雑なインストを組み合わせたメロディアス・プログレが極上です。
最後はイタリアからとっておきを一枚セレクト!これは凄いっすよ。
最後はイタリア・ジェノヴァから突如現れた凄いバンドをご紹介!なんというテクニックとアイデア…。次から次へと切り返す高速変拍子で突っ走るドラム、まるで早回しのように急旋回しまくるサックス、ふくよかで厚みのあるトーンの切れ味鋭いフレーズでかっ飛ばすギター、クラシックの確かな素養を感じさせるテクニカルかつ流麗なピアノ。これはザッパもジェントル・ジャイアントもびっくりな痛快っぷり!でも超絶技巧の中に哀愁もつまってて、イタリアらしさもしっかりと感じさせます。激レコメンド!
00年に結成され、06年にデビューしたフィンランドのプログレ新鋭グループ。2015年の3rdアルバム。クラシック音楽の格調高さや祝祭感、民族舞踏音楽の悲哀感、ジェネシスやジェントル・ジャイアントのDNAを継いだ幻想性と変拍子たっぷりの器楽性、10ccやXTCや80年代ネオアコを彷彿させるポップ・フィーリング、ラッシュに通じるエッジとスピード感を丁寧に組み上げたサウンドはかなり個性的。ジェネシスとXTCがブレンドしたようなヴォーカルも良いし、多声コーラスも見事だし、メロディもフックに富んでいます。透明感あるトーンの流麗なピアノ、70年代プログレ直系のきらびやかなキーボード、スティーヴ・ハケットゆずりのリード・ギターと気品あるアコギの爪弾き、めくるめく変拍子アンサンブルなど、卓越した演奏テクニックとイマジネーションいっぱいのアレンジ・センスも特筆もの。70年代と80年代を同じ地平で捉えられる00年代世代だからこそ鳴らせるプログレッシヴ・ロックと言えるでしょう。これは名作です。
ノルウェーのアヴァン・プログレ・バンドPANZERPAPPAのドラマーTrond Gjellumが率いるプログレ・バンド、17年デビュー作。13年〜16年の3年間にわたってレコーディングされたという一枚で、ポスト・ロック的洗練を帯びた比較的ポップなサウンドを基調に、初期ジェントル・ジャイアントに通じる霧がかったようなミステリアスさや、アングラガルド的なピンと張り詰めたタイトな質感などを合わせた、独特の浮遊感と緊張感を含んだプログレを演奏。ひんやりとしたシンセのトーン、鋭角的に切れ込むギター、WHITE WILLOWのKETIL VESTRUM EINARSENによるフルートなど演奏にはいかにも北欧らしい透明度の高さがあります。意図的に打ち込み風の反復感覚を生み出すプレイを織り交ぜたドラミングも聴きどころ。先人へのリスペクトを持ちながらも現代的なユニークな発想で組み立てられたプログレ秀作です。
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