2017年11月2日 | カテゴリー:カケレコ情報,世界のロック探求ナビ
2017年10月の新品CD月間ベストセラーを発表いたしましょう!
世界中からロック&プログレ作品が集まるカケレコらしく、国際色豊かなラインナップとなっておりますよ~☆
1位からご覧ください!
60年代から活躍した腕利きセッションマンの2人が結成した英国が誇る名デュオ、76年発表の名作。
それにしてもこの洒脱さと英国らしいしっとりした叙情美。芳醇な大人のブリティッシュ・ロックだなぁ。
現ポーランドを代表するグループによる待望の17年作!
サックスをフィーチャーしたアーバンな香り漂うメロディアス・プログレが新境地ですが、そこにフロイドの『狂気』を思わせるドラマチックなサウンドメイクが乗っかってきて、こりゃ堪りません~☆
仏EGGレーベル中屈指の傑作として語られてきたのが本作。
リシャール・ピナスらエルドンのメンバーが全面参加、エルドン彷彿のエレクトロニクスを多用したミニマル調をベースに、スペイシーなシンセ、哀愁のギターなどが織りなす、フランスらしい儚さと美しさが滲むエレクトロ・プログレ名盤。
ストレンジ・デイズの岩本晃市郎氏がプロデュースのほか作詞・作曲・アレンジ等に全面参加している新鋭で、沖縄出身の若手女性ヴォーカリストMizukiを中心とするプログレッシヴ・ロック・グループ。
アルバム『幻想の一夜』に収録されなかった曲より完成形に近い10曲を収録したオフィシャル・ブートレグCDがこちら。
それにしても未発表音源ですらこのクオリティとは…。勿論メロトロンも全編でたっぷりとフィーチャー☆
名実ともに北欧シーンを代表するプログレッシヴ・ロック・グループですね。この17年作が驚愕の出来でした…。
イマジネーション溢れるままに美麗フレーズを次々と紡ぎ出すギター、魔法のようにファンタジックで色彩に満ちたキーボード、フレディー・マーキュリーを宿す野性味あるヴォーカル、演奏をダイナミックに牽引するリズム隊…。北欧シンフォの雄による息をのむような17年作!
92年にデビューを果たしたフランスのシンフォ・グループによる通算9作目、22分と27分という大作2曲で構成された17年作。
シンセ、メロトロン、ハケット調のギターらが柔らかく織り上げる、ジェネシス系シンフォかと思ったら、突如陰鬱に広がるシンセ&ギルモア風のブルージーなギターが登場して一気にフロイドに変貌。
70年代プログレ・ファンも思わずニヤリなフレンチ・シンフォの力作。
NEXUSと共に現アルゼンチン・シンフォ・シーンをリードするバンドですね。
ヘヴィなパートを極力抑え、格調高いオーケストラを全編で起用、70年代アルゼンチン・ロックが持っていた柔らかな詩情を確かに宿した珠玉のシンフォニック・ロックを描き出します!
ずばり南米ファン必聴作。
バンドのコンセプトは「70年代のプログレと現在の音楽シーンをリンクさせる」こと。
クリムゾン、PFM、カルメン・マキ&OZといった70年代バンドを受け継ぐサウンドと、現代のJ-POPにも通じる耳馴染みの良さを合わせ持った注目の新鋭による17年デビュー作!
エストニアってどこだっけ・・?バルト三国に入ってた?
そんな曖昧な認識をぶっ飛ばす驚異のジャズ・ロック・バンド!
往年のカンタベリー・ロックを鋭く尖らせて倍速にしたような、痛快極まるアンサンブルが全編で炸裂~!
この1曲目、「スターレス」から「ピクチャーズ・オブ・ア・シティ」「イージー・マネー」までを持ち味のヴィンテージなヘヴィ・プログレへ絶妙に織り込んだ、クリムゾン・ファンならムフフとなるナンバー。
ヒープ色濃厚なオルガン・ハードも炸裂するスウェーデン新鋭17年作!
いかがだったでしょうか。気になる作品を見つけていただければ幸いです!
今月、見事1位に輝いた「MARK-ALMOND / TO THE HEART」に関連する一枚をご紹介。
MARK-ALMONDの片割れであるJon Markが、セッションマン時代の1964年にレコーディングしながらもお蔵入りとなった幻の1stアルバムが、53年の時を経てリリースされました。
これが見事なアコースティックギターの演奏に耳を奪われる素晴らしいフォーク・ソング集。
MARK-ALMONDでも聴かせてくれるジェントルな低音ヴォイスはこの頃から少しも変わっていませんね。
エストニアのジャズ・ロック・バンド、12年スタジオ・ライヴを収録した13年作。シャープな高速変拍子リズム・セクション、野太いトーンでフリーキーに疾走するサックス、ゴリゴリと弾き倒すようなアグレッシヴなギター、そしてカンタベリー系のクールでしなやかなエレピ。デビューからのヘンリー・カウやハットフィールドのDNAを継いだテクニカルかつ流麗なジャズ・ロックをライヴ録音とは思えない精緻さとダイナミズムで一気に聴かせています。カンタベリー・ロックの音を鋭く尖らせて倍速にしたような、痛快極まるアンサンブルが全編で炸裂する傑作!
現在のポーランド・シンフォ・シーンの中核を担うグループによる17年作。今作よりゲストプレイヤーだったサックス奏者が正式メンバーとして参加。ピンク・フロイド憧憬のメランコリックかつ劇的なサウンドにジェネシス的な叙情溢れるキーボードプレイを加えた音楽性を持っていた彼らですが、今作ではアーバンな香り漂うサックスのプレイも大きくフィーチャーし、従来作に比べ格段に洗練されたメロディアス・プログレを聴かせてくれます。全体的に見るとキーボードが担っていたシンフォ色は後退したものの、ここぞという場面ではシンセがスケール大きくうねり、存在感を発揮。サックスに活躍に加え、ギルモアのブルース色を抑えたようなエモーション溢れるギターや映画のワンシーンを思わせる話し声のSE、一部楽曲での女性ヴォーカルの起用など、『狂気』のフロイドを現代的な音像で再構成したような印象も強く受けます。さらに特筆なのがメロディの素晴らしさ。従来に増してシンプルゆえの力強さを宿す選び抜かれた美しいメロディが、聴き手の胸を強く揺さぶってきます。そのメロディを歌い上げる少し憂いのある男性ヴォーカルも相変わらずいい声です。シンフォニック・ロックという従来の立ち位置から大きく前進し、独自のサウンドを練り上げた意欲作!
往年のプログレ/ハード・ロックから影響を受けたヴィンテージなヘヴィ・プログレを聴かせてきたノルウェー新鋭バンドによる17年作。1曲目から強烈!メロトロンがジワリジワリと湧き上がり、タイトなリズムが鋭く切り込む「STARLESS」の変奏曲のようなイントロ、そしてメロトロンが最高潮に達すると、今度は「PICTURES OF A CITY」を彷彿させる重いリフで畳み掛けます。この冒頭4分間は圧巻です。憂いあるオルガンとギター、メロトロンを伴った哀愁たっぷりのヴォーカルパートを経ると、またもやクリムゾン憧憬の嵐のような轟音アンサンブルが吹き荒れます。2曲目ではユーライア・ヒープ風のオルガンをフィーチャーした邪悪な構築美も発揮。カッコイイです。3曲目は20分の大曲で、まさにクリムゾンとヒープがぶつかったかのようなヘヴィでダークで荘厳で哀愁も漂わせたスケールの大きなヘヴィ・プログレを聴かせます。ゴリゴリとヘヴィな中でも、メロトロンが鳴り響くと、ノルウェーの深い森の情景をイメージさせるような神秘性が溢れてきて素晴らしい。クリムゾンを始めとする70年代ロックへの限りない憧れを強靭なヘヴィ・プログレに乗せて聴かせる強力作!