2017年7月28日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんにちは、スタッフ佐藤です。
直近で入荷した新作の中から「これはっ!」というオススメ作品をご紹介するこのコーナー。
今回のおすすめ新作は『FIVE-STOREY ENSEMBLE / NIGHT EN FACE』です。
アルバムの音源はBANDCAMPで試聴可能です。(https://altrockproductions.bandcamp.com/album/night-en-face)
東欧はベラルーシのチェンバー・ロック・バンドRATIONAL DIETが分裂し、メインコンポーザーだったキーボード奏者とバスーン奏者を中心に管弦楽器奏者など総勢11名で結成したのが、このFIVE-STOREY ENSEMBLE。本作は2ndアルバムとなる17年作です。
冒頭より、闇の中で鳴らされるようなピアノとヴァイオリン、チェロ、ダブル・ベースが織りなす、美しくも底なしに陰鬱なチェンバー・アンサンブルに思わず震えが来ます。
チェンバー・ミュージック然としたアカデミックな格調高さが印象的だった前作に比べ、本作はユニヴェル・ゼロを意識したような暗黒感が立ち込めているのが最大の特徴で、バンド本来の格調高さと共に忍び寄るような不気味さが同時に迫ってくる音像がとにかく衝撃的です。
アンサンブルの中核を成すのはピアノとヴァイオリンなどの弦楽ですが、本作を印象づける独特の不気味さを演出しているのがバスーン。単独だととぼけた味のある音色にも聴こえますが、格調高い演奏の中に放り込まれると途端に不安を掻き立てる強烈なアクセントとして機能します。
パーカッションによるリズムが入るM4では、ほとんどユニヴェル・ゼロの3rdや4thに入っていてもいい完成度のチェンバー・ロックを聴かせていて必聴。
これはユニヴェル・ゼロを始めとする暗黒チェンバーのファンなら歓喜すること間違い無しの現代チェンバー・ロックの最高峰!
なお、彼らの前作にあたるデビュー作も素晴らしいチェンバー・ロックの逸品。プログレ・ミュージシャンnetherland dwarfによるコラム『rabbit on the run』で取り上げていますので合わせてお楽しみください^^
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「ミュージシャンの視点からプログレッシブ・ロック作品を捉える」ことをコンセプトに、同じ時代を生きる世界中の素晴らしいプログレッシブ・ロックアーティストたちの作品を幅広く紹介するコラム。担当は、MUSEAからデビューした日本のアーティストnetherland dwarf!
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