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セキュリティー・プロジェクト来日公演@ビルボードライブ東京(4/10)ライヴレポート

スタッフの佐藤です。
4月10日にビルボードライブ東京で行われた、セキュリティー・プロジェクトの来日公演に行ってまいりました!

今回が初来日となるセキュリティー・プロジェクトは、ピーター・ガブリエルのソロ楽曲を主なレパートリーとするトリビュート・バンド。メンバーはこの5人。

ジェリー・マロッタ (Drums,Percussion, BGV)
トレイ・ガン (Guitar, BGV))
ハッピー・ローズ (Vocals)
マイケル・コッツィ (Guitar, BGV)
デヴィッド・ジェムソン (Keyboards)

注目は何と言ってもジェリー・マロッタ。バンドの中では唯一ピーター・ガブリエルのレコーディングに関わったのが彼で、1stソロから86年作『SO』までのアルバムに参加している名セッション・ドラマーです。オリジナルのレコーディング・メンバーということで、彼の存在がこのグループに通常のトリビュート・バンド以上の意味を与えているのは間違いないでしょう。

そしてトレイ・ガン。ご存知90-00年代のキング・クリムゾンで手腕を振るったベーシスト/ギタリストですね。クリムゾン作品でもその音が聴けるウォーギター(Warr Guitar)と呼ばれるタッピング特化型の多弦ギターを操ります。


ライヴは、バンド名の由来ともなったガブリエルの4thソロ『PETER GABRIEL(通称SECURITY)』収録の「Lay Your Hands On Me」でスタート。

プログラミングによるトライバルなリズムが会場に響き出すと、そこに生ドラムを重ねるジェリー・マロッタ。見た目は恰幅の良いおじいさんなのですが、ひとたび叩き始めるとそのタイトで鋭い打音からは微塵も衰えを感じさせません。往年から変わらない、叩き出される一音一音がバシッとジャストで決まる感じが気持ちいいんですよね。重層的で躍動感溢れるリズムワークに早くも酔わされます。

ガブリエルのソロ中でも1、2を争うくらい4thが好きなこともあって、こうして収録曲をオリジナル・ドラマーが再現してくれていることには、さすがに感動せずにはいられませんでしたねっ!

トレイ・ガンが弾くウォーギターは、見た目で言えばスティックメンのマーカス・ロイターが使用するタッチギターとほとんど変わらないように見え、実際音も非常に近い印象を受けますが、どうやらベース的役割も果たせるのが特徴のようで、鋭利な刃物で切り裂くかのような切れ味鋭いプレイと、スティックを思わせるズゥンという重く沈むようなベース音を巧みに弾き分け、変幻自在なスタイルで演奏に独特の緊張感を与えています。指板上で10本の指が踊るように華麗に動く様は圧巻。さすがはクリムゾンファミリーというべきテクニックを全編で披露します。

そして驚いたのが、リード・ヴォーカルを務める女性シンガーのハッピー・ローズ。正直なところピーター・ガブリエルの曲を女性シンガーが歌うのはどういう感じになるのか想像できない部分があったのですが、最初の数曲でその思いは杞憂であったことを実感します。

4オクターブの声域を持つという彼女ですが、それは高音域よりもむしろ低音域に発揮されます。凄いのが「女性が出す低い声」ではなく本当に男性の声と聞き違えるくらいに芯の通った存在感のある低音域が出せること。決してガブリエルの声質や歌い方に近いわけではないのですが、元から彼女の曲であっても不思議に思わないくらいの歌いっぷりで、場の空気を変える力を持つ優れたシンガーであることがパフォーマンスから伝わってきました!

曲は3rd、4thからのナンバーが中心で、3rdからは「Intruder」「No Self Control」「I Don’t Remember」「Games Without Frontiers」「Lead A Normal Life」など、4thからは冒頭の「Lay Your Hands On Me」の他に「I Have The Touch」などをプレイ。

さらに、3rdに参加している関係もあってか、ケイト・ブッシュの「Mother Stands For Comfort」も演奏されました。トレイ・ガンのベースとデヴィッド・ジェムソンのシンセによる粛々とした演奏をバックに、オリジナルよりもシリアスな表情で歌い上げるハッピー・ローズのヴォーカルに会場中が酔いしれます。よく通る自身の声質を生かしつつケイトを意識した程よくコケティッシュな歌声が素晴らしかったです。

ちょうどこの曲の動画があったのでお聴きください!

試聴 Click!

また、バンドの背後のスクリーンに映し出される各曲をイメージした映像が演奏と合わさることで、よりピーター・ガブリエルの楽曲の世界観を深く味わえるようになっていたのも印象的でしたね。

そして最後は、まさかのジェネシス・ナンバーも登場して会場中が大興奮!
ソロ楽曲を演るプロジェクトなので、ジェネシスは来るかな~どうかな~と思っていたのですが、ガブリエル最後のジェネシス作品『Lamb Lies Down On Broadway』より「Fly on a Windshield」と「Lamb Lies Down On Broadway」をやってくれました!

実際ジェネシスまでいくと、スティーヴ・ハケットのリヴィジテッドとは違ってもはやオリジナル・メンバーがやっているわけではないのですが、ピーター・ガブリエルのトリビュート・バンドと言うならやっぱりジェネシスはやってもらわなきゃですよね。その期待にしっかりと応えてくれて嬉しかったです。

特に「Fly on a Windshield」では、ギターのマイケル・コッツィによるハケットを見事に再現したソロプレイが出色でした!
また個人的には、あのトレイ・ガンが「On Broadway~♪」のコーラスを歌っているが大変新鮮で良かったです^^



確かなテクニックに裏打ちされたクオリティの高い演奏で、ピーター・ガブリエルのサウンドを蘇らせてくれたセキュリティー・プロジェクト。
また是非観に行きたいと思わせてくれる素晴らしいステージでした!

PETER GABRIELの在庫

  • PETER GABRIEL / HIT

    30曲収録のベスト・ヒット集、03年リリース

  • PETER GABRIEL / GERMANY 1978

    1978年9月15日のドイツ公演をアンコール含め完全収録!

  • PETER GABRIEL / III

    80年リリース、以降の方向性を決定づけた傑作3rd、ゲストにロバート・フリップ/ケイト・ブッシュ/フィル・コリンズが参加、通称「Melt」

    1980年作。初の全英1位を獲得したサード・アルバム。ロバート・フリップ、フィル・コリンズ、ケイト・ブッシュ他、参加したゲスト陣も豪華。

  • PETER GABRIEL / SO

    86年リリースの5thソロ、「スレッジハンマー」をはじめヒット曲多数収録した会心作!

    1986年作品。初の全米No.1ソング「スレッジハンマー」を含む、ピーター・ガブリエルの人気を世界的にした傑作アルバム。

  • PETER GABRIEL / XPLORA1 PETER GABRIEL ‘S SECRET WORLD

    93年リリースのPC用CD-ROMコンテンツ作品

  • PETER GABRIEL / REVISITED

    1st/2ndから選曲されたコンピ、全15曲

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